第13回都政報告会の開催以降、スタートアップに関わる皆様との意見交換を重ねています。6/11の夕刻に、都政報告会のゲスト、一般社団法人日本ウェルネス漢方協会理事の森春幸様に場を設定いただき、学生起業サークルの代表者の皆様とオンラインで意見交換をしました。印象的だった事柄を以下に記載します。
導入
都は、裾野拡大のため、教育やチャレンジの場を設けようとしている。都の取組が伝わっているか、そして何を求めているか、学生起業サークルの現状とニーズを知りたい。
参加した起業サークル
TNK(東大)、KBC(慶大)、Wit(早大)、ソフィアスタートアップサークル(上智)、iU起業サークル(情報経営イノベーション専門職大学)
現状とニーズについて
iU起業サークル(情報経営イノベーション専門職大学)
①リスクをスタートアップ、資金は大企業が担う連携の推進
②外資系VCが入ってきているが、東京や日本が対等な関係になれていない印象
KBC(慶大)
①場所(都外の大学はTiBの恩恵を受けにくい)
②試作できるラボ
③弁理士など専門家
④プロポーザル、事業承継の情報
→ ①~③は、都として設けたイノベーション拠点「Tokyo Innovation Base」に(完全ではなくても)機能はある。実際に見てもらってまた意見をいただく。
ソフィアスタートアップサークル(上智)
①学習コンテンツ
【背景】起業の基本的なプログラムを、今は2-3年生が中心になって作っている。
Wit(早大)
①起業教育の提供
【背景】
・企業と単発のイベントを共催し、定性情報は集まりつつある一方で、不確かな情報が多い。企業の思惑として採用に寄りがち。
・VC、エンジェル投資家がサポートしきれないスモールビジネス運営者は、支援があまり受けられていない印象。
→・起業動画コンテンツ(ビジネスマナー(学生は経験がない)、ビジネス・スタートアップ基礎知識)
・教育プログラム、メンター支援
②規模拡大の支援
【背景】生成AIで起業しているものの、受託開発だとスモールビジネスになりがち。
TNK(東大)
①場所
・大学によって違うと思うが、少なくともTNKは困っている。新宿または渋谷の貸し会議室を借りるが賃料が痛手
・有楽町は使いたくても遠く、交通費がかかる。若者は渋谷新宿。若者を対象に場所があると嬉しい。
・泊まり込みで開発できる場所を希望。2-3割の人は24時間起業に向けて取り組んでいる。近畿大学には仕組みがある。同じフェーズの起業家同士でシェアハウスをしたり、投資家のオフィス、友達や起業家の自宅を利用する場合も。月1回程度は朝まで開発することも。
②コンテンツ
・TNKの勉強会で好評だったのは、教科書的な内容ではなく実務や悩みに応えるもの。例えば仮説検証(「起業の科学」では物足りない)や採用など。
③情報
・周辺環境は5年で変わる。ユニクロの柳井さんより、タイミーの大賀さんの話を聞きたい。まだ東京都と組んでいない。
④資金
・各サークル一定お金かかる、真水で10万円/年程度の支援。(ソフィアスタートアップサークルは場所が提供されているため不要、それ以外のサークルについては同程度が必要)。企業の協賛だと企業にリターンするのが拘束感を生む。
→ 都として、三田会など学校OBや起業家からお金を集めたうえで真水化して学生スタートアップに渡す仕組みを作っては。
⑤IT開発、プロトタイプ周辺支援
・韓国は手厚い、インキュベーション施設が多数、開発面の支援、知見が回っている。
・日本は、プロトタイプできなくて行き詰ったり、スキルない人に高額を支払ったりといった問題が起きている
・強いエンジニアを雇おうにも、大きなシステム作ってきた人とMVPをやる人は、スピード感が違う。
・起業家にIT知見がなくてエンジニアを判断できない。
・プログラミングスクールに通っても、最低限のPDMができない。MVPできる知見がまとまってあるといい。このプロセスをたどれば開発についてわかる、といったものを作るのは意外と簡単に思う。
Q&A
Q 動画コンテンツは様々が提供されていようにも思うが、足りないのか?高額なのか?
Aコンサルを受けられる機会は多いし、困ったときにどうするの相談はできる(東京創業ステーション、ネット、VC)。ただし、体系やセオリー的な部分がわからない。都度都度になっている。
Qサークル内の勉強会で東大馬田先生の資料等を使っているが、ひな形、自分が使いやすいものが欲しい。動画コンテンツを民間から提供受けたことがあるが、
①作った人で偏りがある、いろんな意見を入れて作ってほしい
②学生、社会人が躓くポイントと学生が躓くポイントが違う。
③動画コンテンツの見出しから内容が推測しづらく、全部見ないと網羅的に分からない。セクションで分かれていると嬉しい。例えば、営業、収支計算、マーケット探す、など。
A 都が知見をまとめるにあたって、中高大学生と一緒に作れると良い。
今後
TIB見学会を開催し、そこで以下の責任者が質問に答えられるようにする。
・ファブラボ
・スタジオ
・創業に必要な知見のドキュメント(若い人の経験ベース)
・ITプロトタイプ
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