東京都主催「働く女性のキャリア形成に向けた講演会」で、麓幸子さんの講演を聞けました!

福島りえこ,都民ファーストの会.都議会議員,世田谷区 ブログ

11/22の午後は、「東京ウィメンズプラザ」で「働く女性のキャリア形成に向けた講演会」を聴講しました。第一部の講演者は、「ソーシャルアクティビスト」(後述)の麓幸子さん。私がウーマンオブザイヤー2011大賞を受賞した時の日経ウーマンの編集長で、日経BP社の執行役員にまでなられた方です!

 ご講演内容には共感する部分と気づきの両方がありました。講演の後、二人でお話する時間も頂き、近況をお伝えするとともに、お子さんを連れて講演を聞きに来られていたお嬢様ともお会いすることができました。

 理系の大学院を出て、企業で22年間研究開発をし、裸眼3Dディスプレイについては製品化の経験もでき、様々な賞を頂くとともに社外での交流の機会を多数いただきました。

 多くの素晴らしい皆様との関係は、都議会議員としての仕事に活かされています。「思いやりは天下の回りもの」を実感する今日この頃です。

麓幸子さんのプロフィール

・「ソーシャルアクティビスト」として、ジェンダー平等と障害者も役割を持って貢献できる、持続可能な社会の実現に向けて活動。
・女性活躍については日経ウーマンでの仕事を通じて取り組んできたが、2014年障害者の家族となり、障害者の暮らしにも目を向けるようになった。また、帰省するたびに地元(大館市、忠犬ハチ公の出生地!)が寂れていく様子をみて、活性化に貢献したい意欲が高まった。
・人口密度は、吉祥寺の17,000に対して大館市は76。
・比内鶏で有名。「比内ヒルズ」と名付けて、福祉、農業、加工業を営んでいる。

これからの時代

「VUCA(ブーカ)の時代」(先行きが不透明で、将来の予測が困難な時代)
→ 自立のためのキャリア形成を。

女性管理職はなぜ必要か

・国の目標は、2030年に管理職30%。
→ 企業の成長、イノベーション、経営破綻リスク低減、組織の活性化につながる

・「男性が昇進できなくなる!」
→ (結婚した、子供が生まれた、家を買ったなどの理由で昇進させていた)本来昇進に値しない男性が昇進しなくなるだけ

・女性の半分以上は非正規労働、かつ、自己評価が控えめの傾向がある
(WOY2011の大賞受賞者として日仏共同主催の女性研究者の活躍に関するシンポジウムに出席したことがありましたが、キュリー夫人を生んだフランスでも、女性研究者が競争的資金に手をあげるのには肩を押す必要がある、と聞いて日本だけではないんだな、と思ったことが記憶に残っています)

ジェンダーキャップ指数は156ヵ国中、118位。前後の国をみるとよりその意味がわかる(なじみのない国ばかり!)

「Global Gender Gap Report 2024」より。

・女性活躍について、法政大学大学院経営学研究科修士課程で学んだところ、日経ウーマンでの仕事を通じて様々聞いてきた課題、日本の女性が置かれている状況について、名前がついていることを知った。

・専業主婦を前提とした雇用制度は「ケアレス・マン モデル」ともいえる。「ケアレス・マン」とは、家庭を顧みず長時間働き、育児や介護などの他者のケアに責任を持たない男性モデル。
・ロールモデル不在は「キャリア・ミスト」と評される。自分のキャリアの先が霞がかかって見えない状態を指す。
「Token」(トークン)としてのプレッシャー。組織での割合があまりにも低いと、象徴的な存在となり、個人の評価ではなく女性全体の評価にすり替えられる。→ 「黄金の3割理論」3割を超えると個人としてふるまえるようになる。
「オールド・ボーイズ・ネットワーク」の効果として、男性は「この程度の(こんな程度の)レベルで管理職になれる」がわかっている。
「インポスター症候群」仕事で成功しているにもかかわらず、自分を過小評価してしまう心理傾向。

 このように、自信が持てないのは、日本の社会構造のせいで、あなただけでない。モヤモヤに名前をつけて断捨離しよう!

管理職になることを避けない

・管理職になるのは、誰もが初めて。ポストが人を作る。そして、タイムマネジメントも(自分が決められるので)楽になる。受けよう!

リーダーとして

マインドセット(自覚)

・(自分が動くのではなく)人を動かすのが仕事になる。
・1つ上のポストで考えるようにする。
・さらに昇進して女性にポストを譲ろう!

自分らしいリーダー像

・管理/支配/交換の、旧タイプのリーダーから、共感/支援/変革の、これからのリーダーへ。
「交換」とは、服従する変わりに登用すること。
「変革」とは、仕事の意味について内面の価値観の変革を促すこと(例:化粧品の販売の目的を、商品を売るから、女性を美しくするに昇華させる)

失敗から学ぶ人が成功する

ミッションの共有

エンゲージメントを強化する

部下を知る(わからないなら聞く)

いい仕事ができるチームには「心理的安全性」(Googleが見つけた概念とのこと)がある。
・3つの「き」。期待し、機会を与え、鍛える。
・「あなたかはどう思う?どう考える?」と聞くことは、信頼のあかしでもある。

上層部、横を巻き込む

・一人ひとりで異なる「コア・ビリーフ」を把握して受け入れる。
・スポンサー(本人がいない場所で評価をする人)とメンター(女性は比較的多い)の違いを認識するとともに、増やすために、助言を乞う。
・やりたいミッションとパッションを伝える。
・定量、定性、現在、未来を伝える。

プライベートを整える

・女性は仕事をすることで子育てや家庭をないがしろにしているのではないかという葛藤に陥りがちだが、これをきちんと解消しておく必要がある。
・「マルオペ育児(アウトソース)」でよい。パパ働いててごめんね、なんて誰も思ってない。

自己研鑽は怠らない

・幸福度ランキングのベスト10は、30%が女性議員(フィンランド 46%)。女性政治参画が進んだ国は幸福度が高い。
・自らも、学び直しとエグゼクティブコーチングを受けた。サードプレイスは大事。

質疑応答

Q メンター、スポンサー、探すの難しい、女性活躍をどう進言すれば。
A 同業他社の評価や株価などエビデンスで示す

Q 50代キャリアアップじゃなくて、チェンジをしたいと思う
A 本当の興味関心が大事。

Q (自分が秘書で、秘書のコミュニティを運営しているので)秘書に求めることは?
A 本当にこのスケジュールいる?という提案

Q 大学4年生。来春から広告代理店勤務予定。どういう気持ちで向かえば。
A 不本意なキャリアは自分を育ててくれる。

 

 

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