「SHIMOKITA COLLEGE」の視察

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第13回都政報告会「都が進めるスタートアップ振興」を契機に、スタートアップ界隈の皆様との意見交換を重ねています。

メンバーのお一人の提案で、下北沢にある「SHIMOKITA COLLEGE」を視察する機会をいただきました。以下は案内をしていただいたHLAB広報の河合様から伺い、記録しておきたい内容です。

設立経緯

小田急電鉄株式会社との連携

「下北線路街」を手掛ける小田急グループと、高校生向けのサマースクール事業やレジデンシャル・カレッジ(教育寮)事業を手掛けてきたHLABが連携し、高校生から社会人まで、年代も背景も性別も異なる仲間に刺激をうけつつ、最長2年間暮らせる寮として2020年12月に開業。現在、約120名が生活。

小田急には、再開発により、徒歩20分圏内を豊かな、家族の住まいに変えたいという想いがあり、人は青春時代を過ごした場所に住み直す傾向があることから、若者が住めることが大切であると考えている。学校誘致も考えたが、多世代が暮らす寮であれば、長く過ごすし、再現性も高い。

小田急を通じて下北沢地域の街づくりの方と繋いでいただくなど、地域連携がスムーズに進んでいる。

2年という利用期間

「始まりと終わりの期間を定めることで学びのカリキュラムを作ることができ、教育体験にメリハリをつけて深めることができる」ことから、最長2年としている。

学びについて

文明塾のように学びの機会を増やす

委員会に属したり、興味があれば地域と連携しイベントを行うなどもある。近くに卒業生が立ち上げた第二のシェアハウスがあり、そこを通じて「線路祭」に出展するなど、地域と交流が生じている。
「facebook(映画)」のように、関係性の中で起業する人も。端切れでものを作るクラファンも生まれている。

対話とアクションが大切

10名で小グループを作り、月に一度、振り返りを実施。
社会人がチューター(チューター14名、1名が8名を担当)となって1 on 1は半期に2回、年間4回ほど実施。リクルートの人材開発会議的。

2年で卒業研究し、アウトプットする。人間教育。

成果

スターを産みだすというより、ネットワークを基盤とした取り組みが生まれることが成果だと考えている。
カレッジがなければ出会わなかった人と出会えることが大切。
将来、起業や政治など様々な分野で協業が生まれると良い。

募集と選抜基準

「2年のうちにやりたいことを見つけよう」というキャリア塾として募集。倍率は1倍を超える。

住人は同質性と異質性をバランス
 共通:向上心、好奇心,他者との交流
 多様性:文系,理系など関心軸、ソフト面はHLAB(高校生向け留学支援)の知見を活用
向上心はエッセイ(しっかり書く)と面接で決定
外交性が高い人材が多くなる傾向はあるが、選考では理系の採用を考慮
自分のペースでいいとしており、カウンセラーも入る

高校生15名(多すぎると高校生だけでグループができる)、ここから通学
大学生60名
社会人30名(コロナ禍で希望者が増加)

海外留学から寮の運営へと展開した理由

高校生サマースクールに参加したメンバーは、同行した同世代の仲間に大きく刺激を受ける傾向が認められた。英語で一日過ごすと、特に夜間に、高校生同士で自己開示するようになる。
学校ではなかなかできない真面目な話ができた、という声が多かった。

建物

99部屋。風呂,トイレ,キッチンは共通かつプロが清掃。
キッチン,ランドリー(男女で分けてる)は、トラブルが生じやすい。

自室に戻る際に、食堂や共有スペースを通る構造にしている。スタンフォード大学の「コーヒーチャット」が生まれる仕組み。

住人の声

地方から出てきてシモキタカレッジに住んだことで、デンマークにある大学への留学を決断した(視察のタイミングでは帰国中)

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