各会計決算特別委員会第2分科会の質疑(教育庁_5/8)セーフティネットの進捗

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教育庁⑨SNS教育相談

子供たちが抱える不安や悩み等について、外部の相談窓口により気軽に相談できることは大切です。H30年の2週間の試行結果を踏まえ、令和元年度から通年実施に移行した、「SNS教育相談」は、昨年度一年間で、中学生から1496件、高校生から845件、その他不明等が434件の、合計2775件の相談が寄せられ、通常時は5回線、夏休み終了前後など生徒が不安を抱えやすい時期には、回線数を増やして対応しました。

Q SNS教育相談を利用した相談者を、できる限り具体的な支援につなぐことができるようにすべきと考えるが、昨年度の取組について伺う

A 都教育委員会は、昨年度、経験豊富な教育相談センターの心理職等が、返信内容等について助言する体制を構築するとともに、同センターが蓄積してきた相談手法をSNS相談員に研修で伝えるなどしてきた。SNSのやり取りだけでは解決できない内容については、信頼できる身近な大人や、都教育相談センターの電話相談などの相談窓口に直接相談するよう促すなどして、具体的な支援につなげられるようにしてきた。

福祉保健局の決算質疑でも述べましたが、社会には、様々な価値観や物差しがあり、一つでもいいから、自分に合うものを選び取れれば、人は案外元気に暮らせると考えています。核家族化が進み、コミュニティも衰退するなかで、ICTを活用して、アクセスしやすい新たな受け皿を実現し、加えて、相談者が所属していたコミュニティの外につなぐ取り組みを評価します。

教育庁⑩いじめ調査

Q 学校が子供に対して行っているいじめに関するアンケートや、都教育委員会が学校に対して行っているいじめに関する調査は、どのような方法で実施しているか伺う。

A 各学校が行っている児童・生徒を対象としたいじめ発見のためのアンケートについては、アンケート用紙を配布し、回収するなどの方法で実施している。実施に当たっては、子供が心配なことなどを、ためらわずに教員に伝えられるよう、二つ折りにして提出したり、家に持ち帰って記載したりするなどの工夫をしている。また、都教育委員会によるいじめに関する調査については、各学校が、表計算ソフトの様式に入力して、提出する方法で実施している。

紙の調査が年3回に限られるのに対し、「SNS電話相談」で報告されたように、ICTを活用すれば、いつでも報告できるという常時性、そして、匿名性により、相談の敷居を下げることができます(株式会社マモル)。これまでのデータから今後を予測するAIを使って、いじめの早期発見に取り組む事例も出てきています。一人一台環境も整備されるので、「いじめに関する調査」についても、ICT利活用にすぐにでも取り組んでいただくことを要望しました。

教育庁⑪シニア・スクールカウンセラーの効果

Q 都教育委員会は、昨年度から、スクールカウンセラーが抱える困難な事案に関する相談に応じる、シニア・スクールカウンセラーを学校経営支援センターに配置するモデル事業を実施している。昨年度の実績について伺う。

A 昨年度1年間で、3人のシニア・スクールカウンセラーが、143人のスクールカウンセラーに対し、生徒や保護者の相談等に関して、合計722件の支援を行った。また、スクールカウンセラー連絡会において、困難な事案に対する対応例や、全員面接の効果的な実施方法等について、講演を行った。さらに、校長等に対して、スクールカウンセラーの効果的な活用について助言するなどした。こうした取組を通して、シニア・スクールカウンセラーの助言を受けたスクールカウンセラーが、不登校の子供に対して、継続的な面接を行うことができるようになった事例や、シニア・スクールカウンセラーが、教職員に、性自認について悩む生徒の対応の在り方を助言した事例などが報告されている。

先日の一般質問で、変化に前向きな教員を育成する研修について、先駆者に学び、同じ志を持つ仲間でつながれる教育の重要性を訴えました。同様に、各学校に一人だけ配置されているスクールカウンセラーが、経験豊かなシニア・スクールカウンセラーに相談できたり、また、事例の積み重ねがまだ浅い、性自認の問題に関する対応についてアドバイスがもらえることは、有意義な施策であると思います。

教育庁⑫「学びのセーフティネット」

以前は、勤労学生のための仕組みだった通信制課程も、現代では、他の高等学校を退学して転入した生徒や、義務教育課程で不登校だった生徒が多くなっています。都は、都立通信制課程の生徒や不登校で学校復帰を目指す生徒等を対象に、NPO等の外部機関と連携し、個に応じた支援を行う取組をする「学びのセーフティネット事業」を、東部、中部、西部の都内3地区で、平成31年度に事業を開始、各地区の定員70人に対して、東部地区が68人、中部地区が66人、西部地区が61人の計195人が参加しています。全参加者のうち、都立高校通信制課程の生徒は約7割を占めており、都立通信制課程を設置する3校のスクーリングに参加している生徒のうち、約2割の生徒が本事業へ参加しています。

Q 学びのセーフティネット事業における、都立通信制課程の生徒への支援の成果について伺う。

A 本事業に参加している生徒の感想として、丁寧な学習支援を受けたことで、レポート作成に前向きに取り組めるようになったことや、NPOスタッフや同じ悩みを抱える生徒との交流をきっかけに、対人コミュニケーションに自信を持つことができ、アルバイトにも取り組みはじめたという例がある。また、都立通信制課程の教員からは、スクーリング時に生徒からの学習についての相談が増えたこと、レポートの提出率が向上したという報告を受けている。

「SNS相談事業」に関する質疑でも述べましたが、核家族化が進むとともに、コミュニティも衰退し、成長過程で交流できる大人の数が減少していることが予想されます。従来所属していたコミュニティの他に、新しいコミュニティに所属することで、多様な価値観、物差しに触れる機会を増やし、一つでもいいので、自分に合うものを選び取ることができるよう、本事業の継続と充実を要望しました。

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