半年に1度のペースで、都政課題をテーマに開催してきた都政報告会。専門家を招き、参加者の皆様と意見交換する形で回数を重ねています。
4月に開催した際のテーマは「スタートアップ」。専門家としてお招きした森春幸様からも、参加者の皆様からも、若者や学生向けの「アントレプレナーシップ教育」が大切であるとのお声をいただき、学生起業サークルの主催者や、学生起業家との会議、そしてTIBを視察し都職員を交えた意見交換をするなど、議論を重ねてきました。
いくつもの課題があるなかで、特に要望の高かった女性起業家へのセクハラ対策(NHKでもその後、取り上げられました)とMVP(Minimum Viable Product、最小限の機能を持つプロダクト)の試作支援の2点について、代表質問で取り上げ、前向きな答弁を得ることができました!
スタートアップエコシステムにおけるセクハラ等への対応
私たちの求めに応じ、都は本年5月に、スタートアップ支援拠点である「Tokyo Innovation Base(TIB)」を本格オープンし、学生や若者含め広く起業家の支援に取り組んでいます。東京からイノベーションを起こしていくためには、多様な価値観や経験を包摂するエコシステムのダイバーシティが極めて重要であり、女性起業家や投資家が足りていない国内の現状を踏まえると、女性が起業をしやすい環境に配慮する事が重要です。
一方で、7月に発表されたスタートアップ業界のセクハラに関するインターネット調査では、回答した女性153人のうち47.7%。女性起業家に限定すると52.4%が「過去1年以内にセクハラ被害を受けた」と回答しています。
多様なプレイヤーが集い交流する「結節点」であるTIBにおいても、セクハラ問題などの相談窓口を設けたり、意識啓発を行うなどが期待されます。加えて、例えばセクハラが認定された投資家等が運営に関わるVCには都は出資しない等、セクハラ抑止のための取組も考えられます。
Q都は、民間団体とも連携してTIBで、セクハラ対策を始めとした、ダイバーシティ実現に向けた取組を進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
A(知事)
○女性起業家の挑戦を挫き、未来を閉ざすセクハラは言語道断であり、社会の大きな損失である。誰もが安心して起業できる環境を整え、「多様性」を実現することこそが、東京の成長エンジンである
○私は、我が国の最大の未活用エネルギーは女性であると常々申し上げてきた。この力を活かすため、5月のスシテック東京では、セッションに登壇する女性の割合を4割に引き上げ、未来の都市の有り様について、多くの女性に活発に議論をしていただいた
○今後、起業家や支援者が集うTIBを核に、関係者と議論を重ね、ハラスメント解消の勉強会や悩みや困りごとへのサポートなど、女性の挑戦を応援する場づくりを進めていく。幅広い方々の賛同と協力を得て、女性起業家の成長を支える大きなエコシステムを創り上げていく
知事の前向きな答弁があったことから、対策は確実に進みます!引き続き丁寧に詳細を詰めていきます。
ソフトウェアのプロトタイピング(MVP)支援
TIBの中には、これも私たちの提案に応え、ハード面のプロトタイピングを行うための施設、FABが開設されましたが、一方、学生をはじめとする起業家からは、ソフト面でのサポートが足りない旨の声が届いています。
IT人材は民間、そして官公庁でも不足している状況であり、学生スタートアップのプロトタイピングに関わる人のスキルが不足することは容易に想像できます。
Q 昨今のスタートアップにデジタルは不可欠であり、ソフトウェアのプロトタイピング(MVP)を支援する取組を進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
A(スタートアップ・国際金融都市戦略室室長)
○社会を変える革新的なサービスを事業化するには、最小限の機能を搭載した製品やソフトウェアを開発するプロトタイピングを伴う場合が多い
○こうした課題に応え、学生や若者等の起業にオーダーメードで必要な支援を行う育成プログラム「TIBスタジオ」を提供する
○このプログラムの中で、ソフトウェア開発についても、経験豊富なエンジニアが技術的な助言を行うほか、プロトタイプの製作から市場投入に向けたデモ版の開発まで、きめ細かくサポートする
○起業家のニーズに応じた効果的な支援を行うため、様々な支援事業者の協力を得ながら、スタートアップの成長を後押ししていく
TIBスタジオへの登録後、支援の要否や是非を検討する審査がありますが、ソフトウェア開発支援を受けることができます。ご活用ください!
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