知事の進める「人」を軸にした政策の推進にあたり、私は、データとエビデンスに基づく政策の精度向上と、インセンティブや基盤の整備等により制度の持続可能性を高める観点から、質問します。
2050東京戦略の推進について~ソーシャル・キャピタルの指標化
都は今年1月、「2050東京戦略」を見直し、政策目標の新設・強化を行いました。施策を継続的に更新し、その達成状況を可視化していくことは、戦略を着実に前進させるうえで極めて重要です。
中でも、「地域で困ったときに助け合えると思う人の割合」は、私がかねてより重視してきた地域のつながりや相互扶助を示すソーシャル・キャピタルの指標であり、コミュニティ政策を進めるうえで大きな一歩です。

日本は人口に占める行政職員の割合が国際的に低く、市民が自立的に行動し、支え合うことを前提とした社会構造にあります。しかしながら、都内では人のつながりが希薄化し、子どもや高齢者の見守りや防災などの分野で課題が生じています。こうした都市型課題の解決に向け、ソーシャル・キャピタルは重要な指標になると考えます。そこで、
2050東京戦略をさらに推進するにあたり、今回の政策目標の新設・強化に込めた都の狙いを伺うとともに、ソーシャル・キャピタルのように地域差が重要となる指標については、地域間の統計的比較など指標に応じた効果検証を行い、施策のブラッシュアップにつなげるべきと考えますが、見解を伺います。
A(政策企画局長)
〇 都は、2050年代に目指す東京の姿の実現に向け、PDCAサイクルを徹底し、取組の進捗状況に応じて政策目標の上方修正や施策の充実強化を図っている。
〇 さらに、都政を取り巻く状況変化などに機動的に対応するため、昨年の記録的な暑さや豪雨を踏まえたレジリエンスの強化のほか、地域のつながりや支え合い機能など、新たな政策目標を設定し全体で312件へと拡充
〇 政策目標の達成に向け、指標の性質に応じて区市町村など地域ごとの取組状況や成果・課題等を客観的に検証し、施策の実効性を高めていく。

空き家のグリーンインフラ化について
令和元年東日本台風以降、私たちは雨水浸透や暑熱対策など、都市の持続可能性を高めるグリーンインフラの導入を推進してきました。令和5年には重点政策となり、来年度予算にも関連事業が計上され、昨日の代表質問でも目標設定や民間開発への誘導策が示されました。
私は、都市の緑の創出と空き家対策を同時に進めるため、千葉県柏市の「カシニワ制度」を参考に、空き家や遊休地の緑地化へのインセンティブを求めてきました。
これを受け、都は「空き家等みどり転用支援事業」を新設、通学路や通勤路沿いに身近な緑を生み出す方針を示したことを評価します。グリーンインフラは雨水流入を抑えるなど社会インフラの負荷を軽減するため、所有者へのインセンティブは合理的です。
「空き家等みどり転用支援事業」を進めるにあたり、空き家や遊休地をグリーンインフラとして活用した場合に土地所有者にとってのインセンティブを設け、所有者が積極的に緑地転用に踏み出せる制度設計を検討すべきと考えますが、都の見解を伺います。
A(都技監)
〇空き家等のみどりへの転用についてであるが、・自然環境が有する機能をまちづくりに活かすグリーンインフラを充実させていくためには、誰もがみどりを感じられる街中の身近な緑地等を創出することも有効である。
〇このため、増加が見込まれる空き家などの小規模な民間の遊休地を対象に、ポケットパークやミニガーデンなどとして都が整備する、新たな取組に着手することとした。
〇今後、先行事例の調査を行った上で令和8年度にモデル事業を実施し、土地保有コストの軽減等、所有者の協力を得られる有効な仕組みづくりを進め、みどりあふれる東京の実現につなげていく。
新たなマンション防災について
また私は、平成30年の総務委員会以来、一貫してマンション防災の重要性を訴えてきました。私たちの求めに応じ、都は令和5年に「東京とどまるマンション」事業を開始、その加速に向けて、昨年の第三回定例会では登録目標の検討が、昨日の代表質問でも支援強化が示されたところです。
普及に向けた課題の一つに、私は、マンションごとの住民の防災意識の差があると考えます。民間では災害時の行動をステップごとにまとめた「カード式マニュアル」が提案されていますが、都がこうしたツールを研究し普及を後押しできれば、意識の高低にかかわらず誰もが必要な行動を取れ、結果として都内マンションの防災力を確実に底上げできると考えます。
分譲・賃貸を問わず、マンション住民が災害時に必要な行動が一目で分かり、誰でもその場で行動できるカード式マニュアルのような方策を、都が専門家と検討し、展開することで、マンション防災の取組を加速すべきと考えますが、見解を伺います。
A(住宅政策本部長)
〇 発災時に迅速かつ的確に防災活動を行うためには、初動対応を分かりやすく記載したカード式防災マニュアルが有効
〇 特に賃貸マンションでは、住民の入れ替わりが多く防災活動の準備が十分でないことから、都は現在、アドバイザーを派遣し、カード式防災マニュアルの導入を支援
〇 今後は、分譲マンションでも有効であることから、関係団体と連携し、防災力向上に取り組む管理組合への支援にも活用
〇 引き続き有識者の意見も踏まえながら、更なる普及促進を図る。



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