質問に先立ち、去る6月8日に逝去された、名誉都民の小田島雄志さんへの哀悼の辞をお伝えしました。
続いて、小池都政がスタートしてまもなく10年を迎えること、10年間におよぶ「人と未来への投資」の取組によって、出生数は10年ぶりに、婚姻数は2年連続の前年増となり、また世界の都市総合ランキングも2位にランクアップするなど、着実に成果を挙げていること、私たち都民ファーストの会が、これからも都民とともに政策実現を進めていくことを誓いました。

補正関連
補正予算の編成に対する考え方
資源・エネルギー価格の高騰や円安の影響が深刻化し、都民生活や都内事業者への対応は喫緊の課題です。戦闘終結に向けて合意、との報道も見られますが、生活への影響は予断を許しません。特に、燃料・原材料価格の上昇は、福祉・医療・介護施設などの経営を圧迫し、都民生活に大きな影響を及ぼしており、支援の継続が不可欠です。また、中小企業への経営支援も必要です。さらに、今回の事態はエネルギーの海外依存という構造的課題を浮き彫りにし、中長期的には再エネや資源循環の取組も重要です。
こうした観点から、私たちは現下の状況に対応する補正予算の編成を要望しました。 そこで、
今般の補正予算をどのような考え方で編成したのか、知事の見解を伺います。(知事・財務局)
A(知事)
〇中東情勢の影響が長期化しつつある状況を踏まえ、資源の乏しい我が国の構造的課題の解決に前倒しで着手するとともに、足元の都民・事業者の不安を払拭する必要がある。
○こうした考えの下、価格転嫁が困難な中小事業者等が安心して事業を続けられるよう都独自の物価高対策を九か月間継続、拡充する。また、予備費と補正予算を組み合わせて、資金繰りを迅速かつ切れ目なく支援するなど中小企業等の経営安定化を後押しするとともに、都民の健康を守る麻しん対策も充実する。
○さらに、現下の状況をチャンスと捉え、 脱炭素化に向けた取組を強化する。
加えて、身の回りに埋もれている家庭の使用済み油や携帯電話等、まさに「東京油田」、「東京鉱山」を都民の皆様と一緒に掘り起こし、資源の有効活用を推進する。
○これらの取組を通じて、都民生活を守り、事業活動を下支えするとともに、石油のみに頼らない社会の実現に向けて、エネルギー構造の転換等を加速化していく。
中東情勢長期化に伴う対応
特に深刻なのは、資源・エネルギー価格の高騰です。原油やナフサなどの原料を輸入に頼る我が国にとって、事態の長期化は国民生活や経済活動に大きな影響を及ぼしかねません。建設事業者等の現場で、資材価格の上昇により事業継続に支障が生じていることをはじめ、様々な業界から不安の声が上がっています。
一方、気候変動に伴い自然災害が頻発する中、今こそ省エネの徹底や再エネの利用拡大など、エネルギー構造転換に向けた取組を加速させる時です。
都は、長引く物価高騰の影響を受ける中小企業への経営を下支えするとともに、脱炭素化に向けて省エネ・再エネを一層進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。(知事・産業労働局)
A(知事)
○中東情勢の長期化に伴う原材料不足等により中小企業の事業活動に大きな影響が生じている。経営をしっかり支えるとともに、このピンチをチャンスに変え、社会のエネルギー構造の転換を進める。
○中小企業の事業継続をサポートするため、制度融資のメニューの創設や拡充により、事業者に資金繰りを迅速に支援。供給不安や価格転嫁などの課題解決に向け、専門家のアウトリーチによる支援のほか、原材料の縮減に資する設備導入等を後押し。
〇また石油のみに依存しない社会の実現に向け代替素材の開発に取り組む事業者を支援。加えて、再エネやZEV導入への支援策をさらに拡充し、周知の徹底を通じて電力を「へらす ・ つくるためる」事業者の取組を一層促進。
〇重層的な施策の展開により、東京の経済を担う中小企業の持続的な成長につなげるとともに、ゼロエミッション東京の実現を加速。
水素エネルギーの社会実装
エネルギーの構造転換に向け期待されているのが水素エネルギーです。水素は、水など身近な原料から製造できるなど持続可能なエネルギーであり、世界では大規模な製造施設やパイプライン整備など、活用に向けた取組が進んでいます。国内でも、福島から福岡へ至る幹線輸送を起点に、大規模な水素需要を創出する「水素大動脈構想」の実現に向け、官民連携の取組が始まっています。都も、水素を燃料とするバスやトラックの導入など意欲的な目標を掲げています。
今こそ、最大のエネルギー需要地である東京が国や産業界と連携し、水素社会の実現に向けた取組を加速すべきと考えますが、知事の見解を伺います。(知事・産業労働局)
A(知事)
〇水素社会の実現についてであるが、昨今のエネルギー危機は、国家の足元を揺るがす問題となっている。これを乗り越える切り札が水素であり、 今こそ、エネルギーの構造転換に向け、大きく歩みを進めるべき。
〇先月、先進的な取組が進むロッテルダムで開催された、世界水素サミットに登壇し、各国や都市の代表者と交流を深めてきた。ここで得られたネットワークを活かし国際会議 「HENCA Tokyo」で最新の知見を共有し、世界と日本をつなぐ。
〇先日、思いを同じくする自治体と共に国へ、強力な支援を要請。また、国や産業界との官民協議会へ参画した。FC バスやトラックなどの商用モビリティや水 素ステーションを中心とした需要創出、水素製造拠点や臨海部をつなぐパイプライン等、都市における水素インフラ整備を加速させる。
○水素大動脈構想などの実現に向け、「つくる」「はこぶ」「つかう」の観点から、戦略的な取組をオールジャパンで展開していく
化石燃料由来の原材料からの転換
加えて、原材料の安定調達をめぐる不確実性が高まる中、ナフサ代替素材等の開発を促進するとともに、植物由来素材の活用や、ビニール製品から紙製品への転換などに取り組む中小企業等を丁寧に支援することは、石油のみに依存しない経済構造へ転換していく、まさに、ピンチをチャンスに変える取組です。
中東情勢の影響が顕在化している今こそ、ナフサ依存から脱却を図る素材開発や代替素材への切り替えを進めるべきと考えますが、見解を伺います。(産業労働局)
A(産業労働局長)
○都内の産業力強化に向けては、国際情勢等に左右されず、安定的に利用できる素材や製品の実装を進めていく必要。
〇この流れを生み出すため、ナフサを原料としない素材の開発への支援を開始し、専門家による助言や連携企業とのマッチング等を行うとともに、3年間で最大6億円を支援。 また、代替素材への切り替えや原材料の縮減に必要な設備の導入等を図る中小企業に対し補助率4/5、上限額2,000万円を支援。
〇こうした事業者の挑戦を後押しすることで成長を生み出す強い産業基盤を育てていく。
高度再資源化設備の導入支援
省エネ・再エネの利用拡大に加え、資源循環の高度化も重要です。プラスチック製品の製造に制約が生じるメーカーも出るなど、都民生活への影響が懸念されています。安定した都民生活を確保するためには、海外資源への依存を低減し、サプライチェーン全体で国内資源の循環をこれまで以上に促進していくことが重要です。
輸入に頼る天然資源の影響を最小限に抑えていくには、廃棄されるプラスチックなどの再資源化が有効な手段です。そのため、処理を担う事業者に高度な設備を早急に導入していく必要があると考えますが、見解を伺います。(環境局)
A(環境局長)
○資源を安定的にかつ安価に確保していくには、質の高い再生素材の供給やリサイクルの拡大に資する設備の導入を支援することが重要である。
○これまで都は、金属やプラスチック等の高度な破砕や選別のほかリサイクルを行う設備を導入する事業者に対し、その設置を後押ししている。
○今年度は、資源高騰による再生材の需要の増加を受け、AIやデジタル技術を活用したプラスチック処理設備の支援件数を拡充するほか、支援を希望する事業者への丁寧な技術的サポートにより円滑な導入に繋げていく。
〇これらにより再生資源の供給体制の充実を図る。
環境政策
私たちは、環境への配慮をすすめ、首都東京の持続可能性を高める提案を重ねてきました。
低公害・低燃費車の導入義務制度等の改正
都は2030年までに運輸部門におけるCO2排出量を2000年に比べ、65%削減する目標を掲げており、運輸部門の約8割を占める自動車からの排出削減は喫緊の課題です。また、原油を燃料としないEV等の導入の後押しも必要です。
都は自動車を200台以上使用する事業者に対し、低公害低燃費車の導入を義務付けており、事業者の努力の結果、今年度末の期限までには、概ね全ての事業者が現行義務率を達成する見込みとのことです。
今回の改正に当たっては、事業者のインセンティブを更に高めることでより一層の取組を引き出し、自動車からの環境負荷の低減につなげていくべきと考えますが、見解を伺います。(環境局)
A(環境局長)
○自動車を多く使用する事業者が、環境性能の高い車の導入等に取り組むには、事業者の更なる取組を誘導する仕組みの構築が重要である。
〇都はこれまで、低公害車の導入の義務付けに加え、非ガソリン車等も義務対象とするなど自動車からのCO2排出削減を進めてきた。
〇今後、非ガソリン車の導入義務率を大きく引き上げるとともに、EV、FCVの導入をより評価するよう換算率を2台から3台に改める。
○また、新たに優良な事業者を表彰し、公表する制度を設けるほか、AI配送等の先進事例の見える化等により事業者の取組意欲を高めていく。
東京港の機能強化
四方を海に囲まれ、貿易により発展してきた我が国にとって、港湾は国力と首都機能を支える重要な社会インフラです。東京港では、中央防波堤外側Y3の整備や青海ふ頭での遠隔操作荷役機械の導入など、機能強化が進められています。
一方、世界の先進港湾ではターミナル単体の自動化にとどまらず、港全体・都市物流全体の最適化が進んでいます。 知事は今回、ロッテルダム港を視察し、DXや水素活用など先進的な港湾運営を確認されました。東京港の約半数の貨物を扱う大井ふ頭の再編整備や水素エネルギーの導入も進む中、担い手不足等の課題を踏まえ、首都東京の物流基盤である東京港の生産性を一層高めるべきです。
今回の視察で得られた知見を踏まえ、コンテナターミナルの機能強化に向け、将来も見据えた取組を推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。(知事・港湾局)
A(知事)
〇東京港は、首都圏4千万人の生活と産業を支えており、我が国の持続的発展に欠かす
ことのできない重要な国際物流拠点。
〇ロッテルダム港では、自動化されたクレーンや搬送車両が導入され、手続のデジタル・ 化により、高水準の効率性と安全性を備えたコンテナターミナルが実現。
〇こうした世界の主要港に伍する港へ東京港のバージョンアップが必要。
〇このため、新規ふ頭の整備や大井ふ頭再編整備の機を捉え、最先端荷役機械の導入や ターミナルレイアウトの大幅見直しを進め、生産性や作業環境の向上に繋げていく。
〇あわせて、コンテナ出入貨に係る一連の手続のデジタル化を推め、交通混雑の解消な
ど円滑な港湾物流を構築。
〇これらの取組を加速し、世界トップクラスの機能を備えた東京港を実現。
踏切対策基本方針の改定
港と同様に、魅力ある都市、そして誰もが安全安心に暮らせる都市の基盤として重要なのが、鉄道です。
中野区では、西武新宿線中井駅から野方駅間の連続立体交差事業が進むとともに、野方駅から井荻駅間でも踏切除却に向けた取組が進められています。知事は本定例会の開会にあたり、踏切対策基本方針を改定する方針を表明されました。策定時から社会情勢が大きく変化する中、交通の円滑化や地域の安全性向上、まちづくりの観点から、実効性ある踏切対策をさらに推進すべきです。そこで、
今回、踏切対策基本方針の改定に当たっては、社会情勢の変化や新たな課題を的確に反映し、踏切対策を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。(都市整備局)
A(東京都技監)
〇都はこれまで、平成16年策定の基本方針に基づき、計画的かつ効率的に踏切対策を進めてきた。
〇一方、方針策定から約20年が経過する中で、人中心のまちづくりや技術革新等、時代の変化を踏まえ踏切対策を実施していくことが重要である。
〇今月改定する基本方針では、交通渋滞の解消に加え、新たにウォーカブルの観点等も含め382箇所の踏切を抽出し、鉄道立体化のほか、踏切事故の抑止に資するAIなどの新技術も活用した対策等を重点的に実施又は検討することとした。
〇憩い交流できる都市の実現を目指し、関係者と連携しながら、踏切対策を着実に推進していく。



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