ASIJ視察1/4~コロナ禍で社会貢献する生徒が育つ環境とは

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11/20の日中は、ASIJ(American School in Japan)の調布キャンパスを視察しました。1902年設立、国内で2番目に歴史のあるインターナショナルスクールです。

そもそもは、私が地元で開催している都政報告会にASIJの生徒と保護者が参加いただいたことがきっかけです。その後のコロナ禍において、日本の学校の生徒や保護者の皆様から、オンライン学習環境の早期整備など、教育補償に関するご相談を大変多くいただきました。一方、ASIJの生徒達は、自らできることを探し、学校の調理施設を使ってひとり親世帯にお弁当を提供したり(後にお米の提供に移行)、3Dプリンタを使って医療現場へのフェイスシールドを届けるなど、支援する側として活動しました。この違いの元を知りたいと思い、世田谷区の神尾りさ区議を誘い、見学してきました。

冒頭に、校長のJim Hardin氏から1時間ほど学校についてご説明を受けるとともに、質疑をさせていただきました。

大学受験につながる教育内容について

・アドバンスト・プレイスメント(AP)を提供、進学率は99%以上。
・米国の大学はAP重視だが、英国、オーストラリアは求めていない。一定のAPを取得した後は、生徒の体験の機会を増やすことを重視。
・(創造性や主体性は評価が難しいのではないか、という問いに対して)今年は実施できなかったテストも多く、知識以外の部分、例えば創造性等の評価や、何を体験してきたかを重視する傾向が強まるのではないか。
・コロナ禍において遠隔授業を実施、学力や精神面で問題ないことを確認。

今回の視察をコーディネートして下さった鈴木良輔先生と

教育の見直しについて

・2年前に実施、その後も継続的に見直し。
・(教師が変わるのが最も大変ではなかったかという問いに対して)教師に「教えた内容のうち、将来役立つと思う割合」をアンケートしたところ「1割以下」という結果になり、教育を改める必要性を教師自らが認識。
・今後、社会人になった卒業生と連携した授業を増やすとともに、アンケートを取り、教育の改善に活かす予定。

Strategic DesignFramework(SDF)について

・20~30年後を見据えた教育。
・策定には保護者も参加。
目指す人間像(※)から必要な教育を導出。
  ※ 地球市民、コラボレーション、コミュニケーション、創造性、批判的思考・・・
・「良い教育」の定義が変わったことで、教師も変わった。

コミットメント

The Know, Value, Care Icon, a Mitsudomoe

使命

Fostering a community of inquisitive learners and independent thinkers, inspired to be their best selves, empowered to make a difference.(好奇心をもって学び、自律的に考えることができる人のコミュニティを育成し、一人ひとりが能力を発揮できるようになるとともに、個性が育まれる)

コアバリュー

誠実な人柄、リスクをとってチャレンジできる勇気、他者や地域に対する思いやり

学習のビジョン

課題解決のための深い学び
他者や社会との関わるための社会的感情的学び
主体的に学ぶ姿勢の確立
実践につながる知識の習得
地球市民としての責任感
生徒の健康、安全、福祉の側面のケア


・パートナーシップとダイバーシティ(平等な教育機会)を重視。

SDFをどう教育に落とし込むか

・知識習得のための授業とSDFを結びつける。
ex. 近くの農家の裏山に自生する竹を材料とし、自らの内面を表現するトーテムポールを堀り、農家の人に見てもらう。化学反応の勉強の際に、医療関係のスピーカを招く、等。教育は聖域ではない(learing partnership)

その他

・(ASIJが目指す教育は、日本のような35~40人学級では難しいのではという問いに対し)クラスは20人以下で構成。
・(35~40人学級でASIJが目指す教育をやるにはどうすればいいかという問いに対し)様々な知識が必要な教育を作るのはどうだろうか。社会の在り方に似たクラス。
・カウンセラーは4人。教師は教えることに注力。
・幼稚園~高等学校まであるが、学費は年間270万円(cf. 公立小中学校は年間約100万円)。

4人いるカウンセラーのうち、進学に関する相談を担当するカウンセラー

(2/4に続く)

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