「令和7年第1回都議会定例会」経済・港湾委員会 港湾局③~臨海副都心の賑わい創出

福島りえこ,都議会議員,世田谷区,都民ファースト ブログ

トウキョウ・フローラル・パサージュ

 都は「東京グリーンビズ」の下、100年先を見据えた緑と生きるまちづくりを進めています。私たちの提案でこの中に盛り込まれた「グリーンインフラ」は、その導入を推進することで、100年先の東京の災害耐性を高め、かつ美しい街づくりにつながるものです。

 本年1月に公表された「東京都の緑の取組バージョン3」の「緑を活かす」取組の「水辺に親しむ空間づくり」の一環として、「トウキョウ・フローラル・パサージュ」も挙げられています(下図)。

 「水辺に親しむ空間づくり」の概略説明にあるように、「トウキョウ・フローラル・パサージュ」についても環境に配慮した、持続可能な取り組みであるべきです。

 都は、シンボルプロムナード公園の延長・連続性を活かし、花の名所としての魅力と賑わいを創出していくとともに、民間開発の機会に合わせて、隣接する公園の緑と連続する緑化の創出を誘導し、立体的で連続性のある、ウォーカブルな空間を形成していくとしていますが、

トウキョウ・フローラル・パサージュ事業について、これまでの取組と今後の予定を伺う。


○ トウキョウ・フローラル・パサージュは、臨海副都心のまちの骨格を形成するシンボルプロムナード公園の特徴を活かし、周辺街区や多様な主体とも連携して、四季折々の花が楽しめる「花の回廊」を実現する事業
○ 具体的には、季節を代表する花を回廊のメインコンテンツとして、春のチューリップや夏のヒマワリなどを、まとまったボリュームで植栽することにより、花の名所として育成
○ また、地域特性に応じてゾーニングを行い、各ゾーンに設けたコアエリアに草花によるまちの特別な装飾を行うことにより、人々が訪れたくなる魅力的な空間を創出
○ これまで、ウェストプロムナードを中心に、チューリップ50万球を植えたほか、初夏のアジサイ、夏のヒマワリ、秋のコスモスの植栽範囲を拡大し、さらに、シンボルゾーンやアクティブゾーンなど具体的なゾーニングを実施
○ 今後は、ゾーニングに基づき、訪れる人の印象に残るような立体的な花の植栽や、フォトスポットとなる植栽を設置するとともに、花壇を活用した「インフィオラータ」などのイベントを実施することにより、賑わいを創出
○ また、花をテーマとした、それ自体が訪れる目的地となるような魅力的なカフェを官民連携施設として整備することとし、今後、事業者公募に向けて準備を推進

 質疑に先立ち、図面でも確認させていただきましたが、

・花を植栽する範囲を数倍に広げる
・四季に応じて花を植替える(植替えの頻度を高める)
・立体的な植栽や、花びらを敷き詰めて絵柄を描く「インフォマータ」を行う

ことを確認しています。

 改めて、グリーンビズの一環として取り組むのであれば、環境に配慮した持続的な取り組みであるべきです。

 臨海副都心は開発から30年が経過していますが、例えば、全国的に有名な山形県鶴岡市の藤棚や芝桜で有名な埼玉県秩父市の羊山公園は、同程度の年月の間、人が手を入れ、反響に応えて拡張するなどにより、全国的に有名な観光資源に育ってきています。人は、短期間で話しえない、関わる人の丁寧かつ持続的な取組みの結果としての、庭や植栽に心動かされるのだと思います。

 開発から30年が経過した臨海副都心の現状を踏まえ、今後の四半世紀は、時間を価値にする取組みにシフトしていかく必要があると考える。トウキョウ・フローラル・パサージュを行うにあたっては、

Q 長い年月をかけて東京を代表する名所に育てていくなど、長期的な視点も重要だと考えるが、見解を伺う。


○ トウキョウ・フローラル・パサージュの取組を永年に渡って継続し、より多くの方々に、毎年季節ごとに美しく移ろう花々を楽しんでいただくことは、臨海副都心のまちの賑わいにとって重要
○ そのため、メインコンテンツとなる花の植栽を適切に維持するとともに、ゾーニングに基づくコアエリアの花の装飾の充実を図り、さらに、官民連携施設のカフェ等において、ガーデニングなどこの場所ならではの体験を提供していくことにより、花の回廊としての魅力を一層高めていく
○ また、シンボルプロムナード公園に隣接する街区の進出事業者やボランティア等と継続して連携することにより、一過性ではない、地域に根差した賑わいの拠点になることを目指していく
○ 今後も、長期的な視点も踏まえて事業を進めることにより、多くの人々が集い、季節ごとの花やイベントを楽しみ、憩うことのできる、東京を代表する花の回廊を創出

 シンボルプロムナード公園に隣接する街区の進出事業者やボランティア等、地域に住まい、事業を展開する皆さまが主体的に参画することは、関係性が醸成され、文化として育てていくための一歩として評価したいと思います。

 「フローラルパサージュ」事業について、長期的に作りあげていく視点を盛り込むよう要望しました。

臨海副都心における回遊性向上・魅力発信プロジェクト

 都は、臨海副都心における各施設の集客力をエリア全体へ波及させるため、エリアを跨ぐ回遊策としてイルミネーションイベントを実施するとしています。

 このような、地域全体の回遊性を向上させる取組についても、一過性のものではなく、伝統的で特徴あるお祭りが日本各地で住民が担い手となって続けられているように、地域に根差したものとしていく必要があります。臨海副都心の住民や事業者に加え、観光客を呼び込むには、このエリアならではの取組に仕立て上げることも必要です。そこで、

Q 回遊性向上・魅力発信プロジェクトについて、今後どのように取り組んでいくのか、都の考えを伺う。


○ 臨海副都心において更なる賑わいを創出するためには、個々の施設や取組による集客力をまち全体へと波及させることが重要である。
○ そのため、来訪者の回遊性を高めるとともに、臨海副都心の魅力を国内外に効果的に発信することが必要
○ 令和7年度以降、青海地区と有明南地区とを結ぶ「夢の大橋」周辺において、民間施設の新規開業が複数予定されており、来訪者が増加の見込み
○ この機をとらえ、令和7年12月を目途に、エリア内の各施設を結ぶシンボルプロムナード公園内で、このまちならではのイルミネーションイベントを実施
○ 具体的には、全体の核となるコンテンツを都が実施し、民間事業者によるイベントも誘致して、コラボレーションする。また、まちの事業者によるイルミネーション等とも連携することで、まちに連続性と回遊性を実現
○ さらに、こうした個々のイベントを一体的なパッケージとして発信するなど広報も強化し、冬の臨海副都心の恒例イベントとして定着させ、賑わいを創出

「フローラル・パサージュ」同様、臨海副都心における今後四半世紀の取り組みについても、その地域ならではの文化や歴史を作りあげていくという思想を持って、事業に取り組んでいただくよう要望しました。

ODAIBAファウンテン

 お台場海浜公園に整備を予定しているODAIBAファウンテンが、臨海副都心の新たなランドマークとして、都民や観光客に愛されるものにしていくためには、優れた演出と魅力的なコンテンツを継続的に展開していくことが必要です。

 都は、様々な音楽や光を組み合わせて演出を行うとのことですが、噴水設備というハードを手段として、臨海副都心の魅力を引き出すためには、観光資源を望む民間事業者や、地域の魅力を高めたい地域住民に加え、演出を担うクリエイター等とともに創り上げていく必要があります。

 昨年10月の経済港湾委員会の事務事業質疑では、演出内容は幅広い年齢層の、また国内外の多くの方々を引きつけられるよう、検討を行っていくとの答弁がありましたが、

Q 噴水の演出内容について、現在までの検討状況を伺う。


○ この度整備する噴水は、光と音楽に加え、次々に変化する水の動きも組み合わせた様々な演出が可能であり、今後、その特徴を活かして魅力的に演出
○ このため都は、本年1月に、進出事業者のほか、地元区や地域の小中学校など、地元の皆様とのワークショップを開催し、当日は、25団体、約40名の方々が参加。ワークショップでは、例えば、周辺施設と連携した演出などの様々なアイディアが出され、活発に意見交換
○ また、こうした取組を更に充実させるため、今後は、進出事業者や水域利用者、地元区等の関係者が参加する連携組織を設置し、検討予定
○ さらに、民間企業や人気アニメなどとのコラボレーションによる演出の企画も実施
○ こうした取組により、国内外の多くの方々をひきつける魅力ある演出を持続的に実施

 地域資源にしていくためには、誰かが作ったものを渡されるのではなく、自らも関わり創り上げることが大切です。今後、立ち上げる連携組織で、噴水の魅力を高めるための議論をつくしていただくよう、要望しました。

 最後に、ODAIBAファウンテンは、現在、非常に注目度の高い事業となっていることから、 

Q ODAIBAファウンテンの整備や検討状況等について、地域住民の皆様をはじめ、より多くの方に伝わるよう取り組むべきと考えるが、都の取組状況を伺う。


○ 都は、令和6年9月の整備方針発表以降、地域の住民をはじめ、屋形船等の水域利用者や進出事業者などに対して直接、丁寧に説明
○ また、都として正確な情報を発信するとともに、都民の疑問点を解消するため、昨年11月、港湾局のホームページ内に「ODAIBAファウンテンプロジェクトポータルサイト」を開設
○ このポータルサイトでは、整備に至った背景や意義、整備概要等を詳しく掲載するとともに、Q&Aのコーナーを設け、これまで住民説明会でいただいたご質問等を基に、順次、内容を充実
○ さらに、今後は、国内外から注目を集める観光スポットとして広くアピールするため、観光情報誌や旅行サイト等のメディアやSNSも活用しながら、積極的に広報活動を展開

 正しい情報を都が積極的に発信したり、連携組織において丁寧に説明することは大切だが、先に述べたように共に創り上げることで、自分でその意義や正しい情報を話せる人を増やすことにつながると考えられます。関係者の皆様とブラッシュアップを重ね、地域、そして都民の財産にしていくことを要望しました。

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