「令和8年第1回都議会定例会」代表質問③~福祉

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福祉

 少子高齢化が進む中で、障がい、妊娠・出産、介護、医療、看取りといった人生の節目における不安に切れ目なく寄り添い、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる東京を実現するための都の取組について伺います。

重点 18歳の壁

 私たちが繰り返し訴えてきたのが、障がいのある子どもたちにとって大きな障壁となる「18歳の壁」打破の取り組みです。18歳を境に支援が手薄になり、特に夕方から夜にかけての居場所がなくなることで、親が離職するケースもあります 。18歳の壁打破を都議選公約に掲げ、令和7年度第三回定例会でとりあげた私たちの提案に対し、地域において利用者ニーズに応じた居場所の確保ができるよう、具体的な施策の検討していくと答弁を得ました。居場所の創設にあたっては、夕方以降の居場所を創出する区市町村に対し、利用人数や時間といった地域の実情に合わせた柔軟な補助制度とすべきです。そこで、

「18歳の壁」問題の打破に向けた知事の決意について伺います。

A(知事)
○障がいのある児童が、特別支援学校の卒業を機に、利用するサービスや時間帯が変わることで、家族が離職等の問題に直面するいわゆる「18歳の壁」問題が顕在化している。
○そのため来年度から、都独自に、夕方以降の居場所の確保に取り組む区市町村への支援を開始する。
○利用者の障がいの程度に応じた補助を行うほか、開設準備経費や等に加え、より多くの利用者を受け入れた場合の加算を補助率10分の10で支援するなど設けることにより、 区市町村の取組を強力に後押ししていく。
○こうした支援により、障がいのある方とその家族が、住み慣れた地域で安心して暮らせる東京を実現していく。

不妊治療拡大

 私たちは、女性があらゆるライフステージにおいても、希望すれば妊娠や出産ができるよう後押しをしてまいりました。都はこれまで、国に先駆けて不妊治療への助成、卵子凍結への支援、無痛分娩費用助成等、妊娠や出産に関わる独自の取組を推進し、不妊治療については、保険適用部分に上乗せするなど自己負担分の先進医療について助成してきました。しかし不妊治療は高額となり、保険適用部分の自己負担については相当な負担となります。出産後も子育てに多くの費用が必要になる中で、妊娠のためだけに家計が逼迫するのは、その後の家計に影を落とします。また不妊治療は、必ずしも妊娠できるとは限らない中で大きな出費が続き当事者を疲弊させる原因にもなっています。

医療保険対象外の先進医療のみを対象とした不妊治療の助成は、経済的な理由で治療を断念しないよう、来年度早期に保険適用部分まで拡充するべきだと考えますが、都の見解を伺います。

A(福祉局長)
○都はこれまで、医療保険対象外の先進医療に対し独自に助成してきたが不妊治療に係る費用は依然として大きな負担になっている。
○このため来年度から、子供を望む方が経済的な事情にかかわらず、安心して不妊治療に取り組めるよう、最大助成額15万円の対象を、医療保険対象の生殖補助医療を含め自己負担額全体に拡充する。
○申請受付は、本年10月からを予定しており、本年4月以降に開始した治療まで遡って助成対象とする。
○こうした取組により、望む人が安心して子供を産み育てられる環境を整えていく。

重点 介護離職防止

 次に高齢化社会における「安心」の確保についてです。現在、都内の介護離職者は8,500名で推移していますが、その半数が介護発生からわずか半年以内に離職に至っていると指摘してきました。仕事と介護の両立を阻む要因には、制度が複雑で介護保険制度に繋がらない「情報の壁」、急変時や朝夜など既存の介護保険制度では対応しきれない「介護保険制度の壁」、そして中小企業等などで深刻な「職場理解の壁」という3つの大きな壁が存在します。昨年末の重点要望においても、この初期の混乱期にビジネスケアラーを孤立させないためにも、半年間の伴走支援を強化する「介護離職6か月集中支援パッケージ」を提案しました。そこで、

デジタルを活用した情報提供や介護保険外も含めた多様なサービスの活用など、初期の混乱期を支える包括的な支援の仕組みを構築すべきと考えますが、見解を伺います。

A(福祉局長)
○介護と仕事の両立には、介護に関する情報を適時適切に入手でき必要なサービスに迅速につながることが重要であり、都は来年度、新たに介護に関する情報をワンストップで
提供する介護情報ポータルを構築する。
○また、中小企業における介護離職防止のため、都が派遣する介護支援専門員を活用した相談窓口の整備や、介護保険外サービスを利用できるクーポンの支給など、介護と仕事の両立支援に取り組む中小 企業に対し、最大 100万円を支給する。
○これらの取組により、介護離職防止に向けた支援を強化していく。

介護人材確保対策

 さらに、超高齢化社会を支える介護人材の確保は喫緊の課題です。都はこれまでも東京都独自の居住支援特別手当の創設など介護人材の処遇改善と定着支援に力を入れてきましたが、直近の介護職の求人倍率は8.6倍を超えるなど未だ人手不足は非常に深刻です。

都は処遇支援を含めた介護人材の確保と、確保した人材が安心して働き続けられる職場環境整備について、更なる支援の拡充を図るべきと考えますが、見解を伺います。

A(福祉局長)
○都はこれまで、職場体験や資格取得支援など、様々な取組を実施してきた。
○来年度は、人材確保に資する人事給与制度の導入等に取り組む事業者に対し、新たに
年間最大100万円、最長3年間、コンサルティング経費を支援する。
○また、小規模事業者の経営力等を強化し、人材確保につなげるため、経営改善や協働化等に向けた伴 走型支援を試行するとともに事業者の事務を集約して処理するバックオフィスを開設する。
○さらに、暑さ対策や電動アシスト自転車の購入経費への支援について、補助率や補助基準額を拡充する。
○こうした取組により、介護人材の更なる確保等を図っていく。

障害福祉サービス等職員就業促進事業

 さらに都内の障害福祉現場は、人材確保が追いつかず、求人倍率も高止まりするなど、高齢介護以上に厳しい人材の状況にあります。今後、国において基本報酬の減算も予定されており、このままでは障がい福祉サービスを維持できなくなる恐れもあります。特に中小規模事業所が多い障害福祉分野では、求人広告費や人材紹介手数料の負担が重く、必要な募集活動自体を十分に行えないケースも少なくありません。また、専門性が求められる一方で未経験からの参入も不可欠であり、研修受講中の人件費や受講費用が事業所・本人双方の障壁となっています。こうした構造的課題を踏まえれば、更なる支援の強化は不可欠です。

職員の採用活動に係る経費など、障害福祉分野における人材確保策を強化していくべきと考えますが、都の取組を伺います。

A(福祉局長)
○都はこれまで、障害福祉サービス等の福祉・介護職員に対し奨学金返済相当額や居住支援特別手当を支給する事業者への補助を行うなど、様々な取組を進めてきた。
○一方、サービス利用者の増加等に伴い、障害福祉を担う人材の一層の確保が必要であることから来年度新たに求人サイトへの掲載費等を1事業所当たり最大80万円補助する。
○また、未経験者の雇用経費や、業務に従事しながら居宅介護職員初任者研修等を受講する際に必要となる経費の支援も開始する。
○こうした支援により、障害福祉人材の確保に取り組む事業所を一層後押ししていく。

認知症専門病院

 高齢者の約6人に1人が認知症となる社会において、認知症になっても安心して暮らせる医療体制の構築は必須です。しかし、現状では合併症などを伴う場合、入院を断られるケースがあるなど、当事者や家族にとって深刻な課題となっています。都が今年度行った実態調査では、約4割が入院先が見つかりにくい等の課題が明らかになりました。こうした背景から私たちは、認知症になっても高齢者が安心して地域で暮らしていくことが出来るよう認知症専門病院機能を持った医療支援の抜本的な強化を求めてきた中で、予算案には、二次保健医療圏ごとに拠点病院が連携し、地域での受け入れ態勢を強化する「TOKYOオレンジ医療システム」の先行実施が盛り込まれました 。

調査結果を踏まえ、認知症の人を地域で必ず受け入れる医療提供体制を構築すべきと考えますが、都の見解を伺います。

A(福祉局長)
○都は来年度、二次保健医療圏ごとに、認知症のある人を地域で受け入れる、認知症専門病院機能を担う「TOKYOオレンジ医療システム」 の構築に着手する。
○具体的には、圏域内の医療資源を把握し、病院等との調整を行う要員を、拠点型認知症疾患医療センターに新たに配置する。
○また、行動心理症状が強い人などを受け入れた病院に対し、実績に応じて日額約 16,000円を支援する。
○こうした取組を3つの圏域で先行実施するとともに、今後全ての圏域での実施を見据え医師等を対象に 認知症対応力向上に向けた研修を新たに実施し、医療提供体制の確保に取り組んでいく。

民間医療機関への支援継続

物価高騰の中、都民の命を守る病院経営はかつてない厳しさを増しています。令和6年度には都内病院の約7割が医業赤字に陥っており、民間病院の経営は極めて深刻な状況です。医療体制の維持は、都民の暮らしを守る上で最も重要な基盤の一つです。こうした現状を踏まえ、私たちは地域医療の崩壊を防ぐ民間病院への強力な支援継続を求めてきました。
 これに対し、都は令和7年度に入院患者1人1日当たり580円の緊急支援を実施してきましたが、予算案においても「地域医療確保に係る緊急・臨時支援事業」として、1人1日当たり500円の支援を継続し、急性期病院にはさらに加算を行う方針を示しており、現場の実態に即した支援を講じたことを高く評価します。

財源が限られるなかで、地域の医療提供体制を守るため、民間病院全体に対する支援を継続しながらも、機能や実績に応じた重点的な支援を行うべきと考えますが、都の見解を伺います。

A(保険医療局長)
○長引く物価高騰等が病院運営を圧迫している。今般国において補正予算や診療報酬改定により一定程度の措置が図られたものの、その効果などを見極める必要がある。
○このため都は来年度、全ての民間病院を対象として、緊急的かつ臨時的に入院患者1人1日当たり500 円を交付する。また、物価上昇の影響をより受けやすい急性期医療を提供する民間病院に対し、救急車の受入実績に応じ、入院患者1人1日当たり最大100円を臨時的に交付する。
○こうした取組を進め、都民が安心して医療を受けられる地域医療体制を確保していく。

公立病院支援

 さらに、深刻な経営難となっているのは多摩地域の公立病院です。多摩地域の公立病院の利益率はマイナス18.2%と、民間病院以上に深刻であることから私たちは、昨年の第三回定例会の代表質問において、多摩地域における地域医療を支えている市町村公立病院を都としてしっかりと支えていくことを強く求めました。その後、都が今年度実施した地域医療に関する調査結果においても、民間病院等と比べて、公立病院の厳しい経営状況が浮き彫りになりました。

改めて、都として、市町村公立病院への支援を強化すべきと考えますが、見解を伺います。

A(保険医療局長)
○市町村公立病院は、地域における基幹的な公的医療機関として、他の医療機関と連携しながら、地域医療の確保のため重要な役割を果たしている。
○都は、公立病院の安定的な運営を支援するため、がん・救急など、提供する医療の内容や病床数等に応じて運営費を補助している。
○来年度は、公立病院の直近の経営状況を踏まえ、補助金の算定基準となる病床基礎単価について、1 床当たり122万円から152万円に引き上げ、地域医療の確保と向上を図る。
○こうした取組や医師確保への支援等を進め、厳しい経営環境にある市町村公立病院を支えていく。

単身高齢者対策

 高齢社会において増加する「おひとり様高齢者」の支援も重要です。現在都内では高齢者のうち、約2人に1人が単身であり、他都道府県と比較しても突出して高い割合となっています 。今後、単身高齢者がさらに増加することで、賃貸住宅の貸し渋りや、身元保証や遺言といった意思決定の課題がより深刻となることが懸念されます。こうした課題を解決するためには、単身高齢者が万が一の時にも安心して備えられるよう、おひとり様の意思決定を包括的にサポートする仕組みの創設が極めて重要です 。私たちはこれまでも、東京都版身元保証支援制度の創設などを繰り返し都へ提案してきました 。現場の区市町村からは、支援の必要性は痛感しつつも「何から手をつければよいか分からない」との切実な声も届いています。そのため、

多くの区市町村でこうした相談支援体制を整備できるよう、区市町村への支援を拡充すべきと考えますが、都の見解を伺います。

A(福祉局長)
○都内の単身高齢者は増加しており、高齢者が元気なうちに、生活上の様々な手続や死後の対応などの準備をできるようにすることは重要である。
○都は、高齢者の状況に応じて助言などを行う総合相談窓口を設置する区市町村を支援しており、現在、8自治体が設置している。
○来年度からは、補助上限額や補助率を拡充し、取組を加速するとともに、新たに相談体制の整備 に取り組む区市町村が円滑に準備できるよう、専門家の助言を受けられる支援も開始する。
○こうした取組により、都内全域で、単身高齢者が安心して相談できる環境の整備を進めていく。

火葬料の対策

 多くの方が亡くなる多死社会が本格化する東京において、人生の締めくくりである火葬のあり方について都民の関心が高まっています。亡くなった方を火葬しないという選択肢がないなかで、都内23区での火葬にかかる費用は高騰しています。全ての人が亡くなることを避けることができないことを考えると、東京において安心して亡くなった方を火葬できることは、非常に大事なことです。昨年の第三回定例本会議において、都が、区市町村とともに安定的な火葬体制を確保するため、様々な観点から検討し取り組む方針を示し、着実に進めている点を評価します。

都は実態調査をしていますが、この結果を踏まえて、適切な火葬に全ての都民がアクセスできる体制を確保できるよう取り組みを進めるべきだと考えますが、知事の見解を伺います。

A(知事)
○日本は、既に多死社会に突入しており、今後の人口動態を踏まえると東京においても、火葬需要の増加が見込まれる。
○このため都は、都内の死亡者数の長期推計と、都内全ての火葬場の火葬能力などについて調査を行っており、実態を精緻に把握するため、個別のヒアリングも実施している。
○来年度は、都内自治体や外部有識者等で構成する検討会を設置し、調査の結果も踏まえ火葬場の適切な運営や火葬能力の確保などの方策について様々な観点から検討していく。
○都民が将来にわたって安心して生活を送ることができるよう、人生最後の儀式である
火葬について、安定的な体制の確保を目指していく。

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