委員長のため自らは質疑ができません。以下、駒崎都議、本橋都議に託しました。
駒崎美紀議員

とうきょうこどもクリエイティブラボ「くりらぼ」
都は、令和4年第3回定例会の総務委員会における福島りえこ都議の提案をきかっけに、次代を担う子供たちがデジタルに親しみ、創造性を育むための事業として「くりらぼ」を立ち上げ、着実に展開してきました。この取組は年々充実していると認識しており、デジタルに触れ、興味を持つ子供たちが増えることは、東京ひいては日本の未来に大きく貢献するものと考えます。そこで、
「くりらぼ」の今年度の成果と来年度の取組内容について伺います。
A(デジタルサービス推進部長答弁)
○ 今年度、「くりらぼin区市町村」は、35自治体でデジタル創作体験の機会を創出し、延べ約2,800名が参加したほか、Tokyo Innovation Baseに常設している体験拠点「くりらぼベース」には、約6,000名が来場し、子供たちにプログラミングによるゲーム制作などを体験
○ また、企業等と連携して子供たちのデジタル創作体験を応援する「くりらぼネットワーク」では、女子中学生を対象とした初のイベントとして、参画企業で活躍する3名の女性社員によるパネルディスカッションや、仕事や進路について意見交換するラウンドテーブル、生成AIの使い方を学ぶワークショップを実施
○ 令和8年度は、都の子供・子育て支援事業にメールアドレスを登録している方や東京アプリを通じて保護者の方に「くりらぼ」の紹介動画やイベント情報などを広く周知するとともに、身近な場所での体験拠点を求める利用者の声に応え、多摩地域で出張版の「くりらぼベース」を行う予定
○ また、子供たちをサポートするメンターが一人一人に寄り添い、様々な創作体験への参加や、より高度なプログラムへの挑戦を促すことで、成長に向けた学びの継続やステップアップにつなげていく
「くりらぼ」の取組が着実に発展していることが分かりました。
答弁にあった「AIとキャリアに出会う女子中学生対象ワークショップ」は、大変盛況であったと聞いている。15歳を対象にした最新の国際学習到達度調査(PISA)では、日本の女子は数学・科学の成績がOECDの中でも世界トップクラスであることが示されている。一方で、経済協力開発機構(OECD)が2023年に公表した「Education at a Glance」によれば、大学などの高等教育機関で自然科学・数学・統計学分野を専攻する女性の割合は、加盟国の中で日本が最も低い。
こうした状況を踏まえると、理系分野の楽しさやキャリアの可能性を伝える「くりらぼ」の取組は、女子中学生にとって大きな意義があると考える。来年度はより多くの女子中学生が参加できるよう、広報の強化をお願いしたい。
また、私たちの求めを受け、都の担当者が他自治体の先進事例を調査した結果、より高度なプログラムへの挑戦を促すことが、成長や学びの継続につながることが確認され、答弁において、来年度の取組に反映されることを確認した。将来的には「くりらぼ」が、地域の特性や参加者の年代に応じて、デジタルを学びたい子供たちが身近な場所で学べる区市町村の事業として、都内に広く展開されることを期待する。
オープンローミング対応WiFi
都はオープンローミング対応WiFiを以前から整備しているが、これまでの進捗について伺う。
A(つながる東京整備担当部長答弁)
〇 都は令和5年度に策定した「つながる東京展開方針」に基づき、災害時やインバウンドへの対応における通信多重化のため、安全で利便性の高いオープンローミングに対応した、誰でも無料で利用できる公衆WiFiの整備を推進
〇 今年度末までに、都有施設については、公園や美術館等約1,100箇所へWiFiを設置し、多くの利用者が訪れる施設への整備を概ね完了
〇 区市町村施設については、庁舎や観光案内所等約200箇所でWiFiの整備を支援
〇 さらに、今年度より公衆電話ボックスへのWiFi整備を山手線内の駅周辺等から開始し、現在約300箇所で整備を推進
来年度予算では、公衆電話ボックスへの設置をさらに700箇所追加し、合計1,000箇所に拡大すると聞いている。設置箇所が増えれば利便性が高まることは理解するが、一方で、どの程度整備すれば十分と言えるのかという視点も欠かせないと考える。
WiFiの整備・運用に当たっては、ユーザーからの意見を踏まえた事業展開が重要だと考えるが、都の見解を伺う。
A(つながる東京整備担当部長答弁)
〇 都は、都民への利用者向けアンケートを実施し、事業の改善に活用している。利用者からの意見としては、「WiFiの利用可能な場所が不明」、「WiFiの速度が遅い」等の声がある
〇 そこで今年度、東京都のWiFiを設置していることを表示するステッカーを刷新して視認性を向上するとともに、地名から設置場所を検索できるようホームページのマップ等をリニューアル
〇 また、通信速度等の計測調査を実施し、WiFiがつながりにくい場所の機器点検や調整を行うなど対応
〇 今後とも、利用者の意見も踏まえながら、安全で利便性の高いオープンローミング対応WiFiを更に展開
都のWi-Fi設置箇所がステッカーで確認できるようすることは、平時から目に触れることで非常時の利用にもつながる、良い取り組みであると評価する。
一方で、Wi-Fi設置場所を示すデジタルマップは都のホームページで公開するとのことだが、都民が日常的に利用しているオンライン地図サービス上で検索できるようにすることが、ユーザー目線ではより重要であると考える。利便性を高めるためにも、こうした連携の検討を求めたい。
また、利用者の声として「場所が分からない」「速度が遅い」といった指摘が紹介されたが、そもそもどの程度の整備量が適切なのかを判断するためには、東京の無料Wi-Fiに関する認知率、利用状況、ニーズなどを把握する必要がある。そのため、無作為抽出による利用実態調査など、客観的なデータに基づく整備目標について検討を進めるべきであると考える。検討を要望する。
東京データプラットフォーム(TDPF)
今月初めに、TDPFのケーススタディ事業の成果発表となる第5回コミュニティイベントが開催された。TDPFは、都が掲げる「データを活用した都市経営」を具体化する場であり、これまでのケーススタディ事業からは、都が直面する課題に対して即応性の高い成果も生まれていると考える。そこで
TDPFで生まれた優れたプロジェクトについて、実証で終わらせず、より都民が実感できるサービスとして実装することが大事だと考えるが、見解を伺う。
A(データ利活用担当部長)
○ 東京データプラットフォームは、官民の様々なデータを活用し、新たなサービスを創出していくため、令和6年1月に設立。現在、官民約8万件のデータを集積し、会員数は約390者
〇 データを活用した新しいサービスの創出に向けて、今年度は、人口データ等から廃棄物量を予測し、災害時に交通を阻害しない収集ルートの設定と廃棄場所の周知を図るアプリの開発や、車載カメラ映像や事故危険度等のデータをAIで分析し、道路修繕の優先順位を提示する取組など、都市課題の解決に向けた広域的な展開が期待されるプロジェクトを創出
〇 来年度は、こうしたプロジェクトの社会実装を伴走支援していくとともに、ケーススタディ事業を「データ駆動型サービス創出事業」に改め、社会実装の可能性や想定される利用者数などを重視してプロジェクトを選定
○ 多種多様な官民の会員の拡充、新たなデータの集積を推進するとともに、会員間のマッチングや社会実装に向けた伴走支援を強化し、都民が実感できる新たなサービスの創出を目指す
TDPFは、データ駆動型社会に向けた重要な取り組みであり、開始から5年が経過した今、事例の創出にとどまらず、都民が実際に使えるサービスとして形にしていくことが求められている。来年度からは、社会実装に向けた取り組みを強化するとの答弁は重要な一歩であると考える。
答弁にあった、「人口データ等から廃棄物量を予測し、災害時に交通を阻害しない収集ルートの設定と廃棄場所の周知を図るアプリ」は、電気通信大学が開発した「AIごみナビ」であり、既に32自治体で導入が予定されるなど完成度が高い。都内でも、大規模災害発生後には大量の災害ごみが発生することが予想され、効率的な収集体制の確保は都にとっても不可欠である。TDPFの成果として、総務局防災部など関係部局に共有し、都内での活用を前向きに検討すべきである。
また、来年度からのプロジェクトの推進にあたっては、都政課題の解決につながるテーマを具体的に募集するなど、社会実装を見据えた工夫を重ねながら進めて行ってもらいたい。今後の展開に期待する。
デジタルツイン実現プロジェクト
現実世界を仮想空間に再現し、分析することで、将来の予測や最適な意思決定に役立てる「デジタルツイン」は、昨年6月に国が策定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」においても、平時・発災時・発災後のあらゆる段階で迅速に情報を把握し、連携・活用するための基盤として位置付けられている。私たちもこれまで、特に災害対策の精度を高められる可能性がある点を指摘をしてきた。そこで
都デジタルツインの防災分野での活用状況と成果について伺う。
A(データ利活用担当部長)
〇 東京都デジタルツインは、ハザードマップや避難施設、雨量や水位にかかるリアルタイム情報など、防災に関するデータを掲載するとともに、防災対策にも有効な点群データについて、今年度、新たに小笠原諸島を整備し、都内全域にかかる点群データを公開
〇 今年度は、都職員が自ら機器を活用して点群データを取得し、利活用するための支援を行い、貯水池の護岸工事に必要な地形データの取得や、被災状況把握の効率化に向けた岸壁・防波堤のデータ取得など、各局の防災施策の高度化を支援
〇 今後は、デジタルツインの点群データから作成した3D模型を活用し、防災関連の地理空間データを投影し、防災意識の向上を図るなど、防災面におけるデジタルツインの一層の活用を推進
答弁のとおり、点群データを活用した防災施策の高度化や、都民の防災意識向上に向けた取組が進んでいることが確認できた。
一方で、都内全域を25cmメッシュで点群データとして取得するには●億円を要したと聞いている。また、取得から時間がたつにつれ、開発や地殻変動などにより実際の状況と乖離し、最新の都市を正確に反映したデジタルツインではなくなってしまう、という課題もある。
海外では、デジタルツインを都市経営に積極的に活用している。
シンガポールの「バーチャルシンガポール」では、災害対策だけでなく都市計画にも活用されている。韓国では、デジタルツインを建築申請・確認審査のプラットフォームとして活用する取り組みが進んでいる。
都市計画や、建築申請とデジタルツインを連携させれば、常に最新の都市モデルを維持することが可能になる。そこで
都は、デジタルツインのデータ更新にどう対応していくか、見解を伺う。
A(データ利活用担当部長答弁)
○ 東京都デジタルツインには、点群データをはじめ、防災や、交通、環境など、様々な分野に関する地理空間データを千件以上掲載
〇 データの更新は、定期的に行うとともに、一部については、提供元データの更新に連動してデジタルツイン側も更新されるAPI連携を活用し、効率的なデータの更新を実施
〇 来年度もさらに、更新頻度が高く、リアルタイム性が求められるデータを中心にAPI連携を拡充するなど、データの適切な更新を推進
更新可能な部分については、API連携などを通じて適切に更新していくとの答弁を確認した。先ほど述べたように、都市計画や建築申請のプラットフォームと連携すれば、より陣族で正確なデータ更新につながると考える。諸外国の取組も参考にしながら、常に鮮度の高い都市データを維持するための仕組みづくりを進めていただきたい。
次に、デジタルツインの活用拡大について伺う。今後、スマートシティの基盤としてデジタルツインを広く活用していくためには、官民を含む多様な主体に都のデジタルツインを知ってもらい、広く活用されることが重要である。そこで
都デジタルツインの認知度向上に向けた取組について伺う。
A(データ利活用担当部長答弁)
〇 東京都デジタルツインの認知度を高めるため、今年度は、アジア最大級のデジタルに関する国際展示会であるCEATECなど3つの大規模イベントに初めて出展し、積極的なPRを行い、地理空間データに関する民間企業を中心に合計で約1,700人がブースに来場
〇 都庁内において、「デジタル技術体験会」への出展や、デジタルツインに関する説明会を5回開催するとともに、「Tokyo区市町村DX Connect Day」にも出展するなど、都や区市町村の職員がデジタルツインに触れる機会を拡大
〇 来年度は、西新宿で行うスマートシティフェスタをはじめ、「SusHi Tech Tokyo 2026」への出展など、各局とも連携し、PRを促進するとともに、掲載する地理空間データやユースケースを充実させ、積極的にSNS等で発信していくことで、都民に対してもデジタルツインの認知度向上を推進
CEATECやSusHi Tech Tokyoなど、様々な機会を活用してPRをしていることが確認できた。
スペイン・バルセロナでは、夏の酷暑対策として、「Cool Walks」アプリとを通じ、日陰を優先的に通るルートを案内するサービスが提供されている。都民と都市の課題解決に向けてデジタルツインがより広く活用されることを期待する。
ベンダーロックイン対策
自治体の情報システムにおいては、特定の事業者への依存、いわゆるベンダーロックインが課題とされている。ベンダーロックインになると、事業者間の競争が働かないため、委託費の高騰などが懸念される。そこで、
ベンダーロックインをできる限り起こさないため、システム開発において競争性を確保すべきと考えるが、都として今後どのように対応していくのか、見解を伺う。
A(DX協働事業部長)
○ デジタルサービス局では、システムの企画から契約までの各段階において、適切な競争環境の確保に向け各局を支援
○ まず、企画や要件定義の段階においては、システムアセスメントを通じて、複数の事業者が対応可能な内容となっているか、仕様書等に対する事業者への意見聴取が適切に行われているか、といった点を確認し、検討が十分でない場合には改善を求めている
○ また、契約段階においても、所管局との事前協議を通じて、企画・要件定義段階で指摘した事項が改善されているかを確認するとともに、製品や機能が不必要に限定されていないかなどを審査
○ さらに、契約時の仕様書においても、ソースコードなど納入物に係る著作権の全部を都に移転することとしている
○ こうした取組を通じて、可能な限り競争性の確保に努めていく
著作権の全部を都に移転するとの答弁があったが、システムのソースコードを都が保有することは、極めて重要である。
その理由の一つ目は、システムの開発や運用において、ソースコードをベンダーが保有したままでは、改修や機能追加を特定のベンダーにしか依頼できず、結果としてベンダーロックインに陥りやすいことがある。
そして理由の二つ目は、都がソースコードを保有していれば、都が示した仕様書どおりに開発された業務アプリケーションについて、法的に問題なく、都内の他自治体や他県にも提供できるという点がある。これは、自治体間で同種のシステムを個別に開発する「二重開発」や、同じ機能に対する重複投資を防ぐうえで非常に有効である。都が先行して開発したシステムを共有できれば、都内自治体全体の、さらには国内自治体全体のデジタル化の底上げにもつながる。
ただし、都がソースコードの著作権を持っていたとしても、その内容が把握できなければ、見積りの妥当性を判断できず、対等な協議を行うことも難しくなる。加えて、ベンダーロックインを回避するためには、元の開発ベンダーが、後続のベンダーに十分な引継が行われる必要もある。
これらがスムーズに行われるように、都は、ベンダーが設計書を作成するにあたって前提となる事項や、運用事業者の変更に当り十分な引継業務を行うこと等を、仕様書に記載していると聞く。
私からは、競争性の確保と二重開発の解消のため、今後、この仕様書を「システム開発方法論」に基づいた、開発段階別の設計書のフォーマットにするとともに、ベンダーにはこれに準拠することを徹底すること、さらには、運用事業者の変更に当たって引継を行うことを回避しないことを要望する。
これらを徹底することで、どのベンダーでも開発したシステムの中身がわかるとともに、システムの改修などができ、競争性を確保するとともに二重開発を解消できると考える。よろしくお願いします。
本橋ひろたか議員

標準化後の近未来窓口DXモデル創出事業
「標準化後の近未来窓口DXモデル創出事業」において、20ある基幹業務システムは国において標準化されたものの、それぞれのシステムについては、いまだに各自治体が個別に事業者との契約・調整を行っており、こうした負担は標準化後も残ると思われる。
単なる標準化に止まらず、システムの共同化まで進めることで、はじめて区市町村職員の負担が大きく軽減され、職員の手取り時間の増加につながるといえる。
システムの共同化も見据えた、本事業の今後の展開について、都の見解を伺う。
A(区市町村DX協働担当部長)
○ 国の「地方公共団体情報システム標準化基本方針」では、基幹業務システムの「所有から利用」を掲げ、標準化により、各自治体がシステムを整備・管理する負担を軽減し、地域の実情に即した企画立案業務等、自治体職員が本来行うべき業務に注力できるようにすることを目指している
○ 一方、現状においては、各自治体が個別に標準化システムの構築を発注・契約し、利用していることから、必ずしも自治体職員の負担軽減につながっていない
○ こうした課題も踏まえ、本事業では、まずは標準化後のシステムを活用した新たな窓口DXモデルを構築し、横展開による都内での共同利用も見据えるとともに、そのノウハウを国とも共有し、必要な働きかけを行っていく
各自治体がそれぞれ開発した、複数の基幹業務システムと連携した、共通の窓口DXモデルを都として構築することで、共同化を目指すと理解。
先の、駒崎委員からのベンダーロックインへの対策に関する質疑でも述べられたように、窓口DXの開発において、都としてソースコードを保有するとともに、共同化に向けた積極的な活用と、複数ベンダーの参入機会の確保を進めることで、自治体間の二重開発防止と競争性の確保を図ることを改めて要望する。


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