東京都議会総務委員会の管外視察②~「信州やまほいく認定制度」@長野県庁

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 群馬県の「Tumo Gumma」視察の次は、14:30から長野県庁にて、説明を受けました。

長野県の概要

 まず、長野県の概要について伺いました。隣接する県の数が1位(8県)や、県庁の標高が1位(371m)など、興味深く伺いました。移住したい都道府県ランキング(R7.2)も1位は、素晴らしいです。

「信州やまほいく認定制度について」(県民文化部こども若者局こども・家庭課 矢萩由紀子 課長)

 全国4位に広大で、四方を山に囲まれた地域の特徴を生かして、子供達の生きる力を伸ばす保育が「自然保育」です。10年前の2015年に制度が開始し12年目、これまでに49市町村316園が認定を受けています。対象は私立公立問わず、1週間で5時間以上の野外活動を行う「普及型」が301園(※)、15時間以上の野外活動を行うとともに、指導者や保育者を充実させた「特化型」が16園(※)ということで(※の合計が316園にならならない理由は未確認です)、山だけでなく市街地の保育施設でも認定できるようになっています。24の認定基準と3つの重点を設けています。

 ①自然保育の計画的実践
 ②自然保育の研修の充実
 ③安全管理の担保

「信州やまほいく」により自然の中で遊び学びに向かう力が育まれる、ということで、以下4つの効果を示されました。

 ①命の営みとの出会い、触れ合い、生長を楽しむ
 ②体幹や体力がつく
 ③支援が情緒の安定をもたらし、友達と遊ぶなかで人間関係ができる
 ④地域の方とのふれあいで学び、故郷を思う心を育む

 長野県、鳥取県、広島県の3県が発起人となり、2018年4月17日に設立された「森と自然と学び自治体ネットワーク」は昨年長野県で開催され、200人が集まるなど、国内に取り組みが広がっています(ポータルサイト「信州やまほいくの郷」)。

質疑応答

総務委員会委員長として司会を務めました。

Q 安全管理と自主性のバランスは?
A 危険は多いので下見をして打合せを丁寧に。熊被害など新たな課題は専門家をヒヤリングし、マニュアル作成のうえ、現地を確認。

Q 移住したい町20年間TOPとのことだが、「信州やまほいく」の貢献は?
A 園によって差はあるが、ほぼ県外(都会)からという園も。リモートワークの普及も影響。

Q 今後の広がりは?
A H27に認証制度を整備、長野県、鳥取県、広島県の3県が発起人となり、「森と自然と学び自治体ネットワーク」をH30に立ち上げ。3県でシンポジウムを回し、130自治体が独自の認証制度を整備。千葉や奈良に広がり。

Q見守る大人の目が必要に思うが、加配はしているのか?
A 認可は国の支援のみ。認可外に対しては、県独自の人件費補助がある。

Q 県内の316園は全体の何割?特化型と一般型に地域性はあるか
A 全体の約3割。特化型は広大なフィールドが大きく研修や条件が厳しい。市街地は普及型が多い。

Q 認定のメリットは?
A 認可には補助金を出していない。親から評価されるというメリットがある。

Q 非認知能力は高まっているのか?
A 小学校での先生の感想として以下がある。
・教科書に出てくるたんぽぽを知っているなど、自然に対する理解が深い。
・リーダーシップがとれる
・火を使って焼き芋を焼くことや、水の流れなど、経験が理科につながる。
長野県としてそろそろエビデンスが必要だと思っているが、調査できていない(予算がない、議会からの要請や全庁での合意がない)。

Q 都会で応用するとすれば?
A 山や畑の無い園では、散歩などを通じて自然に触れるようにしている。

Q 多摩島しょ部を除き、都内には自然が乏しい。都立公園を活用すればいいのか?
A たまに散歩する、というのではなく、自然を活かした活動が大切で、これを普及する推進委員がいる。

Q 私立より公立が多いが、対象は?
A そもそも公立園が7割。提出する書類が多いなどもあり最近は伸びが鈍化。30回/年の研修を開催しており、他園から学ぶことが大切。

Q 暑さ対策は?
A 森林には日陰があり有効。

Q R9に330園を目標に掲げているが課題は?全市町村の参加?
A 専門人材の確保。市町村によって温度差があることもあり、今後はエビデンスが重要。

Q 長野県野外保健連盟とは?
A 担当する課があり、テーマによって講師が変わる。保育園と連携しながら31回/年(うち3回は県が担当)の内容を前年度にスケジューリングし、年1回は出席してもらっている。オンライン参加も可。

Q 保護者との関係は?
A 県民からは評価されている。子供の怪我についても、見学して理解して納得の上通園している。保護者に積極的にかかわってもらう工夫も行っている。

Q 冬は雪が多そうだが15時間の活動を確保できるのか
A 雪の中遊んでいる

Q 保育人材確保と定着は?
A このような保育をしたいという人材は一定数いる。厳しいという結果は出ていない。

Q 移住促進への影響は?
A 「信州やまほいく」を目的に移住する人が現れたのは副産物。

Q(福島) エビデンスがない中、どのように予算を確保し実施に漕ぎつけたのか
A 熱心な人達からの要望があり、県が検討をした。非認知能力の評価については大規模かつ長期の調査が必要と理解。何とか工夫してやりたい。

Q(都職員)都でも「すくわくプログラム」という、子供近いプログラムを行っている。大切な取り組みだが課題もある。ノウハウの共有やレベルアップ研修などで対応しているが、支える人材が重要であると考えている。
A 保育士の資質+αが必要。区市町村レベルだと、保育士確保が難しく、誰でも通園制度があり大変。確保に加え資質を高める研修を県が担っている。

この後、議場を視察させていただきました。議員が宿泊できる施設があることに興味を持つ議員が多かったです。

福島りえこの感想

 非認知能力を高めることを目的に行っている「信州やまほいく」の質を担保するため、園同志の学び合いを含めた研修を充実させていることを確認できました。同様に非認知能力を高めることを目的に都が行っている「すくわくプログラム」でも、質を高めるために園同志の学び合いの制度を提案予算に盛り込まれ、今年から「すくわくナビゲーター園」制度として始まっていますが、方向性として正しかったことを確認できました。

 一方、非認知能力は、評価が難しいから非認知であるとはいえ、それを上げることを目的に「すくわくプログラム」を実施するなら、評価にも取り組むべきと質疑を重ねてきました。この日の質疑応答でも、複数の委員から評価の重要性に関する質疑がなされたことを嬉しく思いました。長野県の担当職員はエビデンスが必要であることを認識されているので、予算がつくとよいと思います。

 翌日の施設見学がますます楽しみになりました。

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