板橋市場の花き棟外壁ほか改修工事について
私たち都民ファーストの会東京都議団は、豊洲市場の建設コストと運用コストが長期的に中央卸売市場会計の健全性を阻害するという状況を鑑み、継続して、経営の抜本的な改善を求めてきました。
本年2月に、包括外部監査人から、中央卸売市場の事業に関する事務の執行及び経営管理についての報告が出されましたが、中央卸売市場に関わる指摘は、例年の他局と比べて厳しいものでした。しかしながら、いずれも妥当な内容であったと考えます。
本改修工事に関連する部分としては、個別の建物における維持更新計画、及び、市場単位のマスタープランについては、令和6年度から令和8年度に策定する計画の策定に計画的に取り組むべきこと、加えて、市場全体の施設整備に係る長期的な方向性が示されていない中で、各市場の個別施設において工事が実施される状況では、必ずしも全体最適にならない可能性が指摘されています。
Q そこで、なぜ今、この工事を行う必要があるのか、伺う
A (環境改善担当部長)
〇板橋市場の花き棟は、築30年以上が経過しており、令和5年度に実施した劣化度調査によると、建物躯体コンクリートについては、新耐震基準後に建てられた建物であることから、現在のところ構造性能は確保できているが、経年劣化の進行を予防する修復が必要との結果であった。
〇また、建物外壁のコンクリート、塗装、屋上防水でひび割れ、破損などの劣化が見られ、建具に開閉不良が見られた。
〇こうした結果を踏まえ、市場の機能を維持するために、速やかに本改修工事を行うものである。
市場の機能維持のため、経年劣化に速やかに対策する必要である、との答弁でした。特に鉄筋コンクリートはひび割れから水が入ることで劣化が加速することから、建物外壁のコンクリートや屋上防水のひび割れについては、早めの対策が肝要であることは間違いありません。
Q この工事の内容について、伺う
A (環境改善担当部長答弁)
〇工事内容は、花き棟の全周の外壁改修、屋上階の駐車場防水改修、仲卸店舗等のシャッター等の建具改修、そのほか内外装と外構等の改修である。
〇工期は、令和9年2月末までの約2年にわたる工事であり、市場業務を継続しながらの施工となるため、市場業者とも連携して、工事を進めていく。
包括外部監査報告書においても、市場施設を稼働させながらの維持更新には、卸売業者、仲卸業者等の市場業者との調整に時間がかかるという課題があることが記載されていました。
![福島りえこ,都議会](https://tomin1setagaya.tokyo/wp-content/uploads/2024/12/PC133804-700x525.jpg)
改修工事の必要性と内容について確認したが、この改修工事は、包括外部監査でいう、「個別の建物における維持更新」に相当します。
監査は指摘や意見に速やかに対応してこそ最大限の効果を発揮します。よって、私からは改めて、本改修工事と並行して、次の2点を行うよう要望しました。
1)令和8年度までの個別の建物における維持更新の計画と、市場単位のマスタープランの策定
ちなみに監査においては、ここに向けての、本年度、来年度の詳細な策定スケジュールの策定も必要であるとしています。
2)中央卸売市場全体の機能を最適化するための、市場全体の施設整備に係る長期的かつ具体的なロードマップの作成
この中央卸売市場全体のロードマップについては、1)の計画やマスタープランを寄せ集めて作るものではありません。ボトムアップでは全体最適をなしえないからです。
よって、地方卸売市場も含めた市場ネットワークについて検討したうえで、各市場の役割や機能を精査し、そこから、各市場の設備の計画に落とし込む必要があります。
以上、改修工事を行うにあたっては、中央卸売市場全体の機能最適化というトップダウンと「並行して」進めていただくことを要望しました。
コメント