空飛ぶクルマの推進、そしてワイズスペンディングの徹底と、都民ファーストの会として推進してきた取り組みについて、今定例会でも前進答弁がありました。
空飛ぶクルマなど次世代モビリティの社会実装
都は、2050年代の東京を見据え、新たな街づくりの長期戦略検討を進めています。ここでは、AIエンジニア安野貴博(あんのたかひろ)氏参画のもと、ブロードリスニングを用いて幅広い都民の意見の募集がされており、「#(ハッシュタグ)百合子に言っといて」が生まれるなど、全く新しい形での都民参画、「都民ファースト」の計画策定がなされようとしています。
新たな街づくりに重要な視点のひとつが、空飛ぶクルマに代表される次世代モビリティの社会実装です。空飛ぶクルマについては、これまで私たちからの質問を踏まえ、官民協議会での検討など、実装に向けた取組が推進されてきました。一方、海外に目を向けると、空飛ぶクルマの離着陸場の建設やデモフライトの実施など、空飛ぶクルマは世界で熾烈な開発・誘致競争の中にあります。東京でも離島間での飛行や、空港アクセス、さらには、空港から観光地への移動などの活用につなげることで、より都市の利便性が高まっていくのではないでしょうか。
Q こうした活用につなげていくため、民間事業者等と連携した具体的なプロジェクトを早期に実施していくべきと考えますが、見解を伺います。
A(政策企画局)
〇 空飛ぶクルマは、交通渋滞等の回避、迅速な物資輸送など、都民生活の質を高めるとともに、都市の魅力向上につながる技術であり、早期の実装が重要。
〇 都では、社会実装に向けたロードマップを定め、国や事業者との協議会で、2030年の市街地への展開を目指し、課題の洗い出しなど具体的な議論を重ねてきた。
〇 今後、協議会での議論を継続し、ロードマップの精緻化とともに、官民連携の下、 実機による周回飛行や都市内移動などの活用事例や、離着陸場及び管制等の運航環境の 検証、都民の利便性・安全性への理解促進を一体的に実施し社会実装に向け取組を加速。
新たな芸術祭
都市の成熟度をはかる一つのバロメーターが、「文化資源」です。私たちはかねてより、世界のアート市場規模が約9兆円であるにも関わらず日本のシェアはその1%程度であるなど今後のアートビジネスの成長可能性や、人を引き付ける観光資源としての魅力、障害者アートなど、アートを活かした東京の魅力向上を訴えてきました。
また、私たちの求めに応じ、都も世界陸上・デフリンピックの機会とあわせたアート振興を進めているところですが、それらにとどまらず、国際的なアートフェアを誘致し実施するなど、一層、戦略的なアート振興を進めていくべきです。海外では、大規模なアートフェスティバルを通じて、都市のもつ芸術性を強力に発信し街の魅力を高めています。
Q 東京でも数多くの文化イベントが開催されるなか、それぞれの魅力を掛け合わせることで生まれる先進的で発信力ある新たな文化芸術祭が必要と考えますが、見解を伺います。
A(生活文化スポーツ局)
〇 エディンバラやヴェネツィアなど海外の都市では、街を舞台にした芸術祭に、世界中から多くの人々が来訪。
〇 都はこれまで現代アートや演劇、伝統芸能など多様な文化イベントを実施。それらの コンテンツをより多くの都民が楽しめるよう磨き上げる。
〇 その上で、民間や区市町村の事業とも連携して、共同プロモーションを展開する等、エリアをつなぎ一体感のある新たなフェスティバルとして打ち出すことが重要。
〇 点在する都市として発信する国際的な文化芸術祭について、今後、東京芸術文化評議会の意見を伺いながら検討。
シン・事業評価
最後に、ワイズスペンディングの取り組みについて確認しました。
都の先進的な事業を支えるのが、健全な財政運営です。都は、税収が豊かだから先駆的な取組が可能だとの声も聞かれますが、小池知事は、就任以降、知事給与を半減し、自ら身を切り、東京大改革に着手しました。私たちの提案も受け、事業評価の仕組みを多面的に強化することで、年間1000億円以上、8年間で8100億円の財源を新たに生み出し、人への投資に充てられています。都は、現時点で、財政の健全性を維持しながら、様々な課題への対策を展開してきたといえますが、今後も、多くの資金需要を抱えていることを踏まえると、ワイズスペンディングのさらなる徹底が必要です。
例えば国では、都の全事業数と同じ約5000の全ての事業について、行政事業レビューを毎年実施しており、一事業につき8ページにわたる詳細なレビューシートを作成、公表しています。 また5年に1度は全ての事業に外部専門家による点検がなされます。
Q 都においても、財務局の事業評価に包括外部監査結果を活用するとともに、評価制度の中身から評価結果の公表まで、外部専門家を積極的に活用して、都民の理解と共感を得られるよう深化させるべきと考えますが、都の見解を伺います。
A (財務局)
○ 限られた財源の中、都政の諸課題に的確に対応していくためには、事業の無駄をなくし、実効性、効率性を高めていく取組が重要である。
○ そのため全ての事業への終期の設定、アウトカム重視の評価の導入、ダッシュボード を活用した評価結果の公表など、様々な創意工夫を積み重ねてきた。
○ 今後、事業評価における事後検証の強化に向け、包括外部監査結果の視点を他事業の見直しにも活用することを検討していく。
○ さらに、評価制度全体の更なる深化に向け、外部有識者との意見交換を行うなど、 評価制度の充実に取り組んでいく。
未利用都有地の活用
未利用都有地の活用も重要です。平成24年に閉校した都立芸術高等学校は、建物が残されたまま現在も未利用となっていることが、報道などでも取り上げられました。こうした未利用の都有財産は氷山の一角であり、公表された未利用の都有地は 184 件、合計約61ヘクタール、 東京ドーム 13個分以上となっています。民間に比べると都は土地の活用に関してさらなる取り組みの余地があります。
保育所などの行政利用に至らないものも、駐車場など暫定利用されていると聞いておりますが、民間では土地の活用について積極的に検討を行い、使い道がなければ早期売却を検討します。一定規模の土地については確保しつつも、定期借地権を設定するなどして活用すべきです。
Q 都有財産の積極的な活用を促すため、民間の知見を活かす取り組みが必要と考えますが、都の見解を伺います。
A (財務局)
〇 都はこれまでも、様々な施策の実現や区市町村と連携した事業に都有財産の利活用を図るほか、本格的な行政利用までの間も暫定利用を行うなどの取組を推進。
〇 一方、規模や形状、時間的制約などの条件から、これまで具体的な利活用に至らなかった財産について、新たに民間の知見を取り入れて検討することは有意義。
〇 そのため、最新の各局財産の利活用状況の把握とともに、様々な条件下での財産の効果的な活用方策について、不動産に関する有識者などの知見を得ながら検証を実施。 その成果を各局で活かせるよう、全庁的なガイドラインの策定に向け検討。
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