「令和7年第1回都議会定例会」経済・港湾委員会 産業労働局④~一次産業振興

福島りえこ,都民ファーストの会.都議会議員,世田谷区 ブログ

山しごと普及啓発促進事業

 森林は、土砂災害を効果的に抑止する働きや、水源涵養や二酸化炭素の吸収といった役割があり、こうした貴重な森林を将来にわたり維持・管理することが必要です。

 しかし、残念ながら林業の担い手は減少してます。その理由に、自然に触れる機会が少ないことも考えられ、小さい頃から自然に触れる楽しさや森林の役割への理解を深めることは、林業の担い手の確保、ひいては森林循環の機運醸成にもつながり重要だと考えます。

Q 都は、今年度、子供達が林業に親しめるイベントを実施しましたが、その内容と、来年度の「山しごと普及啓発促進事業」の取組について伺う。

A(農林水産部長)
〇 都は今年度、国産木材を活用した展示商談会WOODコレクション「JAPAN ReWOOD」を8月に開催し、その中で、親子の丸太切り体験や、作業に使う道具や装備の展示など、山の仕事についてPRするイベントを実施
〇 来年度は、このイベントを、若者や親子が参加しやすい内容として規模を拡大し多摩地域において実施
〇 具体的には、今年度行った林業従事者によるチェーンソーパフォーマンスやトークショーを充実するほか、新たに大型の先進林業機械の展示やVR機器による林業体験などを加え、子供たちも楽しみながら林業の魅力に触れるイベントとすることで、山で働くことへの関心を高める機会を提供

 こうした体感型のイベントは、林業への関心を持つきっかけになると思います。そして今後、更なる林業振興につなげるには、例えば、宿泊しながら長期的に林業体験を行えるなど、グリーンツーリズムを推進することが有効と考えており、改めて提案しました。

 また、事務事業質疑でも指摘したとおり、林業の担い手が減少する状況にあっては、管理する負担が少ない広葉樹への植え替えも有効と考えます。調査・研究を始めるなど施策の検討を行うべきであることを改めて伝えました。

農業体験農園の開設支援事業

 農業者のきめ細かい指導の下、野菜作りを学べる農業体験農園は、都民が農業に気軽に触れ合えて農家との交流が生まれるなど、貴重な場所です。

 私は、こうした体験農園や食事を楽しむ農家カフェなどグリーンツーリズムへの取組を23区の農家の方に提案したところ、ぜひチャレンジしたいとの声をいただきました。また、先日、卒業式で伺った都立園芸高校でも「市部で体験農園をやりたくても、なかなか難しい」との声を聞きました。

 こうした多様なニーズに応え、農業体験農園の開設や経営面での支援をきめ細かく行うことがあると考えます。都は来年度、「農業体験農園の開設支援事業」に新規に取り組むとしていますが、

Q 都は、農業体験農園が広く都内で展開されるよう、どのように取り組んでいくのか、来年度の取組について伺う。

A(農林水産部長)
○ 都は来年度、農業者による体験農園の開設促進に向け、新たな取組を開始
○ 具体的には、農業体験農園の特徴やメリットなどを紹介する動画をつくり、ホームページなどで発信するとともに、開設を目指す農業者のための相談窓口の設置のほか、栽培の計画や指導方法など運営ノウハウを学ぶための研修会を年間20回開催
〇 また、農産物のブランド化や加工品開発に取り組む農業者を支援するため、専門家派遣などを行っており、来年度は新たに、複数の分野の専門家によるチームでの支援を5回まで利用できる取組を開始
○この中で、体験農園や農家カフェの開設を目指す農業者に対し、観光やレシピ開発の専門家によるきめ細かなサポートを実施

 インバウンドが増える中、農業体験はアクティビティの一つとしても可能性があり、農家の収益向上策として期待できます。農業者がこうした支援を活用できるよう、広く周知を図っていただくよう要望しました。

未来に残す東京の農地プロジェクト

 東京の農地はグリーンインフラとしても重要ですが、相続等の理由から年々減少しています。

 一方で、意欲的な農業者の中には、収益力を高めるため、農地を増やして生産量の拡大を図りたい方や、区内で農地を広げたいと言う農業者もいますが、生産緑地を借りることは難しく、苦労していると聞いています。こうした生産力の向上を目指す農業者が農地を確保しやすくなるよう取組を進めることは、東京農業の活性化や農地の保全にもつながり重要です。

 都は、「未来に残す東京の農地プロジェクト」として、農地の確保に取り組んでいますが、そこで、

都は、経営規模を拡大したい農業者が、農地を取得しやすくなるよう、支援を強化すべきだが、来年度の取組について伺う。

A(農林水産部長)
〇 都は現在、生産緑地を長期にわたり貸し出す土地所有者に対し、10アール当たり市部20万円、区部30万円の奨励金を支給する事業を行っており、今年度の申請実績は2月末現在で3件、50アール
○ 来年度は、支給額を地域にかかわらず120万円に増額し、収益力の向上を目指す農業者が栽培面積を増やす取組等を一層後押し
○ また、農業者が古くなった貸家等を農地に転換する際に、建物の基礎の撤去や土の入れ替えなどにかかる経費の補助率を2分の1から3分の2に引き上げ

 長期貸し出しの支援額、農地転換の際の経費の補助率のいずれも大きく引き上げることで、意欲ある農業者に対する力強い後押しを確認しました。人口減少社会が進み、都会でも空き家が問題となる中、こうした農地を創出する取組の意義は大きいと考えます。制度の周知を図り、引き続き都市農地の保全の確保・保全の取組に全力をあげていただくよう強く要望しました。

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