令和3年 事務事業質疑~都民安全推進本部 防犯ボランティア 他

都議会議員,福島りえこ,世田谷区ブログ

11/11は、都民安全推進本部、政策企画局、他に対する事務事業質疑がありました。

まず、都民安全推進本部については、防犯ボランティアに関して、団体数だけではなく参加人数や年齢層、活動状況等、より正しい状況把握を求めるとともに、大学等による研究事例を踏まえた着実な推進を、校正支援計画の策定に関して、裁判の証拠書類として求められる質について業界で合意が形成できるよう支援を、自転車の危険運転対策に関して、安全運転の指導を実施した周辺エリアの事故発生状況や、自転車保険等の加入率など、これまで通り状況を把握しつつ事業の推進に努めていただきたいことを伝えました。

防犯ボランティア活動の推進


地域コミュニティ活性化は、都議会議員になって取り組みたい課題の一つである。そして、防犯ボランティアには様々な見守り方法があることから、より多くの人がコミュニティに関わるきっかけになりうる取り組みだと期待している。

警察庁の統計によれば、近年は参加者人数の頭打ちが窺え、高齢化も問題になっていが、今年8月に公表された「2020年に向けた実行プラン」事業実施状況レビュー結果によれば、2016年度末に752団体だった防犯ボランティア団体の登録団体は2020年度末に900団体と、148団体増加したとある。そこで、

Q1 都は現在、都内防犯ボランティアの状況を、どう認識しているのか、伺う。

A1 都は、平成28年度に表彰制度を創設するなど、防犯ボランティア活動の活性化に向けた取組を強化、更に今年度より、市民ランナーや犬の飼い主等に着目し、日常生活の中で地域の見守り活動を行う防犯団体の結成を促す取組を開始。こうした取組により、本年10月末までに、東京都に登録されている防犯団体の数は975と、昨年度末に比べて75増加しており、地域の見守り活動の担い手づくりが進んでいるものと認識している。

都内の防犯ボランティアは活性化している、ということだが、団体数だけではわからない。参加人数や年齢層、活動状況など実態を把握し、防犯ボランティアの活動を持続的にしていただきたい。

Q2 都は現在、登録した防犯ボランティア団体に対して、どのような支援をしているのか。

A2 都は、登録いただいた団体に対し、パトロールに役立つグッズを配布しているほか、ポータルサイト「大東京防犯ネットワーク」等を通じ、地域の犯罪情報等、見守り活動の参考となる情報を発信。また、本年3月より、同ポータルサイトにおいて、オンラインに よる防犯団体同士の双方向の情報発信、情報共有を可能とする「情報投稿マップ」機能を運用し、今後、更なる普及促進により団体相互の連携強化を図る。

「大東京防犯ネットワーク」の情報投稿マップを見ると、地図上でわかりやすく可視化されていると思える一方で、私が住む地域で見かける登下校の見守りなど、登録されていない活動も少なくない。

 香川大学の大久保智生研究室が、防犯ボランティアに関する研究を行い、

様々な内容の活動を行っていると、援助成果が高いこと
・より若い世代に参加してもらうために、リタイアの時期に活動意義を伝えることも方策のひとつであること
・(商店街のCSR活動と連携した)研修会が防犯活動への意識向上につながり、支援として有効であること

と報告している。そこで、

Q3 仕事をリタイアする前の段階から働きかける取り組みをするべきではないか。

A3 増加する高齢者の方々をはじめ、防犯活動の担い手を拡大するためには、都民の方々に働いている頃から無理のない形で見守り活動等に取り組んでいただくことが重要である。都では、仕事がある方でも気軽に防犯活動に取り組んでいただけるよう、ランニングや犬の散歩をしながら街の見守りをする「ながら見守り」活動を推進している。

「ながら見守り」をどのように知ってもらって、そして、参加していただくか、が重要。

先の報告では、歩きながら防犯マップを作ることができるスマートフォン向けのアプリ「歩いてミイマイ」を制作、若者はじめ、より多くの人が防犯活動に興味を持つ可能性を示した。このアプリは、先日、第15回キッズデザイン賞で、少子化対策担当大臣賞を受賞先端的な取り組みもウォッチし、効果的な策を打っていただきたい。

Q4 研修会の実施状況(回数や参加者)は?


A4 都では、研修によるスキルアップと相互の交流を目的とした、「防犯ボランティアのつどい」を、広く防犯ボランティア活動をしている方、及び、これから活動をしようとしている方を対象に、毎年度2回、区部及び市部で開催し、本年も2回実施、合計66名が参加した。参加者に対するアンケート結果では、参加した全ての方から「今後の活動に参考になった」との回答を得ている。

参加者の意識向上につながるというのは、先の報告に同じだが、66名という数はあまりにも心もとない。例えばe-learningであれば、時や場所を選ばずにみられるし、リンクの転送もできる。一層の工夫を求める。 

更生支援計画の作成支援

再犯防止には、更生支援計画の作成が重要であり、裁判手続きの必要書類として提出されることもあると聞く。具体的には、障害のある(疑い含む)被疑者・被告人の弁護人が裁判で必要とする場合に、精神保健福祉士等のソーシャルワーカーに作成を依頼し、依頼されたソーシャルワーカーが、被疑者・被告人の福祉的支援の必要性や具体的な支援のあり方を調査、判定して作成する。そのためには、本人の生活歴を聞きとったり、同意書をもらって親族や、出所後の暮らしを見守る関係者に面会するなど、多数回、各所に足を運ぶことも少なくないと聞いている。

しかしながら、現行では、弁護士会による「社会福祉士等との連携のための援助金制度」により費用が5万円弁償されるのみで、報酬が見合っていない、身分保障がないという声が寄せられており、同様の内容が、「第2回東京都再犯防止推進計画検討会」でも、指摘されている。

以前、本件について相談したところ、都では平成30年に試行、昨年度から本格実施している「犯罪お悩みなんでも相談」事業が、更生支援計画書の作成を支援する窓口になりうると聞いた。そこでまず、

Q5 「犯罪お悩みなんでも相談」事業の利用状況について、伺う。

A5 都は、犯罪をした者やその家族等を対象とした相談窓口を設置し、令和2年度からは「犯罪お悩みなんでも相談」として、5月から10月までの6カ月間、週5日、窓口を開設して、計239件の相談を受け付けた。令和3年度は開設期間を通年とし、週2日実施しており、9月末現在で約70件の相談を受け付けている。

令和2年度の半年の試行の結果、一定数の相談が寄せられ、その結果、令和3年度からは通年の実施になったとのご答弁。

Q6 「犯罪お悩みなんでも相談」の中で、更生支援計画の作成をどのようにフォローしているのか、伺う。

A6 都は、「犯罪お悩みなんでも相談」の中で、犯罪をした本人やその家族からの相談のほか、社会福祉士など支援団体の職員や弁護士と言った更生支援計画に関わる方からの相談も受け付けており、その相談 内容に応じて、助言や支援機関の紹介などのフォローを行う体制を整備している。

専門家につなぐ取り組みをしているとのご答弁。

実態としては、裁判手続きのために作成される更生支援計画書には、様々なレベルのものがあること、また、実際に社会復帰される際には、改めて更生支援計画書が作成されるケースも少なくないと聞く。

裁判の証拠書類として必要な更生支援計画書のレベルについて、依頼者側、作成側の合意がまだとれていことが原因のようにも思う。「犯罪お悩みなんでも相談」に寄せられるご相談をはじめ関係者の声に注意を払い、利用目的にあった更生支援計画の策定と見合った報酬に落ち着くよう、都としてできる範囲の支援をお願いする。

自転車の危険運転対策


自転車の危険運転についての声を多くいただいている。都は、自転車安全利用指導員制度を実施し、交差点等に指導員を立たせるなどしており、そのエリアでは事故が減るなどの成果があがったと聞いている。

Q7 指導員制度の成果を踏まえ、現在の取り組みをどのように実施しているか伺う。

A7 都は、令和2年度まで自転車安全利用指導員制度を実施し、この取組を通して、効果的な指導啓発の手法や指導箇所等のノウハウを蓄積してきた。今年度は、地域の実情に応じた指導が効果的にできるよう、地元区市や警察署と連携して、5月の自転車月間に合わせた街頭における啓発活動を実施することを予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態措置等が実施されたことにより、5月の実施は見送った。今後、感染状況をみながら、今年度中の実施について検討していく。

都が取り組んできた活動から、地元区市とともに取り組む活動に移行する、とのご答弁。

説明にもあったように、地域性もあるので、最終的には、地元区市が取り組みの主体になるのはよいと思う。とはいえ、担い手のみならず、交差点での指導から、啓発へ、と取り組み内容も変わることから、今年度の新たな活動にあたっても、エリアの事故の発生状況を検証し、区市による取組みの効果が高まるよう、支援していただきたい。

次に、自転車保険加入促進について伺う。

警視庁の2020年の全国のデータによれば、自転車の事故の13.2 %が、20歳未満によるものである。加害者側が賠償責任能力がないために、被害者側が泣き寝入りになるなどしないよう、都は、令和2年4月から、自転車保険等の加入を義務化した。その結果、義務化前の令和2年3月では46.6%であった加入率が、1年が経過した令和3年3月では、60.4%となり、義務化前と比較して13.8ポイント増加したと聞いている。このように、都が、義務化直前の令和元年度末からインターネット等により定期的に調査を行っていることを評価する。

Q8 自転車保険等の加入促進に係る今後の取り組みについて、伺う。

A8 都は、自転車保険等への加入を促進するため、リーフレットやポスターを作成し、区市町村や警察署、自転車販売店等での配布・掲示を行うとともに、鉄道の車内やインターネットでの周知啓発を実施している。また、自転車商協同組合と連携して、自転車販売時に各自転車販売店が保険への加入確認及び勧奨等の取組を行っている。

引き続き、普及啓発に努めるとともに、加入の促進状況も定期的に確認し、着実に加入率を高めていただきたい。

都議会議員,福島りえこ,世田谷区

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