冒頭で、6月16日にご逝去された石川良一都議、そして、能登半島地震の豪雨災害で亡くなられた皆様へのお悔やみ、そして、被災した皆様に御見舞を申し上げました。
都政課題をテーマに専門家と参加者の皆様との意見交換を行う福島りえこ都政報告会(第1回、第5回)を起点に、都民の7割がお住まいの集合住宅に向けた「マンション防災」そして見た目に美しく、コミュニティも育む、雨水浸透策「グリーンインフラ」が会派の取り組みとして進んでいます!
都政運営について
先の東京都知事選挙において、小池知事は他候補に大差をつけて再選されました。これは「都民ファースト」の視点に立って推し進めてきた2期8年の「東京大改革」が評価され、引き続き小池知事にリーダーシップを発揮していただきたいという期待の表れです。
実際、知事の就任以降、待機児童解消や018サポートなどチルドレンファースト社会の実現、爆速DXや働き方改革、無電柱化・不燃化といった都市の強靭化など、先を見据えた取り組みは、国をリードし、日本を変えてきました。
今回、知事は「東京はもっとよくなる」というキャッチフレーズを掲げ、政策の要として「首都防衛」を打ち出すとともに、改革を加速、進化させた「東京大改革3.0」を提示、東京を世界で一番の都市にしていく、とされました。
Q これまで以上に、都民ファーストの視点に立ち、政策をさらに強化し、都政を前へと進めていくことが必要です。三期目の小池知事の決意を伺います。
A (知事)
○ これまで二期八年、東京大改革の旗を掲げ、大胆な発想、全体を鳥の目で俯瞰しながら、未来の東京を切り開くあらゆる施策を講じてまいりました。都民ファーストで取り組んだ改革のスピードをさらに加速し、都民の負託と期待にしっかりと応えたいと考えております。
○ 国際紛争、災害の深刻化、予想を超えます速度で進む少子高齢化、AIの爆発的進化など、世界は急激に変化をし、従来の常識では、もはや対応ができない状態でございます。
○ こうした中、時代の趨勢を鋭く見極め、斬新で大胆な東京の未来像を描かなければなりません。このため、「未来の東京」戦略を発展させ、新たな戦略を策定いたします。
○ これからの社会と経済を支える基盤となるAIなどの技術も駆使しつつ、二〇五〇年代の東京のビジョンを描くとともに、あらゆる政策分野におけますDXを進めるなど、政策をさらに強化してまいります。
○ 東京はもっとよくなる、この強い思いの下、都民の命と暮らしを守り、経済の持続的な発展を図る首都防衛の考え方を持ち、東京大改革三・〇を推し進めて、世界で一番の都市東京を実現してまいります。
災害対策(首都防衛)
首都強靭化(避難所改革)
今年1月の能登半島地震の発生直後に、私たちは「能登半島地震PT」を設置し、被災地支援と首都直下地震への対策をまとめた緊急要望書を知事に提出しました。
ここで私たちは、これまで同様「東京都の防災対策について、スフィア基準に基づいた避難所環境の整備を進めること」を求めました。災害関連死をなくすためにも、「体育館で雑魚寝」を前提とした避難所運営を改めるべきであり、ペット同行避難を可能にする取組なども必要です。
避難所の設置運営は区市町村が主体ですが、都には、課題の解決のための財政支援と具体的な指針の提示が求められます。
Q 大規模災害時の避難所改革は、人権や衛生に配慮する形で具体的に進めるべきと考えますが、知事の見解を求めます。
A (知事)
○ 能登半島地震におきましては、被災者が避難所に集中したことや、ライフラインに深刻な被害が生じ生活環境が悪化したことなどから、避難所運営の重要性を改めて認識をいたしました。
○ 首都直下地震では、約二百万人が避難所に避難すると想定をされております。都は、女性や要配慮者に配慮した避難所の運営や、液体ミルクをはじめ備蓄物資の拡充などを進めてまいりましたが、被災者がより安心して避難生活を送れますよう、さらなる改善に取り組まなければなりません。
○ このため、避難所での生活環境向上に向けまして、雑魚寝の解消、温かい食事の提供、衛生的なトイレ環境の十分な確保、ペットとの同行避難などの内容を盛り込みました避難所の新たな運営指針を年度内に取りまとめてまいります。
○ 避難所が、人とての尊厳を保ち生活できますよう、区市町村とも連携をしまして、避難所の改革を推進してまいります。
災害廃棄物処理体制の確立
能登半島地震の被災地で発生した豪雨災害がもたらした被害は甚大で、現地の様子を伝える報道には胸がつぶれる想いです。今回の補正予算において、都は、災害廃棄物の受入量拡大に向けた鉄道コンテナを新造するとしています。再度の被災に苦しむ能登の早期復興に大きく貢献できるとともに、首都直下地震に備えた広域的な処理に資する取組であり、評価します。
Q想定される大規模災害に備え、首都防衛に資する災害廃棄物処理体制を確立していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
A(知事)
○ 次に、首都防衛に資する災害廃棄物処理についてでございます。
○ 能登地域での震災や水害への対応を踏まえまして、生活となりわいを再建し、早期復興につなげていくためには、平時から災害廃棄物の処理体制を確保し、実行力の向上を図ることが重要でございます。
○ 都は、能登半島地震の発災直後から、都及び区市町村等の職員を延べ五百人以上派遣しまして、災害廃棄物処理の支援に取り組んでまいりました。
○ 加えまして、国に対し、迅速な復旧、復興に支障を来す場合に、公費解体等の手続が円滑に進みますよう、制度の見直しを要望いたしております。
○ さらに、災害廃棄物の広域的な輸送力を確保するとともに、島しょ部での災害時に船舶輸送にも対応できますコンテナを新たに製造いたします。
○ 能登半島地震における現地での支援や、明後日から開始いたします広域処理の経験を生かしまして、都内区市町村はもとより、国や近隣自治体等との連携を密に図りまして、首都防衛に向けた危機管理を一層強化してまいります。
マンション防災の更なる普及
大規模災害後の復興には、都民の協力も不可欠です。
私たちの働きかけにより、都による自助・共助の防災施策が、これまでの戸建て中心のものに加えて、900万人が暮らす集合住宅やマンションへと拡がりました。これは、都民の生活実態を踏まえた取り組みであり、さらに加速することを求めます。
災害時にも生活を継続しやすい「東京とどまるマンション」の登録が伸びていることを評価しますが、現状はソフト面のみでの登録が多くを占めています。震災発生後の生活を送る場として機能させるためには、ハード面での登録基準を満たすよう蓄電池などの非常用電源の設置を進める必要があります。
また、災害時には停電が長引く恐れがあり、太陽光発電設備を組み合わせることで、非常用電源の電力をより長く持たせることが可能です。
Q 「東京とどまるマンション」における非常用電源の設置とあわせて、太陽光発電設備の設置を進めていくなど、マンションの防災力の一層の向上に向けてハード面の取り組みを強化するべきと考えますが、都の見解を伺います。
A (住宅政策本部長)
○ 災害時の非常用電源として、蓄電池と併せて太陽光発電設備を設置することは、災害対応力向上に有効でございます。
○ 都は今般、東京とどまるマンションのハード面の性能向上のため、登録マンションを対象に、新たに蓄電池などの非常用電源の設置に補助を開始いたしました。今後、関係団体と連携しながら制度の活用を働きかけるとともに、関係局とも連携して太陽光発電設備の導入も促してまいります。
○ こうした取組によりまして、災害時の給水ポンプ等の稼働や、情報収集に必要なスマートフォンの充電などを継続的に行うことのできる電源を確保してまいります。
○ これらを通じて、マンションの一層の防災力向上を図ってまいります。
来年度から、太陽光発電設置義務化に関する新たな制度が始まることから、このタイミングで、新築マンションへの働きかけも強化するよう、要望しました。
激甚化・頻発化する豪雨への対策
豪雨への対策も急務です。
都は昨年度「東京都豪雨対策基本方針」を改定し、目標降雨量を1.1倍に引き上げ、施設整備を進めていますが、先日も時間100ミリという目標降雨量を上回るゲリラ豪雨が発生し、低地にあるマンホールから汚水混じりの雨水があふれ、新宿では、マンホールの蓋が飛ぶ危険な状況も発生しました。
Q このような状況を踏まえ、区部における下水道の浸水対策については、施設整備を迅速に進めるとともに、新宿で起きたような事案への対応が必要であると考えますが、見解を伺います。
A(下水道局長)
○ 区部における浸水対策についてでございますが、気候変動の影響を踏まえ、昨年度改定した東京都豪雨対策基本方針に基づき、対策を強化することが重要でございます。
○ 下水道局では、時間七十五ミリ降雨を目標整備水準とし、くぼ地や坂下など浸水の危険性が高い六十七地区を重点化して、施設整備を進めております。現在、二十八地区で事業が完了し、令和七年度末までに新たに三地区で事業を完了させてまいります。
○ また、新宿の現場では、マンホール蓋が飛散しないよう、圧力開放型の蓋に取り替えており、引き続き地域に応じた蓋の形状などの検討を行ってまいります。
○ 今後も施設整備などを着実に推進し、強靱で持続可能な首都東京の実現に貢献してまいります。
グリーンインフラ先行実施
豪雨対策のひとつとして、知事は、既存の地下調節池を地下水路でつなぎ、東京湾に放流する「地下河川」の建設を公表しました。海への大規模な放流は世界でも珍しく、意欲的な取り組みです。
一方で、下水道や貯水池に流れ込む雨水を減らす取り組みとして、私たちはかねてより、雨水の浸透性能を高めるとともに街中の緑として人の心も豊かにするグリーンインフラの導入を訴えてきました。これを受け都が今年度、都内の30ヶ所に先行実施をすることを評価します。
今後、導入が進むよう、先行実施にあたっては、公園だけでなく、施工の余地の大きな道路や、一般住宅の庭など狭い土地でも導入可能な事例を手掛けるなど、グリーンインフラの可能性を広げる事例を選定する必要があります。
加えて、民間での取り組みを促すために、グリーンインフラがどのような役割を果たしているかを伝えることや、雨水浸透効果の長期的評価も欠かせません。
Q このように、グリーンインフラの先行実施にあたっては、多様な事例を扱うとともに、浸水対策として果たす役割や性能についても、都民にわかりやすく伝えていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
A(東京都技監)
○ 雨水流出抑制に資するグリーンインフラは、河川や下水道への負荷を軽減し、豪雨対策に有効であることから、その役割を都民に理解してもらうことが重要でございます。
○ 今年度は、先行事例として、大島小松川公園をはじめ道路や河川などでレインガーデン等を三十か所整備し、役割や機能を示した、都民に分かりやすい説明パネルを設置いたします。
○ また、グリーンインフラが持つ貯留浸透機能などの性能は、整備の進捗に合わせ、段階的に評価し、示してまいります。
○ こうした取組により、都民のグリーンインフラに対する理解を促進し、公共施設や個人住宅などに幅広く導入できるよう取り組んでまいります。
都民ファーストの会東京都議団と都で連携して、都内の雨水浸透と美観に貢献する”グリーンインフラ”の導入を進めていきます!
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