学生起業家の皆様との意見交換

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学生起業サークルの主催者の皆様との意見交換に続き、6/14の夕刻に、これも一般社団法人日本ウェルネス漢方協会理事の森春幸様に設定いただき、学生起業家の皆様と意見交換する機会をいただきました。

補助金、助成金について

韓国

日本の制度は活用先が限定的。創業初期に正社員を雇うことは難しく、業務委託をすることが多い。例えば兵庫県の支援の対象は、通信回線費は正社員のみ。書類の準備に比べてリターンが少ない(都の支援は未経験)。

Q 韓国では何をもって与信しているのか?
A 社員数ではなく、アクセラレータープログラムやVCから調達受けるなど、第二の担保手段、枠を決めて補助

・イスラエルの制度を参考にスタートアップへの投資を担うTIPS(国の機関)を創設。技術性と事業性の両面を評価。 

・エンジェル投資家を国がVC事業者として選定し、30億ウォン(3億円)の投資を委ねる。VC事業者が認定した若手スタートアップを国も審査し、国益になるかどうかで判断して投資をする。国債ファンド、年金ファンドなどがVCのLP(リミテッド・パートナーシップ)になる。民間と行政がともに支援する仕組み。海外進出ならさらに1000~2000万円の支援。

→ 日本の場合は国プロ含め、行政側に判断できる人材が育っていない

予備創業パッケージ(最大1000万円の起業支援金)

 https://www.kised.or.kr/menu.es?mid=a20204020000

韓国政府シードスタートアップ向け助成金関連記事

 https://www.korit.jp/interview_korit_tips

jetroによる視察記事

 https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2024/0301/2b01cd82c17dbaba.html

k-startup(韓国政府のスタートアップ支援専用webサイト、韓国語)

セカンドチャンス含めて、支援制度がまとまっている。
初期段階のスタートアップパッケージは、3年以下のスタートアップが対象
1億ウォン(1000万円)をプレシードに助成し、商業化(ビジネスモデル)支援パッケージが有名。
 https://www.k-startup.go.kr/#main-section_1
 https://www.kised.or.kr/index.es?sid=a1
 https://www.kised.or.kr/_eng/

欧州

・VCではなく、ある程度視座のある、若手スタートアップに資金提供している。一定数が起業し、生まれたテクノロジー使って国が発展する。

・NAVAでは、どこまで資金調達受けているかがわかるキュレーションサイトを設置。情報が開示されているので、会いたい人に会える。

「Crunchbase」に世界のスタートアップ関連情報が集まっている。日本のスタートアップの情報も集まっているとよい。

・スウェーデンの大手ファンドEQTは、日本企業の買収に動いている。

日本

・日本のスタートアップ支援は、アクセラやVCが対象。デロイトもミートアップセッションなど開催するのはいいが、その後のエクイティにつながらない。銀行など起業したことがない人のアドバイスなど、時間と労力の無駄になるプログラムが散見される。

・前職の「アップサイダー」では、法人向けクレジットカードを与信力がないスタートアップ向けに発行した。日々の支払い情報や融資などで与信。「ベンチャーネット」のバックヤードもアップサイダーが担っている(みずほが資本元)。政府系ファンドも活用するといい。銀行は、リターンに見合うようにリスクを下げたいが、スタートアップを判断するのが難しい。「アップサイダー」は、スラックや銀行口座の情報を得て、信用と目利きの経験を積んでいる。一方で、VCが目利きができるかについては、筋が悪いVC、表向きいいが裏は評判悪いVCもいる。政府も目利きは難しい。
→ 常にスタートアップと仕事をしているアップサイダーなどの民間事業者を活用し、VCとダブルでリスクヘッジをできないか

Q クラウド会計システムを担うfreeeにはできるか
A データたまっていても、アルゴリズムはない。決算書では数字が出ていないスタートアップが「アップサイダー」の評価で救うことができる。

・レイター向けの融資は充実してきているが、アーリーに対する融資や担保条件が厳しく不足している印象。

・ディープテックに投資できるVCが日本には少なく、コネクトに時間がかかった。政府認定VCなど活発にやっているが、現行の基準については精査の必要あり。ビジョナリーなのに目先のことを求められるなど難しく的を得ていない。

・情報にアクセスしづらい。VCは競合しないよう紹介をしたがらない。後になって、補助金、助成金使えたら企業の紐づきにならずに済んだのに、ということがある。コミュニティに入って情報が得られるようになって、アクセスしづらかったことに気が付けた、助成金のサイトが省庁ごとに違う、文字で説明など分かりづらい。コミュニティの中で情報をシェアしている。

・補助金はわかりにくいし、多くの資料書かされたくもない。国のNEDOのように、研究開発(AIモデルの開発にお金がかかる、補助率2/3でなく、中小企業登録事業者であれば10/10など)にお金を落としてほしい。

・アクセラもありがたいが生活を助けてほしい。シャワーや家賃補助(免除)、根性論とされがちだが、家庭の事情で起業する人もいる

留学生の起業環境

外国人が国内で起業する場合、経営管理ビザ(資本金500万以上&オフィスの住所が必要)に切り替える必要があるが、都内では家賃が高いなどハードルが高い。スタートアップビザは卒業資格が必要で、学生起業家は対象にならない、優秀な人こそ起業しようとするが、日本人ならできても留学生の起業のハードルが高い。改善することで好循環につながるのでは。

・自分は兵庫県にオフィス(月4万円)があるが、都内には低家賃の物件はない。創業期は資金が限られるため、東京に登記ができない。

・米国は留学生の起業の比率は25%。日本も海外の留学生が増え、日本での就業を考えた場合に起業も選択肢に入ってきている。

・プレシードへの融資は、VCによる1000万円程度の融資に加え、韓国では国が毎年300社程度を採択して、300万円を融資。規約なしでビジネスモデルの検証やプロトタイピングができる。

シェアオフィス・シェアハウス

欧州

・スタートアップハウス「マルメ」は自然に恵まれた場所にあり、食事(果物)、パン、クッキー、コーヒー、ソファー、リラックスした空間、話せる場所、植物があり、犬もOK、メンタルヘルスにも配慮。シャワーもある。

・「ミンク」も第二のハウスで果物が置かれている。

日本

・創業して1年で2,000万調達しても、お金が足りない。都はオフィスを提供してくれているが、創業期は泊まり込みや、忙しすぎて商談に行くのにシャワーも浴びられない。施設を24時間営業にしてほしい。

AIなら本郷、ITなら新宿、渋谷。エンジェル投資家が無償で使えるスペースを提供しており、20-40席だけど重宝している。都の施設が有楽町、丸の内にあるが、移動に時間とお金がかかる。

・若手起業家支援としてNPOが20名を支援していて、シェアオフィスだけでなくシェアハウスも提供。隣でプレスのビューが1万を超える様子が見られたり、開発や営業について教えてもらうなど、知見が得られる。空いている不動産の部屋を無償で貸し出してくれたら助かる。

・シャワーは欲しい。銭湯はあっても1.1km離れているし高い。シャワーだけでいいので安いといい。

・創業期は、シェアオフィスや自宅をビジネスの拠点にしている経営者が多いが、一番困るのが、先方がオフィス訪問したいという時。打ち合わせ場所として安く使えるところがあると嬉しい

・ご飯、家、風呂、移動に困る。フードロス対策や炊き出しにつなげてもらえても嬉しい。

Q 固定費が困るのか
A 所持金の有無で将来が大きく変わることがあるので、会社のお金を一銭も自分に使いたくない。よって、自分の生活を切り詰める。

・おにぎりと野菜があれば天国。

・何も食べなくてもなんとかなるのでまずはシャワー

新宿、渋谷にも場所を確保できないか検討。24時間化の要望も伝える

開発支援

・プログラミングスクールに通うための資金面の支援はあるが、創業期に必要なスキルと解離がある。人材紹介を受けることがあるが、スクール出身は使えないのが現状。

・ミニマムのプロダクトを作るのは、そこまで複雑ではない。本気なら1か月でできる。MVPの開発に必要なスキルの取得になっていない。

→ IT人材が不足するなか、スタートアップに関わるIT人材の質の補償は課題

教育、コンサル

諸外国

・米国(スタンフォードのデザインスクール)、韓国では、20-30代の講師(仮説検証)が講義をまとめ、大学生、社会人起業家が観られるようにしている。はるかに遠い人でなくて一歩手前の人を聞きたい。日本では、イベントやオフレコで語られている印象。

・ミンク(Minc)のスタートアップハウスには、相談できる相手がいつもいて、おしゃべりできる。マンツーマンで支援。プレシード~マッチングまで伴走して支援。政府機関だと思われるが、プレシードから数千万円までアクセラから援助がある状況。

日本

・エセ起業家が多い。

・バイブルと言われている書籍(例えば「K業の科学」)は既に実情にあっていない。

・バイブルと言われる書籍の著者に30分×2回/月のミーティングで30万請求された。スタートアップ支援者の精査が必要。

・自分で起業したこともない人が講師をやっていたりする(都の施策でも多い)。伴走型はエグジット経験がある人、具体の話ができる人にしてほしい。日本では、理論の人、実際に起業したことがない人が手掛ける傾向。役に立たないセミナーに時間とお金を使わされることが少なくない。

・都が知見を形式知化するのであれば、ここ5年で伸びている社長(タイミーの小川さん、ZIZAIの塚本さんなど)の話を聞きたい。

知見を集めるなら学生の要望を募るようにする

・信頼できる若手起業家ネットワークに属して、相談したり情報収集をしている。直近であれば登記で何に気を付けたらいいか、どの区で登記したら優遇があるか、どう検索すればいいかなど。ネットに書いていないウェットな情報が得られる。今後は、資金調達、起業PR、PSRなど。

セクハラ

・投資家やアドバイザーによる女性起業家へのセクハラがある。

・中程度の成功者が、女性にセクハラする件が散見。女性起業家同士で良く情報共有。

・資金調達で食事に誘われたり、触られる、性的な関係を強要されるなど。鬱になる事例も

→ TiBで相談窓口の設置と周知をするよう求める。

・スタートアップ拠点にコンシュルジュを置く場合は、セクハラがないようにメンバー選定に注意してほしい。

TiB STUDIO(若者向け支援)について

Q イグジット経験のある人がシードからMVP生成以後も支援するのか

A 資金調達まで伴走支援。

・シードまでの支援は多いが、渋谷のエンジェルが作った場所だと、エグジット経験あるクリーンなエンジェル投資家が集まっていて、アドバイスも受けられる。MVP生成までに限らず、オールラウンドで相談できるといい。いい人が集まることで変な人を除くこともできる。

・伴走より、ビジネス的にコネクション、集まる場を重宝している。ボストンプログラムに昨年採択されたが、一番良かったのは「CIC東京」。事業者がたくさん集まっていて、リードが取れて、数兆円の企業とつながれた。

・(スタートアップに興味がある大企業ではなく)DXと興味がある企業、決裁権ある人とつなげてほしい。自社の技術がビジネスマッチングすることがある。スタートアップに興味がある大企業だと、新規事業を探している企業に限定されてしまう。

税制

・インボイス関連の問い合わせが大企業から多いので、辞めてほしい。最初の2年間消費税かからないのはいいが、大企業にインボイスの説明するのが面倒。

・税金に詳しくないが、法人税について、初年度終わって33%をスタートアップからとるのは高いのでは。

→ 金融特区に入っているか調べる

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