10/19の午後は、決算特別委員会でオリンピック・パラリンピック準備局の令和元年度決算に関する質疑に立ちました。
冒頭では、東京2020大会の原点が「復興オリンピック・パラリンピック」であることを確認しました。続いて、東京2020大会に関する取り組みを、大会開催時に加え、災害対策として役立てる（大会レガシーにする）という視点で質疑に臨みました。以下、要旨を紹介します。
輸送準備について
Q 大会開催期間中の混雑解消にむけ、都は輸送業者等に、事前の情報提供や協力のお願いをしているが、私は以前より、混雑解消には、リアルタイムの交通規制や渋滞情報の提供が有効であると訴えてきた。従来の、JATICやVICSを通じた、カーナビ等への情報提供に加え、民間のマップアプリを通じた情報提供も行うべきと考えている。リアルタイム情報提供を拡充するべきと考えるが、都の見解を伺う。
A リアルタイムの混雑状況や交通規制は、道路交通情報センター等が提供している。大会時にもラジオやホームページ、カーナビ、アプリなど様々な媒体に、きめ細かく配信できるよう、組織委員会と連携し、民間企業の協力もいただきながら、情報提供に努めていく。
○今後とも、大会時の交通対策に幅広くご協力いただけるよう、適切な情報提供に努めていく。
民間企業との連携を明確に答弁いただきました！
都は、東日本大震災で、多くの人が徒歩等により一斉に帰宅を試みたために、緊急車両の通行に支障が生じたという教訓を踏まえ、大災害時には、その場にとどまる「一斉帰宅抑制」というルールを設けています。道路に危険がないことが確認された方面から順次、帰宅を許可するのですが、どの道路が安全かは、地図で示したほうがわかりやすいです。また、災害種別（水害、震災）により、使える一時避難場所や避難所が異なったり、コロナ禍で収容可能人数が制限され、受け入れ施設が満員になりやすかったり・・・いずれも、事前の情報提供だけは不十分であり、リアルタイムの、これも地図を介した情報提供が必要です。
オリパラ開催時に、民間地図アプリを通じたリアルタイムの情報提供に取り組むこと自体が、災害時の情報提供に生きる（大会レガシーになる）と確信します！
オリンピック施設のWi-Fi整備と災害時利用可能性
Q 首都直下地震発生時には、都内に517万人の帰宅困難者が発生、うち92万人は、職場や学校など滞在場所がないことが予想されるなかで、今後、大会施設が、一時滞在施設として使えるよう、主管局である総務局と連携して取り組みを進めていただきたい旨、要望してきた。そのためには、食糧等の災害備蓄等に加え、Wi-Fiや蓄電池などの設備も必要になる。東京スタジアムをはじめオリンピック施設のWi-Fi整備と災害時利用可能性について伺う。
A 令和元年度は、東京スタジアム、東京体育館の２施設において、観客向け無料Wi-Fiを整備。東京２０２０大会に向けて、競技会場となるその他の都有スポーツ施設にもWi-Fiを整備することとしている。こうした都有施設に整備したWi-Fiは、大会後も利用可能であり、災害時においても各施設に避難された方々が無料で利用できる。
東京2020大会の競技会場になる都有スポーツ施設が、災害時に活用できるよう、取り組んでいただけています！
大会競技施設のライトアップ
Qライトアップに使われるライトは、LEDが主流となり、環境負荷も少なく、積極的に活用すべき。東京2020大会の競技会場をライトアップすることは大変効果が高い。都が所有する大会競技施設のライトアップについて、昨年度の取り組みとその評価を伺う。
A 都は、大会の気運醸成を図るとともに、東京の夜間景観の魅力を発信するため、国や区市、民間事業者等と連携して、大会期間中に主要施設のライトアップに取り組むこととし、昨年８月に、具体的なライトアップ施設や期間、時間等について提示。大会競技施設については、大会を象徴する６施設（東京体育館、東京国際フォーラム、武蔵野の森総合スポーツプラザ、東京スタジアム、有明アリーナ、東京アクアティクスセンター）を選定、本年6月までに全施設にライトアップの設置が完了、７月及び８月のライトアップは、国内外のメディアで広く報道。
１年の延期とコロナ対策でただでさえコストアップするなかで、大会簡素化によるコストダウンも求められています。大会競技施設のライトアップの活用を簡素化の取組みの一つとして積極的にPRし、例えば、ビルの照明の工夫で大会エンブレムの市松模様を表現するなど、機運醸成に都民も参画してもらうことで、大会への共感を高めるとともに、スポーツそのものを楽しむという原点に戻るのもいいのではないか、と述べました。
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