総務委員会~総務局①「2020年に向けた実行プラン」実施状況レビューの意義

福島りえこ 都議会議員 ブログ

10/7は総務委員会が開催されました。

私の質疑対象の一つ目は、「2020年に向けた実行プラン」事業実施状況レビューです。都民に向けて取り組み状況をお伝えすることが目的なはずなのに、独りよがりといっても良い内容になっていることを指摘、改善を求めました。

残念ながら答弁は全く前向きではありません。レビューを作成するにも、人もコストもかかっています。レビューの作成が目的化している印象です。デジタルブックにするタイミングで、より分かりやすく改めるとともに、都民とのコミュニケーション改善のため、私の質疑を通じて令和2年度より導入が始まった、アクセス解析の活用などを求めました。

事業実施状況レビューの対象と目的

Q1 今回、PDCAが常態化したことは良いが、対象は誰で、どんな目的のために作成しているのか(どのような変化を期待しているのか)

A1 事業実施状況レビューは、「2020年に向けた実行プラン」で掲げた事業の成果や課題を客観的に把握・検証し、その結果、今後の政策展開につなげていくというPDCAサイクルの一環として実施。
 政策目標や年次計画の進捗状況を都民の皆様に「見える化」して提示

レビューの分かりやすさ

レビューに書かれた政策目標や進捗状況だが、

例えば、P9に記載されている「橋梁の予防保全型管理」には、2016年度末の累計66橋着手に対して、2020年度末で累計121橋着手、55橋着手増加、とあるが、これだけでは数字の意味がわからない。建設局が今年3月に作成した「橋梁予防保全計画」によれば、都が管理する橋梁1221橋のうち、「架け替え時に多額の費用と周辺への多大な影響が予想される橋梁」が121橋とのこと。この情報に都民はたどり着けるのだろうか。

P20の「木造住宅密集地域(整備地域内)の不燃化」の目標値として、不燃領域率70%が掲げられている。都市整備局が平成9年に作成した「木造住宅密集地域整備プログラム」によれば、不燃領域率70%は、延焼による消失がほぼゼロとなる数字、とのこと。

P27の「防犯ボランティア登録団体数」も、目標値として、累計900団体となっている。計画策定時の登録団体の2倍とのことだが、これが十分なのかどうか、そして、各団体に何名が所属しているかもわからない。

Q2 「見える化」とは、都政の取り組みを都民に伝え、そしてご意見いただき、都政に反映するための取り組みであると思うが、数字が示されていても、その意味がわからなければ、伝わらない。レビューは都民に都政をわかっていただく、コミュニケーションのために作成しているという目的を鑑みて、読めばわかる内容にするべき

A2 目標の数値が意味するところについては、実行プランや「政策の強化」の中でお示ししてきたところ。例えば、木造密集地域の不燃化における「不燃領域率」については、実行プランの中で、不燃領域率が70%を超えると、市街地の焼失率がほぼ0となることを紹介している。引き続き、「未来の東京」戦略のPDCAサイクルの運用においても、目標や進捗状況を分かりやすく示すよう努めていく。

「2020年に向けた実行プラン」で紹介しているという答弁だが、「実施状況レビュー」を見ただけではわからないのは事実。

実績と目標値の関係

P15の「国際金融・経済都市へ」の取り組みにおいて、「都による外国企業と都内企業の引き合わせ件数」が1,217社となっているが、数字の意味がわからないだけでなく、契約締結に至った数や、その経済効果が知りたい。

P45の、「理数研究ラボで理数への興味・関心が向上した受講生徒」は、2020年度実績が100%になっているが、これは、受講直後の評価であり、進路選択への影響など長期的な評価ではない。

同じくP45の、「「TOKYO GLOBAL GATEWAY」の利用による児童・生徒の英語学習の意欲向上」の、利用者の93%という数字も、施設利用直後の評価であり、英検の取得率や、進路選択など、これも長期的な評価ではない。

P50の、「プラスチックごみの3Rの更なる推進」は、目標値が「プラスチックの持続可能な利用に向けた施策の実施」に、食品ロスについては、目標値が、「食品ロス削減・東京方式」の確立」であり、これはそもそも目標値といえるのか。「未来の東京戦略」では、2030年までに、廃プラ2017年度比40%削減、食品ロス2000年比半減を掲げたことを評価、ただし数字の意味を説明することは必要。

Q3 計画やレビューを取りまとめる政策企画局は、PDCAのP、計画の段階で、目標値や、実績の評価方法が、適切かどうかを、アドバイスするべき。

A3 実行プランは、東京2020大会の成功とその先の東京の未来の道筋を示す観点から4か年の実施計画として策定したもの。政策目標については、その実現に向けて、いつまでにどの水準まで到達すべきかについて局と議論を重ね、目標年次とともに掲げている。

議論を重ねたことと、都民がわかるかどうかは別問題。

電子化

以上のように、読んでもわからない部分について、私は、今回、「実施状況レビュー」について質疑をするにあたり、計画である「都民ファーストで作る「新しい東京」」や「2020年に向けた実行プラン」、レビューと同時に発表された政策目標実績一覧表年次計画実績一覧表、それらに掲載されていないものについては、「東京都」と「事業名」でインターネット検索をして、数字の根拠となる説明を探した。

ハイパーリンクを活用すれば、数字の意味を説明したサイトに飛ばすことができる。ところが、「実施状況レビュー」は、紙をそのまま電子化したために、QRコードが掲載されてしまっている。他のデバイスで撮影してアクセスせよ、というのだろうか。

Q4 今後、戦略やレビューなど、都民とのコミュニケーションを目的とした資料の電子化にあたっては、都民とのコミュニケーションの強化に資するよう、改めて設計するべき

A4 「未来の東京」戦略のデジタルブックでは、検索機能や付箋機能に加え、クリックすることでアクションプラン一覧に遷移する機能など、見ていただく方に便利な仕組みを導入。今後におけるPDCAの運用においても、より都民に関心を持っていただけるよう、BIツールなどのデジタルツールを活用し、様々なデータを「見える化」して取組状況や成果を分かりやすくお示しするよう工夫。

ご答弁のあった「クリックすることでアクションプラン一覧に遷移する機能」だが、戦略の最後のページの欄外に設けられており、かつ、デザインが独自で、リンクであることがわかりにくい。ハイパーリンクは文字の下に下線というのが共通ルールである。それにリンク先に記載されていることは、書ききれなかった事業の追加であり、もともとの記載の理解を補助する内容でもない。

電子ブックには、アクセス解析を導入することもできる。これができれば、どこをよく読まれたかがわかり、都民が必要としている情報がわかるなど、コミュニケーションの改善につながる。電子化のタイミングを活用して都民とのコミュニケーション向上に努めることを求める。

実行プランで明らかとなった課題への取組

先ほども、取り上げた木造住宅密集地域(整備地域内)の不燃化は、進捗が不十分。

「東京・横浜」は、スイスの再保険会社スイス・リーによる「自然災害リスクの高い都市ランキング(2013年)」の「世界で最も脆弱な都市」ランキングで、世界616都市中1位。

この他にも、都内エネルギー消費量や、都内温室効果ガス排出量、幹線道路ネットワークの形成(区部環状・放射道路、多摩南北・東西道路)なども、進捗が滞っている。

目の前の仕事や年度での進捗に追われがちな局では難しい、各国や他道府県の先行・良好事例の調査や専門家との意見交換を行い、局に最新かつ有効な政策につながる情報をインプットするなど、後押しするべき。

Q5 実行プランで明らかとなった課題について、「未来の東京戦略」でどのように取り組むのか。

A5 「未来の東京」戦略においては、実行プランの取組の中で生じた課題も踏まえて、具体的な施策を盛り込んでいる。例えば木造密集地域の不燃化については、実行プランにおいて、生活再建支援などを実施することで、2019年度時点で整備地域全体の63.6%まで取組を進めてきた。一方で、権利者との折衝において課題も生じていた。「未来の東京」戦略では、この課題を引き継ぎ、無接道敷地などでの建替え検討を支援する施策を拡充させることで、不燃化を更に推進していくこととしている。

進捗管理したからこそ見えた課題に、とりまとめ、俯瞰した立場からみられる政策企画局ならではの情報収集と提案に継続して取り組んでいただきたい。

応変

数値目標がなく、実績と目標との関係が不明確な事例としてあげた、P50の、「プラスチックごみの3Rの更なる推進」や、「2030年度までに食品ロス半減を達成するための「食品ロス削減・東京方式」の確立」については、「未来の東京戦略」では、2030年までに、廃プラ2017年度比40%削減、食品ロス2000年比半減を掲げたことを評価。ただし、コロナ禍でいずれも大幅に増えている。この状況をとらえた事業計画になっているか。

P23の、豪雨・土砂災害対策も、降雨強度50mm/h対応を進めてきたが、「今後の下水道浸水対策のあり方検討委員会」でも報告されたように、50mm/h以上、75mm/h以上も年に数回発生するようになってきている。

P40の「企業(従業員30人以上)におけるテレワーク導入」は、既に、導入率だけでなく、利用状況も計測しないといけないことが明らかなのに、「未来の東京戦略」でも、相変わらず導入率のみを指標にしている。

Q6 数値であればいいわけではない。目標や施策について、社会環境の変化を踏まえた大胆な再設定は、目標達成に取り組む現場では難しい。俯瞰できる政策企画局から働きかける必要ある。

A6 例えば、実行プランにおけるテレワークの取組については、「テレワークが当たり前になる社会」の実現に向けて、まずはその第一歩として、2017年度に従業員30人以上の企業でわずか6.8%であった導入率を、2020年度までに35%まで引き上げることを目標に掲げて取り組んできた。サテライトオフィス設置への補助などを進めてきた結果、テレワーク導入率は、2019年度は25.1%に達し、コロナ禍において2020年度は57.8%まで上昇。「未来の東京」戦略においては、「テレワーク東京ルール実践企業宣言」への参加などを目標に、重層的にテレワークの定着を図ることとしている。引き続き、時代や状況の変化に弾力的に対応して、目指すべき未来の東京の実現に向かって、政策企画局と事業局が社会の変化で明らかとなった課題も踏まえながら取組を進めていく。

答弁内容は、世の中の変化を受けた目標の再設定にはなっていない

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