「令和8年第2回都議会定例会」代表質問②~インクルーシブな東京

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人生100年時代を見据え、誰もが安心して歳を重ねられる東京をつくらなければなりません。第16回都政報告会のテーマは「いつかの自分にもつながる一人暮らしの安心づくり」★の質問は、区民の皆様からいただいたご意見に基づき、自ら先導してつくりました。!

高齢者

第10期東京都高齢者保健福祉計画(令和9~11年度)

 都内では、高齢世帯のうち単独世帯が最も多い約半数を占めており、今後さらに増加が見込まれます。頼れる身寄りがない高齢者は、健康や日々の暮らしの不安に加え、急な入院・施設入所時の手続、退院後の生活再建、判断能力低下時の意思決定支援、さらには亡き後の家財整理や葬送、各種事務手続など、複合的な不安を抱えており、今後、重点的な支援が必要です。

 これまでも私たちは、在宅生活を支える見守り体制や身元保証支援など高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる環境整備を求めてきました。

こうした単身高齢者が、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、実効性の高い支援策を検討すべきと考えますが、見解を伺います。(福祉局)

A(福祉局長)
○今後、大幅な増加が見込まれる単身高齢者が、住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、医療・介護・住まい・生活支援などが地域の中で一体的に提供されることが必要である。
○都は、高齢者保健福祉計画に基づき、地域包括ケアシステムの深化推進に取り組んでおり、区市町村が行う見守り事業や高齢者の居場所づくり、単身高齢者などを対象とした総合的な相談窓口の設置などを支援してきた。
○今後、次期計画の策定に向け、関係団体や区市町村等の意見、高齢者の生活実態調査等も踏まえ、単身高齢者を支える取組の推進について検討していく。

介護支援専門員(ケアマネジャー)への支援

 高齢者を支える介護人材の確保も喫緊の課題です。中でもケアマネジャーは、利用者と必要なサービスをつなぎ、地域包括ケアを支える要ですが、現場では担い手不足に加え、法定業務、書類管理、関係機関との調整、本来業務以外のシャドウワークなど、業務負担の増大が課題となっています。

 私たちは、居住支援特別手当の対象にケアマネジャーを加えるなど現場に即した提案を進め、国の処遇改善の拡充にも繋がりました。今後、介護需要が増大する中、担い手確保と定着に向けた取組を一層深化・加速させる必要があります。そこで、

将来的な担い手の不足が懸念される中、ケアマネジャーの負担軽減と処遇改善に向けた取組を一層進めるべきと考えますが、見解を伺います。(福祉局)

A(福祉局長)
○都は、法定研修の受講料補助や居住支援特別手当の支給、事務職員の雇用など、介護支援専門員の処遇改善や負担軽減に取り組む居宅介護支援事業所を支援してきた。
今年度は新たに、加算の取得による収入の増加等に取り組む事業所に対し専門家派遣の経費を上限40万円、補助率10/10で支援する。
○また、法定業務以外のいわゆるシャドウワークについて、地域の社会資源を活用して分担する仕組みづくりや相談窓口を設置する区市町村を支援する。
〇今後、次期高齢者保健福祉計画の策定に向け、関係団体の意見等も踏まえ、介護支援専門員への支援の推進について検討していく。

高齢者が安心して住み続けられる住まいの確保(居住サポート住宅の拡大)★

 高齢になるとともに、賃貸住宅が借りにくい、という切実な声も多く届いています。都は、居住支援法人や居住支援協議会を通じ、住宅確保要配慮者への支援に取り組むとともに、昨年度は高齢者が地域で安心して暮らせる住まいの実現に向け、「高齢者いきいき住宅」のモデル事業にも取り組んできました。 

 一方で、私たちはこれまで、水道のスマートメーターの活用など、センサー等を用いた見守りを後押ししてきました。これに、都が保証人機能を補完する仕組みが加われば、高齢者の民間賃貸住宅への入居が大きく広がると考えます。  

 昨秋、国が「居住サポート住宅」を公表しました。私たちの提案に沿う制度ですが、報道によれば現時点の都内登録は7戸と、今後の拡大が課題です。 

高齢者が安心して住み続けられる住まいの確保に向けて、昨年度までの「高齢者いきいき住宅先導事業」の成果を生かした取組を推進しつつ、居住サポートが受けられる住宅の拡大にも並行して取り組むべきと考えますが、見解を伺います。(住宅政策本部)

(住宅政策本部長)
〇単身高齢者の増加が見込まれる中、高齢者が孤立せず安全・安心に暮らせる住環境は重要。
〇このため都は、先導事業を踏まえ、高齢者いきいき住宅認定制度をこの夏開始し、見守り等に配慮された賃貸住宅の供給を促進。
〇その際、居住サポート住宅制度との連携等により、福祉サービスへのつなぎなど入居者のニーズに応じたサポートの提供も誘導。
今後、高齢者が様々な住宅で必要なサポートを受けられる環境の更なる充実に向け、住宅政策審議会の議論等も踏まえ必要な対策を検討。

東京アプリ

代理申請

 高齢者をはじめ、誰一人取り残さないインクルーシブな東京の実現のためには、DXにおける配慮は大変重要です。東京アプリを通じた生活応援事業の創設によって、物価高騰で苦しむ多くの都民に直接支援が届くようになりました。一方で、高齢者の皆様からは「どのように登録したらよいか分からない」といった声や、障害のある皆様など自ら登録することが難しい方への対応を求める声も届いており、申請や利用にあたって丁寧できめ細かな支援をさらに充実させるべきです。

 第一回定例会の代表質問においても、生活応援事業を確実に成功させるため、丁寧なサポート体制の整備を求めてきました。

生活応援事業への参加を希望する方々への更なる支援の充実を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。(デジタルサービス局) 

A(デジタルサービス局長)
〇本事業への円滑な参加に向け、都は、これまで広報東京都での周知、申請方法等を説明したチラシ等の配布やコールセンターでのきめ細かな支援等を行ってきた。今後は取組をより充実。
○具体的には、スマホの操作等が苦手な方々に対し、スマホサポーターの協力も得ながら都庁舎等を活用し対面型でサポート。また、区市町村と連携し出張型で支援。
○認知症や身体、精神、知的障害等を抱え、自ら操作が困難な方に対する代理申請の早期実施を目指し、申請方法等の具体化を現在進めており、多くの方々にアプリからサービスを届けられるよう取り組む。

機能強化

 東京アプリ生活応援事業を通じて、わずか4か月で500万を超える都民と行政が東京アプリを通じて新たにつながったことは、大きな意義があります。将来的には、役所に行かなくても様々な申請ができる、都民一人ひとりが自ら探さなくても必要な支援策や情報が届くなど、都民ニーズに寄り添った行政サービスを迅速かつワンストップで提供できる仕組みへと発展させるべきです。また、東京アプリの決済時にPayPayやWAONも利用できるようにしてほしいとの声も多く寄せられています。

都民が早期に利便性を実感できるよう東京アプリの機能強化を進めていくべきと考えますが、宮坂副知事の決意を伺います。(宮坂副知事・デジタルサービス局)

A(宮坂副知事)
○アプリは、都民と行政とをつなぐ基盤であり、これを一人ひとりの暮らしに役立つ存在となるよう利便性を絶えず高めていくことが欠かせない。
○そのため都は、今後アプリで利用可能となるサービスの展開策を先般公表。まずは、子育てや介護等ライフステージに応じた情報をプッシュ型で配信するとともに、行政サービスのログイン時に改めて入力を求めることなく手続しやすい環境を整備。
〇また、現在準備を進めている、東京ポイントの交換先となる決済事業者の早期追加にも取り組む。
○あわせて、アプリでスムーズに都立等の公共施設に入場できるデジタル都民証機能や、個々の状況に応じた支援情報等を、生成AIが検索・整理して案内する機能の開発にも着手
○こうした取組を一つひとつ着実に積み重ねることでアプリを育て、都民の皆様に、暮らしの中で必要な情報や手続、支援が確実に届く体験を広げる。

バリアフリー・インクルーシブ

 多様な違いを「制約」ではなく「価値」と捉え、もっと自由で創造的な東京へと進化させるインクルーシブ施策について、伺います。

都立動物園等における車椅子ユーザー等の移動支援

 都立動物園や水族園は、子どもから高齢者まで多くの都民が訪れる大切な公共施設です。一方で、車椅子ユーザー、障がいのある方、医療的ケア児やその家族、高齢者などにとっては、「入園できること」と「園内を安心して楽しめること」は同じではありません。葛西臨海公園では、駅から水族園や海辺エリアへの回遊が負担となる方もいます。また、丘陵地で坂道も多い多摩動物公園では、シャトルバスが整備されていますが、移動負担は依然として大きく、車いす対応型モビリティの導入等も有効と考えます。各園ではバリアフリーに対応した施設整備等を行っていますが、今後は施設整備に加え、園内を移動する「線の支援」が必要です。そこで、

車椅子ユーザー等の快適な移動手段確保など、都立動物園・水族園における移動支援をどう進めるのか、見解を伺います。(建設局)

A(建設局長)
〇上野動物園をはじめとする動物園、水族園で、高齢者、障害者、子供など誰もが安心して移動できる手段を提供することは重要。
〇例えば、高低差のある多摩動物公園では、園内の移動手段としてシャトルバスを運行し車椅子利用者を含め多くの来園者が利用。
〇3月からは高齢者や歩行困難な方を対象に電動カートを貸し出すなど、多様な移動手段を提供。
〇今後、車椅子利用者等への円滑な移動を一層支援するため、新たな技術も活用した機器の導入などにより、誰もが移動しやすく利便性の高い都立動物園、水族園を実現。

障害児を育てる家庭への支援

 障害児を育てる家庭においては、本人への支援だけではなく、兄弟姉妹、いわゆる「きょうだい児」への影響も大きく、その支援の重要性が指摘されています。一方で、東京都の計画や施策を見ても、「きょうだい児」という視点が明確に位置付けられておらず、支援が十分に見えにくい状況にあります。例えば、日常的なケアにより保護者の負担が大きい中で、きょうだい児が十分な配慮や支援を受けられていないとの声や、支援団体からは相談の増加が指摘されています。こうした現状は、きょうだい児個人の問題にとどまらず、家族全体を支える環境整備の課題でもあります。

こうした課題をふまえ、きょうだい児を含めた家族全体を支える観点から、支援を一層充実していくべきと考えますが、見解を伺います。(福祉局)

A(福祉局長)
○障害児ときょうだい児を含むその家族が身近な地域で安心して生活していくためには、障害児本人の支援に加え、家族に対する支援も重要である。
○障害児を育てる家庭では、障害児の特性への配慮や、他のきょうだい児の育児との両立など、特有の悩みを抱えており、都は、家族の一時的な休養等を目的とした短期入所施設の整備促進や開設準備への支援等を行っている。
今後、次期障害者・障害児施策推進計画の策定に当たり、当事者や家族から意見を聴きながら、きょうだい児を含む家族全体を支える観点も踏まえて、効果的な施策を検討していく。

障害児の芸術文化活動

 今申し上げた「全国障害者芸術・文化祭」が24年ぶりに、令和9年秋には、全国障害者芸術・文化祭が東京で開催される予定であり、多くの都民が芸術文化の魅力に触れる機会になることが期待されます。

 都は、これまでも障害者の芸術文化活動について取り組みを進めてきましたが、今年度、東京都障害者・障害児施策推進計画の改訂を行うタイミングで行われる全国障害者芸術・文化祭を契機に、取り組みを充実させるべきです。

新たな計画の策定に当たっては、芸術文化活動の推進を重要な柱として位置付け、取り組みを一層充実していく必要があると考えますが、見解を伺います。(福祉局)

A(生活文化局長)
○障害のある方が芸術文化活動を通じて個性や能力を発揮する場や機会を確保することは重要であり都は障害者総合美術展の開催や活動を支える人材の育成等に取り組んでいる。
○また、東京で開催される全国障害者芸術・文化祭について、活動に親しむ経験の少ない方も参加できるよう、福祉施設等へ積極的に働き掛けるほか、当事者が多く集まるイベント等で周知するなど、機運を高めていく。
今後、次期障害者・障害児施策推進計画の策定に向け、多くの当事者が継続的に芸術文化活動に関わり、障害の有無にかかわらず誰もが活動に触れられる取組の推進について検討していく。

令和9年度国民文化際及び全国所外者芸術・文化祭

 今申し上げた「全国障害者芸術・文化祭」が24年ぶりに、全国規模の芸術の祭典「国民文化祭」が41年ぶりに令和9年に東京で同時に開催されます。都ではデジタルとアートの融合、新しい芸術祭の創設など先進的な取り組みを進めていますが、両文化祭で都独自の文化事業を広く発信するとともに、こうした機会に、障害のある方の作品の魅力をより身近に感じられる場を提供するなど、芸術文化活動を通じてインクルーシブな社会の実現を目指していくことも重要です。

両文化祭の東京開催を成功に導くためには、都の文化事業を効果的に取り入れるとともに、様々な団体の芸術文化活動とも連携していくべきと考えますが、見解を伺います。(生活文化局)

A(生活文化局長)
○毎年、都道府県の持ち回りで実施される文化の祭典で、全国障害者芸術・文化祭と一体的に開催。
〇来年度の東京開催では音楽、舞台芸術等や、障害のある方の美術作品の発表に加え様々な催しを行う。
〇東京での文化祭においては、障害の有無や世代を超えて誰もが参加し、芸術文化の魅力を実感できるよう、今年から新たに実施する国際文化芸術祭 ARTE TOKYO等東京ならではの文化事業を活かし、国や関係局、関係団体を巻き込みながら取り組んでいく。

オリンピックQシリーズの東京開催を通じた環境整備

  2028年に行われるロス五輪において、スケートボード等のアーバンスポーツ出場枠をかけて争う「Qシリーズ」が東京で開催することになりました。東京2020大会ではこれらの競技のスポーツマンシップが感動を呼び、新たな競技人口を増やすきっかけともなりました。Qシリーズ開催に向けて、小中学生といった世代が気軽にこれらのスポーツに挑戦しやすい環境の整備促進にも繋げていくべきです。

 また、これらの競技は、音楽やファッションといった独自のユースカルチャーとともに発展して来ており、ある意味”生き方のスタイル”といった側面もあり、Qシリーズの開催を通じてこれらを盛り上げ東京に根付かせていくことが期待されます。

都は「オリンピックQシリーズ」の成功に向けて取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。(知事・スポーツ推進本部)

A(知事)
〇世界のトップアスリートがロサンゼルスオリンピックの出場権をかけ、熱戦を繰り広げるアーバンスポーツの大会。
○アスリートがもたらす感動と興奮はスポーツの素晴らしさを届け、人々の新たな交流も生み出す。東京の魅力や文化を発信する好機であり、都の取組と軌を一にするもの。
○アーバンスポーツはアート・ファッション・音楽などのユースカルチャーと高い親和性を有する。都はそれらを融合し、若者を象徴する街、代々木・渋谷エリアを舞台に自由に多様な自己表現ができる場を創出し、次世代が輝ける祭典を目指す。
○大会成功に向け、招致主体であるJOCをサポートし、スポーツの力で未来の東京を築いていく。

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