令和3年 事務事業質疑~総務局① 災害発生時の一斉帰宅抑制策 他

都議会議員,福島りえこ,世田谷区ブログ
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11/18は、総務局に対する事務事業質疑がありました。

コロナ禍で長時間労働が懸念される都職員の働き方については、テレワークが恒常化する中で隠れ残業の注意喚起をしました。

社会保険労務士による指定管理者の労働条件の調査については、その結果を他の指定管理者にも共有することで効果を上げていることを確認しました。

災害発生時の一斉帰宅抑制策については、制度の認知が十分でないなか、自転車利用者への周知徹底と、テレワーク従事者の災害時の役割の啓発を求めました。

会派の働きかけて創設された、基礎自治体の庁舎の非常用電源導入支援事業については利用が順調に伸びており、都下の災害対応力向上に寄与していることを確認しました。

都職員のライフワークバランス

昨年度から新型コロナウイルス感染症対策が本格化するなかで、知事部局等における都職員の長時間労働面接対象者(※)の延べ人数は、令和元年までは3,000人強で推移していたのが、令和2年度は5,875人に増加、なかでも福祉保健局、産業労働局、総務局で多かった。知事部局等の都職員は約2万6,000人のうち、一定程度が長時間労働面接の対象となっている。

※ 労働安全衛生法の改正により、平成31年4月から、1月当たり80時間を超える超過勤務があり、かつ、疲労の蓄積が認められる者に対して、申出がある場合に、医師による面接指導をすることとなったが、都ではこの法定基準に加え、1月当たりの超過勤務時間が100時間以上の職員、又は2か月間ないし6か月間の超過勤務時間が1月平均80時間を超えた職員などの一定基準を超える職員について、申出不要で面接を実施

災害級ともいわれるコロナ禍が2年近く続くなか、引き続き、長時間労働に該当する職員に対する丁寧な対応と、一部の人に負担が偏らないよう適切な人員配置を要望するとともに、超過勤務の多い職員に対するメンタルケアが重要と考える。

Q1 都が行っているストレスチェックの具体的な内容と、高ストレス者の状況と対応について伺う。

A1 知事部局等においては、平成28年度から毎年ストレスチェックを実施、局、部、課単位で組織別分析を行い、結果を職場と職員のそれぞれ提供。職場環境の改善と、職員自らのストレスへの気付きとセルフケアを促し、職員のメンタルヘルス不調を未然に防止。毎年一定数が高ストレス者と判定されているが、対象者には医師の面接指導の申出の勧奨や相談窓口を案内、希望者全員に対して、医師による面接指導や精神保健相談員による相談を実施。

未然防止の取り組みは重要。現在、希望者全員が面接もしくは相談を受けられていることを確認。

Q2 都においては、感染拡大防止の観点から人流抑制に寄与するため、テレワークを徹底してきたとのことだが、テレワークの実施率を伺う。また、テレワーク時の超過勤務についてはどのような取扱いとなっているか。所属長は、職員のテレワーク時の超過勤務をどのように把握しているのか。

A2 実施状況については、本年1月から、感染症対策に従事する職員等を除く本庁職員について、対象期間の1日平均の実施率を都ホームページで公表。1月から9月の実施率平均は約7割。テレワーク時においても、所属長がテレワークを実施する職員に対して、あらかじめ超過勤務を命じることで、正規の勤務時間終了後も引き続き業務を実施することが可能。東京都職員在宅勤務型テレワーク実施要綱において、職員は管理監督職員に、勤務開始時に業務開始と実施予定の業務を、勤務終了時に業務終了と実施した業務内容の報告を定め、超過勤務を含めた勤務状況を把握。

テレワークは時間と場所を選ばずに働くことができる一方で、オンとオフのメリハリが付きにくくなったり、申告した残業時間よりも長く働く、申告せずに業務時間外に働くなど、いわゆる「隠れ残業」が生じやすくなるともいわれている。規定ではテレワークにおける勤務時間は自己申告とのことだが、パソコンのログインとログオフの時刻を取得し、勤怠管理システムに入力された勤務記録との間に大幅なズレがある場合は、上司にアラートが飛ぶなど、システムで隠れ残業を防ぐ取り組みもある。適切な運用に努めていただきたい。

都議会議員,福島りえこ,世田谷区

指定管理者の労働環境確保

平成15年9月の地方自治法改正により導入された「指定管理者制度」に基づき、都は「公の施設」の管理を、広く民間の団体に行わせることで、住民のニーズに応えると同時に経費の節減等を図っている。この、

Q3 指定管理者の労働環境確保の取組及びこれまでの実績について伺う。

A3 各都立施設の設置条例において関係法令の遵守を義務付けており、指定管理者の選定や評価の際は外部の専門家を含む委員会により、労働環境を含め審査を実施。現場実態をより詳細に把握するなどの観点から、平成29年度以降は社会保険労務士を活用し、指定管理者の労働条件に関する調査を実施。法令改正状況などを踏まえ、令和元年度からは社会保険労務士を講師とする労務管理講習会を実施し、すべての指定管理者に対し知識習得の機会を提供。

取り組みを拡充していることを確認。

Q4 これまでの成果を踏まえた今後の取組の方向性について伺う。

A4 調査結果は、指定管理者及び所管局へフィードバックし改善につなげている。今後は、指定管理者において発生しがちな問題点の共有など、労働環境確保のための取組を継続

社労士による調査で得られた結果の他指定管理者への展開は、特に労基法の改定に対応をするにあたり、喜ばれていると聞いている。引き続き、指定管理者の労働環境改善に資する取り組みをしていただきたい。

都議会議員,福島りえこ,世田谷区

災害時の一斉帰宅抑制方針

先日都は、10年ぶりに、首都直下地震の被害想定を見直すことを公表した。

1期目より課題だと考えているのが、「一斉帰宅抑制対策」の周知徹底。「帰宅困難者は「帰れない」のではなく、「社会全体のために帰らない」という機運を醸成」する、とのことだが、東京都と「東京の防災力向上のための連携協力に関する協定」を締結する東京商工会議所の2020年3月時点の調査によれば、東京都帰宅困難者対策条例の努力義務の認知度は42.0%にとどまり、従業員規模が小さいほど認知度は低いとのこと。一方で、勤務先で災害にあった際に家族のもとに一刻も早く駆け付けたいと考えるのは自然。加えて、コロナ禍で、通勤に自転車を利用する方が増えたことで、自力で帰れる、帰りたいと考える人は、より増えることが予想される

実際に、10/7の夜に起きた震度5の地震について、10/28の報道では以下のように説明がある。

・最大手のシェアサイクル事業者によると、地震発生後から翌朝5時までの利用回数は前日比165%に達し、千代田区や港区など都心部での利用が急増、その多くが江東区や大田区など住宅地で返却
・関東近郊の別のシェアサイクル事業者によれば、地震発生直後に都心から郊外(住宅街)への利用が目立ち、利用回数は23時~25時に通常時の約3倍となった
・日本シェアサイクル協会によれば、東京23区に配備されているシェアサイクルは、2021年6月現在、およそ1万6400台に上り、今回の地震でシェアサイクルが帰宅困難時に利用されたというSNSや報道が影響し、週末の新規会員登録数が平時の2倍以上となった

Q5 自転車通勤やシェアサイクルが増えているなかで、帰宅困難者対策における自転車の扱いについて、見解を伺う。

A5 多くの帰宅困難者による混雑の発生や余震等の二次被害を防止する観点から、発災時にはまず安全な場所で留まることが重要であり、自転車での帰宅の場合も同様。大規模地震等の発生時には、安全確保の観点から、引き続き、自転車利用も含めた一斉帰宅の抑制を促していく

自転車利用者も一斉帰宅抑制の対象に含まれることを、一層丁寧に周知いただくことを要望する。

一斉帰宅抑制のルールを知っていると同時に、居住地域に残る家族と離れていても、安心して任せられるコミュニティがあることも重要である。

Q6 一斉帰宅抑制の実効性を高める取組について伺う。

A6 発災時に帰宅困難者に安心して会社などの安全な場所に留まってもらうため、「東京都帰宅困難者対策ハンドブック」などにより、災害用伝言ダイヤルやSNSなど、災害発生時の家族との安否の確認方法について広く普及啓発。また、地域全体で防災力を上げていくため、地域の実情に応じた対策を学ぶ「東京防災学習セミナー」や、災害から子供を守るための防災知識や備えについて学ぶ「パパママ東京ぼうさい出前教室」などを実施。引き続きこうした取組を通じ、発災時の一斉帰宅抑制の実効性強化を図っていく。

加えて、コロナ禍もありテレワークが普及しつつある。発災時に在宅勤務をしている人は、職場ではなく地域での活動の担い手になる。今後は、職場から、在宅ワーク時に発災した際の行動についても働きかけることも必要かもしれない。検討を要望する。


令和元年の台風19号の際には、区内の多摩川流域の避難所が次々に定員に達するなかで、新たに開設される避難所についての発信が役立ったというお声を多くいただいた。その経験から、今年度、都が実用化に取り組んでいる「帰宅困難者対策オペレーションシステム」(※)は重要であると考える。

※ 携帯電話の位置情報などを用いて、帰宅困難者の滞留状況や一時滞在施設の受け入れ状況を迅速に把握するための新たなシステム

とはいえ、地図に紐づいた情報提供は、既に普及している民間の地図アプリで入手できるようにすることが、広く都民に届けるために効果的である。東京2020大会時に伴う交通規制に関する情報も、都HPや従来の、JATICやVICSを通じたカーナビ等への情報提供に加え、民間の地図アプリでも取得できるようにしていただいた

Q7 東京防災アプリや都HP等、独自の媒体による情報提供に加え、都民が日常的に使う地図アプリで情報が入手できるよう、APIを介した情報提供が重要と考えるが、現在の検討状況を伺う。

A7 システムの構築に当たっては、他の機関とのデータ共有や情報提供が可能となるよう、現在、委託事業者による実証実験等を行っており、デジタル技術の活用やスケジュール等に関してとりまとめる予定。今後、お話のAPIを介した情報連携等も含め、新システムの検討を進めることで、帰宅困難者の安全確保に努めていく

前向き答弁です

都議会議員,福島りえこ,世田谷区

基礎自治体の庁舎の非常用電源

災害発生時にハブとなる区市町村の電源が72時間維持されることは重要。我が会派の働きかけにより都は平成30年度に、非常用電源の導入を補助することを決定。

Q7 その後の事業の利用状況を伺う。

A7 都は、停電時においても区市町村の災害対応が円滑に行えるよう、平成30年度から、非常用発電機の整備等に対する補助を開始し、庁舎の非常用電源の確保を支援。この事業は、これまでに16団体が利用しており、庁舎における3日分の非常用電源の確保や電源室の浸水対策等に取組む。また、現場の実情を踏まえた非常用電源の整備・改修方法や、稼働時間の延長に向けた対応などを提案する専門家派遣も実施しており、これまでに32団体が活用

専門家を派遣する取り組みとともに、都内の災害対応力向上に、確実に寄与できていることを確認した。では、

Q8 これまでの決算の推移と今後の見込みについて伺う。

A8 本事業の決算額は、平成30年度が約900万円、令和元年度が約98,00万円、令和2年度が約1億4000万円今年度の予算は、6億3,000万円であり、現在、昨年度までに専門家派遣を行った区市町村を中心に、補助事業の活用に向けた働きかけを実施。

利用が進んでいること、加えて、今後の予算も確保されていることを確認。私も策定に関わった非常用電源確保の補助事業が利用され、そして、都下の災害対応力向上につながっていることを嬉しく思います。

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