先の答弁でコミュニティ形成について言及がありました。最後に、コミュニティ活性化について質問しました。
地域コミュニティは、防災のみならず、防犯、子育て支援、高齢者の見守り、フレイル予防、など様々な分野で重要な役割を担っています。このため都においては、それぞれの事業を管轄する局が、独自に地域コミュニティの活性化を図ってきました。
私たちも、計画時には、都と事業者、行政機関で組まれていた「Tokyo強靭化プロジェクト」の推進体制に「コミュニティ」の追加を求めたり、先に述べた「マンション防災」に続く取り組みとして、町会・自治会との連携を目的とした「町会・マンション みんなで防災訓練」を提案するなど、地域コミュニティの形成を念頭においた提案を重ねてきました。
知事は、令和3年度の予算編成方針において、チルドレン、長寿、そしてコミュニティの重要性を「3C」として特出しし、これを受けて政策企画局は「3C補助」を開始しました。先の分科会で藤井都議の質疑を通じて、これまでの進捗を確認したところです。
今回の質疑の冒頭で、アウトカム視点の評価の重要性について述べました。地域コミュニティが関わる様々な施策をブラッシュアップするには、それらが本当にコミュニティの活性化に貢献したかの観点が重要です。
そのための指標の候補として、私はこれまで「ソーシャル・キャピタル」を紹介してきました。「ソーシャル・キャピタル」は、社会関係資本とも訳され、その調査には、以下のような質問項目が使われます。これらを通じて、安心で豊かな暮らしの基盤である地域コミュニティが形成されているかどうかを把握します。
ソーシャル・キャピタルに関する様々な研究では、政治への参画、治安、そして地域経済、健康、さらには子供の出生や教育と関係するといった報告がなされています。
国や基礎自治体も、ソーシャル・キャピタルの調査に取り組むなか、都においても、私の働きかけに応じ、令和5年から開始された子供政策連携室の「とうきょうこどもアンケート」や、令和6年に開始した、少子化対策のバージョンアップを目的とした地域分析、そして、総務局防災部の来年度予算案における「EBPMを活用した地域防災力向上支援」など、各局でソーシャル・キャピタルに関する評価が個別に始まっています。
平成14年と少し古くはなりますが内閣府が委託した調査では、「つきあい・交流指数」、「信頼指数」「社会参加指数」の数値は都市部で低くなっており、都も例外ではありません。
町会・自治会をはじめとする地域コミュニティや、これらが育んできた人と人のネットワークは、長い時間かけて築かれていくものであり、一度機能を失うとなかなか取り戻すことはできません。
Q そのようなことにならないよう、地域コミュニティの活性化にしっかりと取り組んでいく必要があると考えますが、知事の見解を伺います。(政策企画局)
A (知事答弁)
〇地域や社会とのつながりが希薄化する中、人と人とのつながりを結び直し、コミュニティを活性化していくことは、安全安心の確保や魅力ある地域づくりのために重要
〇 「未来の東京」戦略の下、地域の中核である町会・自治会のほか、民生委員や消防団等と連携して、子ども、高齢者の見守り活動、マンション防災の取組を通じた地域防災力の向上など様々な課題の解決に取り組んでいる
〇さらに、人が輝く東京の実現に向けた三つのCの一つとして、地域交流拠点の創出など、「コミュニティ」の活性化を図る区市町村の取組を強力に支援
〇今後も全庁を挙げて、地域の実情に即した取組を効果的に進め、コミュニティにおける人々のつながりと支え合いの機能を育んでいく
全庁を挙げて、人々のつながりと支えあいの機能を育んでいくという大変力強いご答弁をいただきました。
人と人のつながりは、まさにソーシャル・キャピタルそのものです。
町会・自治会の取り組みを応援する「地域の底力発展事業助成」をはじめとする都の事業は、申請しなれた町会・自治会が手を挙げる傾向があるとも聞きます。
「地域の実情に即した取組みを効果的に高める」ため、こうした地域とそれ以外の地域でソーシャル・キャピタルを比較することは意味があると考えます。国内を牽引する取組みを望みました。
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