第13回都政報告会「都が進めるスタートアップ戦略」では、専門家からも参加した皆様からも、若者や学生向けの「アントレプレナーシップ教育」が大切であるとのお声をいただきました。そこで、学生サークル主催者の皆様や、学生起業家の皆様との意見交換、そして、私たちの求めに応じて東京都が開設したスタートアップ推進拠点の「TIB(Tokyo Innovation Base)」の視察など、現行の都の取り組みを知っていただく、そして改善にむけての意見交換を重ねてきました。
9/6の夕刻に、改めて学生起業家の皆様をお招きし、TIBの視察と都の担当職員を交えた意見交換を行いました。ポイントだと思ったことを以下に記載します。
都の説明
コンセプトはNODE。国内外の様々な資源と出会える場。これまでイベントを200回開催。
学生からの意見
参加メンバーについて
・今回参加したメンバーは、ETIC主催のMAKERS UNIVERSITYの同期。毎年50人が対象。
・MAKERS UNIVERSITY主催の起業家200名が集まる3泊4日のイベント(※)が今日から始まるので、上京したついでにTIBにも立ち寄ることができた。地方のスタートアップはイベントが開催される東京に来るのが大変。
※ 国立オリンピック記念青少年総合センターを利用。事業計画を学ぶとかではなく、先輩起業家を囲んで学び合う場。事業に対してフィードバックがもらえる。
・学生起業家は、休学して起業する場合が多い。
・起業家と投資家の情報の非対称性の解消に向け、セクハラ含めて評価ができるサイトをリリース。被害女性からDMが来るなど反響が多い一方で、機能拡充や有料化など、1人でやっていくのは難しいと感じた。
・学生起業家とキャリア人材に情報格差があり、学生起業家が試行錯誤を重ねる間に、融資を受けた資金がショートする。
・多くのVCは資金面のみサポート(それ以外のサポートはない)。
TIBの情報発信について
・今回の訪問に先立ち確認したが、TIBのイベントのサイトがわかりにくい。参加するイベントを選ぶのに労力がかかる。
→ サイトの作成をスタートアップ(当事者)に依頼すれば、見やすくもなるし口コミも広がる。
→ イベント情報をメールで受け取りたい→ 対応していない。
→ 京都の「KOIN」のサイト、「CIC」のプレスリリースはわかりやすい
TIBのイベントについて
・単発イベントではなく、大手企業の意思決定ができる役員(アポとるのが容易ではない)と意見交換し、商談につながるような連続性のある企画を希望する。「スタートアップと何かしよう!」というイベントでは、大手企業からは意思決定できるような立場の人が来ない。
・(自治体と結びついたり、海外のリソースと結びつくの難しいので、)自治体と繋がれるイベントや、海外の情報がわかるイベントがあるとよい(ネットで得た情報だけで海外向けスタートアップやってるケースもある)。
→ 自治体主催のイベントは比較的多い。
・平均参加人数は?
→ 50-500人規模のイベントを開催。平均は100-200人程度。大企業の新規事業部やCVC、行政マンが多い。
→ KPIを設定し、商談成立したかどうかなど、測れるようにするべき。松尾研のミーツアップは終わった後評価している。
TIBについて
・利用者が増えているが、コワーキングスペースとして使われている印象。
・対象は?
→ 起業業前や、資金調達に到達していない人
→ 大阪にある「QUINTBRIDGE」が参考になる。利用無料で、階によってフェイズが違う。
→ 対象を明確にしたほうが良い。
海外留学生が起業する際のハードルの高さについて
・日本で暮らす外国人留学生は、海外のソリューションもあり、日本の課題も知っているが、起業しようとすると課題が多い。しかしながら、卒業せずに起業したいと思うと「経営管理ビザ」しかない。「スタートアップビザ」は単位獲得してたら出ることもあるが、1.2年生だと、難しい。
・経営管理ビザは個室オフィスが必要だが、都内だと8万円以上家賃がかかる。資金調達できていてもオフィスと住まいの両方を確保することは厳しく、資金調達してないと不可能。実家もない。バーチャルオフィスだと登記できないので、自分は、本社を(家賃の安い)神戸にしてる。このため、関西に郵便物とりにいかなければならない。
・経営管理ビザは、500万円以上の資本金を求められる。責任感を持って企業するには適当な金額だとは思うが、日本人であれば30万円で起業できる。
・留学生の本業は学業なので、資格外許可になる。学生起業枠を別で作って欲しい。
→ 個室オフィスの件は、国も緩和の方向で議論。500万円も株で集められる部分、検討されて今年度中に。VISA変更のお手伝いもする。
→ 入管で留学VISA違反になると怖い。TIBで相談ができるということをわかりやすく発信するとよい。
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