東京都立海の森公園の運営について
海の森公園は、いよいよ来年3月にグランドオープンを迎えます。
「海の森」という名前にふさわしく、スダジイ、タブノキ等の苗木約24万本が、平成19年度から平成27年度の間に植樹され、育ち、豊かな森を形成しています。このスダジイ、タブノキといった常緑広葉樹種は、関東平野の「潜在自然植生」です。すなわち、もともと自生していた樹種であり、自然の森の再生を目指して選定されていることがわかります。
インクルーシブ公園の設置と駐車場について
海の森公園には、海に囲まれた森や林、くさ原、そして海辺等広場からなる海の森公園の一角には、様々な子供たちが楽しめる遊具を設置した広場もあると聞いています。
我が会派の龍円都議が平成30年第1回定例会の一般質疑での提案を受けて、障がいがある子も、ない子も、子どもたちが誰でも分け隔てなく一緒に遊べるインクルーシブ公園「みんなのひろば」が、世田谷区砧公園にオープンしたのが令和2年3月。その後、都内のみならず、国内の公園や広場へと、その取り組みと意義が広がっています。
Q 海の森公園における、遊具広場の整備内容について伺う。
A
〇海の森公園のグランドオープンに向けては、子供たちが楽しめる遊具を設置した広場として「こども広場」・「わいわい広場」の2か所を整備
○遊具広場においては、障がいの有無にかかわらず全ての子供が遊具を楽しめる環境を実現するため、ユニバーサルデザイン遊具を設置するとともに、遊具へと続く動線についてもバリアフリー園路を整備
○このうち、「わいわい広場」については、ユニバーサルデザイン遊具の増設も含め、グランドオープン後も整備を継続することとしており、引き続き、インクルーシブな公園づくりを推進
「わいわい広場」については、広場の位置と駐車場に相当の距離があります。障がいのある子や、そのご家族にとっては、利用しにくいと感じる可能性があるので、真にインクルーシブな公園とするために、「わいわい広場」周辺にも駐車スペースを確保するよう、要望しました。
指定管理者事業における選定後の事業の評価について
指定管理者の公募から、決定に至るまでの選定プロセスや選定理由については、適正かつ妥当なものであると考えますが、今後、大事なことは、指定管理者による管理を通じて、都民のQOLが向上することです。
そのためには、提案が実行されるだけでなく、それが来園者にどう評価されているかを局として把握し、さらに評価が高まるように、指定管理者にフィードバックしていく必要があります。そこで、
Q 実際に管理が始まった後の指定管理者の業務の評価はどのように行われるのか伺う。
A
○指定管理者が行う公園の管理運営については、毎年度、学識経験者や財務の専門家から構成される指定管理者評価委員会において評価
○指定管理者には、毎年度来園者へのアンケートにより来園目的や総合的な満足度、公園の良い点・改善が望まれる点などを調査することを義務付けており、その結果は、施設の維持管理実績などの事業報告書や財務諸表とともに委員会に提出
○評価委員会は、指定管理者より提出された事業報告書やアンケート結果等に基づき指定管理の状況を4段階で評価し、都はその結果を公表。また、評価委員会において出された意見は、指定管理者にフィードバックするとともに、都が評価結果も踏まえて、指定管理者を指導監督することで、公園管理におけるサービスを一層向上させる仕組み
指定管理者の業務の評価は、指定管理者から提出される事業報告書のほか、来園者からのアンケート結果に基づいて実施されるとのことでした。そして、アンケートの中には、「総合的な満足度」というものがあるということです。
![福島りえこ,都議会](https://tomin1setagaya.tokyo/wp-content/uploads/2024/12/PC133805-700x525.jpg)
都はしばしば事業の効果検証を目的に、利用者の満足度を問うアンケートを行うが、一般論として私はこの手の評価には課題があると考えます。というのも、都の事業には税金が投入されることから、民間による類似の事業に比べて相対的に利用者の負担が軽くなる、もしくは負担が横並びの場合は質があがる。つまり、満足度は高く出る傾向があるといえるのではないでしょうか。
公園の魅力を図る指標としては、例えば私なら、来園者から「また訪れたい」とか、「友人・知人に勧めたい」と思われるかどうかが、適切な評価に結びつくと考えます。
こうした公園に対する率直な感想を来園者からのアンケートで把握し、指定管理者にフィードバックすることで、今後の管理運営の質を高めることができるのではないでしょうか。そこで、
Q アンケートについては、来園者に対し、どの程度満足していただけたかを、より具体的に確認する項目を充実させるべきであると考えるが、見解を伺う。
A
○公園の一層の利用促進や魅力の向上を図るためには、来園者の声を的確に把握し、管理運営に反映していくことが重要
○海の森公園は、都民との協働をコンセプトとして、苗木づくりや植樹などの森づくりを行ってきており、都民の声を聞きながら、都民とともに作り上げてきた公園
○このような成り立ちを持つ公園のグランドオープンを契機と捉え、公園が有する特徴を踏まえた指定管理者の取組が、来園者にどのように評価されているのかを具体的に把握し、公園管理に活かしていくため、例えば「広大な広場を活用したイベントを楽しむことができたか、また参加したいか」など、海上公園の管理運営に係るアンケート項目の充実について検討
グランドオープンする海の森公園を始め、海上公園の来園者に向けたアンケート項目について、専門家の意見を聞くなどして改めて検討していただき、それを踏まえた都の適切な指導監督を通じて、指定管理者による良好な管理運営を実現することで、より多くの都民に訪れていただき、満足いただける海上公園になることを要望しました。
コメント