「令和7年第1回都議会定例会」経済・港湾委員会 産業労働局⑤~伝統的産業振興、プロジェクションマッピング

福島りえこ,都民ファーストの会.都議会議員,世田谷区 ブログ

江戸東京きらりプロジェクト

 都は、江戸切子や江戸小紋、組みひもや江戸東京野菜など、都内の伝統的産業を東京ブランドとして確立するために、平成28年度から「江戸東京きらりプロジェクト」を開始、来年度にも予算を拡大して実施するとしています。

今年度の成果について伺う。


〇 「江戸東京きらりプロジェクト」では、江戸から続く老舗の技や商品を「東京の宝」として、その価値の向上や販売力の強化などに取り組む事業者を支援するとともに、国内外に発信する取組を進めている。
〇 具体的には、専門家の助言による、ブランディングや商品のブラッシュアップの支援を2か年にわたり行っている。
〇 また、幅広くその魅力を伝えるため、SNSや国内外の雑誌等を活用したPRを行うとともに、今月上旬にはユニークベニューを活用した展示販売イベントを3日間開催して多くの集客を実現し、来場者からは「伝統技術を生かし現代にあわせた商品を生み出していることがわかった」などの声があった。
〇 さらに、販路の拡大に向け、フランス国際見本市への出展や、ロンドンでの商談会などを通じて海外のバイヤー等との商談につなげるとともに、羽田空港内でのポップアップストアや百貨店と連携した販売イベントの開催などにより、国内外での新たな顧客の獲得を後押しした。
〇 昨年実施したアンケートでは、都が支援した事業者のうち、約7割が直近1年間で売り上げが向上したとの回答を得ており、引き続き、本プロジェクトにより、東京の伝統ある産業の魅力向上と持続的発展を支援していく。

 専用のサイト「江戸東京リシンク展」の動画は大変美しくできています。

 一方で、世界的なライフスタイルのトレンドとして、サステナブルや快適性、脱炭素社会への移行などがあり、つまり、いいものを選びとり、長く使うという潮流があります。例えば、日本には「用の美」という考え方がありますが、江戸切子も、美しいだけでなく、手なじみの良さ、持ちやすさが共存するたたずまいが美しさを増していると考えます。

 専門的なことは専門家に任せたいところですが、都内の伝統的産業を産業として維持をしたいのであれば、より多くの人に日常的に使うものとして選び取ってもらう必要があり、生活のレベルを上げる品物の目利きで定評がある、世界的に有名なセレクトショップなどに扱われるなどを目指すべきではないか、と、大事な取り組みであるからこそ問題提起させていただきました。

都内プロジェクションマッピング

都庁舎プロジェクションマッピング

 都庁舎に投影するプロジェクションマッピングが開始されて1年が経過しました。都民広場には連日、旅行者が、ここでしか見られない音と光のショーを楽しむ姿が見られ、新たな観光スポットとして認められつつあります。

 本事業は、東京のランドマークである都庁舎で実施することで、西新宿を中心に飲食店の利用者を増やしたり、訪れた記念に買い物をしていただくなど、雇用創出や経済効果を高めるための取組と理解していますが、目的や意義を丁寧に都民の皆様にも伝えていくことは大切です。

 また、観覧に訪れた方の前後の行動を調べることは、プロジェクションマッピングの経済効果を高める次の取り組みを検討するために必要であり、人流データを使った現状把握を求めてきました。

Q 都庁舎プロジェクションマッピング事業の成果をエビデンスベースで評価し、見える化を図っていくべきと考えるが、都の見解を伺う。

(観光部長)
○ 都庁舎のプロジェクションマッピングは、昨年2月の事業開始からの1年間で約52万人が観覧しており、映像制作や観覧者の観光消費等による経済波及効果は、昨年度の決算額約6億4千万円に対し約18億3千万円と試算した。
○ プロジェクションマッピングを鑑賞する旅行商品の販売や飲食イベントの開催など、観光事業者等による新たな取組が見られており、約1,000名の観覧者を対象に実施したアンケート調査によると、回答者の96%の方が観覧の前後に周辺で食事や買い物、観光などを楽しんでいるとの結果が得られた。
○ 今後は、こうした事業効果を示すデータについて、ウェブサイトやSNSによりわかりやすく発信するとともに、経済波及効果の試算に当たり、位置情報による人流データの活用など、新たな工夫も講じていく。

 経済波及効果の試算に人流データを活用に新たに踏み出すことを評価します。この事業の意図と成果が正しく伝わるよう、エビデンスベースの効果検証を一層推進することを要望しました。

プロジェクションマッピング促進支援事業

 都庁舎でのプロジェクションマッピングとは別に、都は、各地域のプロジェクションマッピングイベントへの支援として「プロジェクションマッピング促進支援事業」を行っており、来年度予算ではこれを拡大するとしています。

 インバウンドが過去最高を記録する中、その恩恵を得ようとする各地域が、本事業を活用して創意工夫できることは重要です。そこで、

Q プロジェクションマッピング促進支援事業の成果と今後の展開について伺う。

(観光部長)
○ 都は、平成30年度から、区市町村や観光協会、民間事業者等が実施するプロジェクションマッピングの取組に対し、必要な経費の最大2,000万円を上限に3分の2を助成しており、これまでに15件を採択している。
○ この支援を通じて、築地本願寺や東京タワーといった地域の象徴的な建築物や商業施設などにプロジェクションマッピングを投影するイベントが実施されており、多くの観覧者を集め、地域の賑わいを創出している。
○ 主催者からは「かけがえのない満足度の高い体験となった」「コンテンツとしての注目度を活かして今後も実施したい」などの声が寄せられている。
○ 来年度は、助成限度額を2,500万円に引き上げるとともに、助成規模も増やすことにより、地域の取組をさらに後押ししていく。


 来年度は支援を拡充するとのことなので、実績や利用者の声を分析して次の取組に生かしていくことは重要です。

 心に残る体験にするためには、「目新しさ」「楽しさ」を売りにするのではなく、その場所の歴史を紐解き、必然性のあるストーリーにしていくべき、という専門家の意見もあるが、私もその通りだと思います。

 地域ごとにトライアンドエラーがあると思うので、これらを分析し、質の向上につながるポイントを整理して、これから取り組む地域に伝えるなど、東京のナイトタイム振興に確実につなげていただくよう、要望しました。

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