各会計決算特別委員会第2分科会の質疑(生活文化局)

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10/21の午後は、決算特別委員会で生活文化局の令和元年度決算に関する質疑に立ちました。

動画(1:39:45-)

私立学校①ICT教育環境整備の支援の継続

公立小中学校には今年度中に1人1台環境が整備される予定ですが、私学についても一人一台環境が整うまで現在の1/2補助を継続することを求め、「今後も、国の動向やデジタル化の進展状況を踏まえるとともに、学校現場の意見を聴きながら、私立学校におけるICT教育環境の整備に取り組んでいく。」との答弁を得ました。

私立学校②教員海外派遣研修事業費補助

私立中学校、高等学校において、自校の教員を、一定の要件を満たした海外研修に派遣した場合に、学校に対してその経費の一部を補助する事業ですが、執行率が、平成29年度6.5%、平成30年度13%、令和元年度13%と低く推移しています。「引き続き学校現場の意見を聞きながら、学校が使いやすい事業となるよう取り組んでいく。」ことを確認しましたが、私学の先生方が、海外の先進的な取り組みを学びたいという姿勢は大切だと思いつつも、執行率が低いという状況をを踏まえ、私学側の主体的な取り組みを踏まえた事業設計と予算の見直しを含めた検討を要望しました。

私立学校③安全対策促進事業費補助

都内の私立学校の耐震化には、2020年に100%という成果指標がありますが、現時点の、都内の私立学校の耐震化状況(※)を確認、幼稚園、高等学校、特別支援学校は今年度中の達成が難しいことがわかりました。

※ 幼稚園94.6%、小学校100%、中学校99.6%、高等学校96.3%、特別支援学校90.9%(令和2年4月1日現在)

そのような中で昨年度の不用額が生じたことを課題ととらえ、補助の交付以外の対策を求めました。「未耐震の校舎等を有する私立学校に対し耐震化計画の作成を求めていること」を確認しましたが、災害が起きたときに、被害を受けるのは児童生徒です。事情があるとしても、その事情も含めて、耐震化できていない事実を、通学している、または進学を検討している児童生徒、保護者には告知するなどの検討を要望しました。

町会・自治会支援

「地域の底力発展助成事業」、そして「地域の課題プロボノプロジェクト」などの取り組みは評価するものの、加入率減少、高齢化という課題により向き合うべきと、これまで継続して質問にとりあげてきました。

Q 世田谷区の町会で、特に若い世代の住民に防災関連の行事参加し、町会に関心を持ってもらうことを目指し、町会の防災活動を分かりやすく伝えるパンフレットを制作
葛飾区の町会で、今まで一部の役員しかわからなかったイベントの進め方をマニュアル化したり、会長業務の棚卸しを行い業務の一覧表を作成
などの事例はあるものの、例えば世田谷の事例であれば、パンフレットを作成したことで、若い世代の住民の防災関連への行事参加につながったのか。葛飾区の事例では、業務の一覧表を作ったことで、より多くの住民が会の運営に関わるようになったのか、など、アウトカムに関する記載がない。今後、事例を紹介するにあたっては、アウトカムの視点が必要と考えるが、見解を伺う。

A プロジェクトの実行により町会・自治会の目標がどの程度達成されたか、その結果を示していくことは、本事業の効果を伝えるためにも重要。今後は、これに加え、他の参加団体からも効果についてヒアリングを行い、HPなどで広く周知していく。

「今後は(新たに)」効果に関するヒアリングに新しく取り組むという前向き答弁でした!今後、アウトカムの視点で整理、持続性のある町会・自治会に必要な「要件」や、そこに至る「プロセス」を明らかにするなどの検討を要望しました。

公衆浴場支援

現在、自家風呂保有率は100%近くになっていますが、都は、物価統制令(昭和21年3月勅令第118号)により入浴料金が統制されている公衆浴場に対して、支援を継続しています。そして、今年度までの3か年の時限事業として「公衆浴場活性化支援実証事業」を実施、地域住民の交流の場、そして見守り機能、文化的価値など、入浴機会の提供だけでない価値の創出に取り組んでいますが、「料金を払っても銭湯に行きたい!」と思わせる付加価値を生み出さなければ、自立的、持続的経営は難しいと考えます。

Q 「公衆浴場活性化支援実証事業」の令和元年度の成果として、専門家を派遣を受け、店先に季節感のある装飾を施し、その写真がSNSに投稿されたことなどにより、平均で7%利用者が増加した事例があったとのことだが、その7%の利用者の増加は、浴場経営の改善につながるものなのか、都の見解を伺う。

A 利用者の増加は、入浴料金収入の増加はもとより、タオルの貸出料や飲み物、オリジナルグッズなどの売上にもつながっていくことから、浴場の収入増に寄与するものである。今後も、地域や設備の特性にあった経営努力を行うことにより、さらなる利用者増につなげていくことで、浴場の経営改善が図られるものと考えている。

本来は、持続的、自立的な経営のためには、何パーセントの利用者増加が必要、という目標値があってはじめて、7%という数値に意味があるかどうかが分かると考えます。私は都議会議員として当初からEBPM(データに基づく政策立案)の重要性を訴えてきました。今後も公衆浴場を行政的なお金でもって支援するのであれば、必ず、アウトカムの視点で評価をすることを要望しました。

「都響」を都民の財産に

会派としては、文化都市東京の実現を推進、コロナ禍においても文化芸術の灯を絶やさない取り組みとして、業界関係者への支援を速やかに要請、「アートにエールを!」プロジェクトの実現につなげてきた。

一方、前回大会のレガシーとして設立された、東京都交響楽団(都響)ですが、都内に様々な民間のオーケストラがあるなかで、都は唯一、都響に対してのみ、毎年10億円超の補助金を支出していますが、 定期演奏会等における質の高い音楽活動から都民に身近な場所での演奏まで、幅広く活動しています。

【社会的意義のある活動】子供向け音楽鑑賞教室を51回、福祉施設や病院、多摩・島しょ地域等での小規模演奏会を94回、そのうち、岩手県などの被災地での演奏活動も計11回開催。
【音楽の裾野を広げる取組】平成30年度から始めたサラダ音楽祭では、0歳の赤ちゃんから入場できるコンサートや、歌・ダンス・作曲のワークショップ、街中のミニコンサートなどを実施、令和元年度には延べ36, 000人を超える方々が参加、来場者アンケートによれば、都響の演奏会に来たのが「初めて」という方が約52 % と過半数。

Q 首都東京の名を冠するオーケストラとして、ベルリンフィルやウィーンフィル等のように、その演奏を聴くために海外から観光客を呼び寄せたり、海外から公演に招かれたりするレベル、もしくはそれを目指していただきたい。肝心の演奏に対する評価をネットで調べたところ、高評価がなされている一方で、想定外に良かったなど、その価値が伝わっていないという記載も散見された。サラダ音楽祭等では、音楽への敷居を下げるためにも、都響のメンバーはTシャツを着て演奏するなどしている。多くの人が都響の音楽に触れるのはいいが、その演奏レベルを正しくわかっていただけているのか若干不安がある。裾野を広げると同時に、より多くの都民から「都民の財産」であると認識され、誇りに感じてもらう工夫が必要だと考えるが、都の見解を伺う。

A都響の演奏は、国内外のクラッシックファンからも高い評価、その演奏技術は国内有数のレベルと認識。2 0 1 5年にはウィーンやアムステルダム等で海外ツアーを実施、新型コロナ感染症の影響で中止になってしまったが、今年度はイギリス・エディンバラ音楽祭の公演に招待されていた。今後とも、多くの都民に都響の質の高い活動を紹介し、我が街のオーケストラとして都響を誇りに思っていただけるように取り組んでいく。

「今後とも」というのは、これまでにも説明したように、今まで通り取り組む、という意味です。しかしながら担当者からは、「初めてオーケストラの演奏に触れた人は、その演奏が世界的レベルだとはわからないのではないか」という私の意見に、新たな視点が得られたと言っていただけました。

ちなみに、コロナ禍にある都民の皆様に向けた演奏「春休みの贈り物」をこちらで鑑賞することができます。是非ご覧ください!

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