「令和4年度各会計決算特別委員会」第3分科会④~都市整備局(2)地域公共交通関係

福島りえこ,世田谷区,都民ファーストの会,都議会議員ブログ

都政報告会での議論も踏まえ、地域公共交通の決算の質疑では、「東京における地域公共交通の基本方針」を策定してはいるものの、例えば都内のバス路線の路線や本数も把握していないなど、現状と目標のいずれについても、数値管理がなされていないことが課題であることを指摘しました。

また、昨年度、燃料価格高騰を受け、事業者からの強い要望もあり実現した「東京都運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業」の執行率49.6%にとどまったのは、中小零細事業者が申請のために必要な書類を取得する手間がかったことが理由であることを明らかにし、デジタル化の重要性を改めて述べました。

地域公共交通の取組について

私は、都民ファーストの政治の実現に向けた一つの取り組みとして、都議会議員になって以降、半年に一度のペースで社会課題をテーマに「都政報告会」を開催、専門家を招き都民を交えて議論をする場を設けてきました。

先に取り上げたグリーンフラの推進も、令和元年に開催した第5回都政報告会で得た知見に基づき、都への働きかけを続けてきました。

そして、本年9月には12回目となる都政報告会を開催しましたが、地域活動の場で、「バスの本数が減った」、「路線そのものがなくなった」、「代わりにタクシーに乗ろうとしても捕まえられない」、といった区民の皆様からの声を多くいただくようになったことを踏まえて、「地域公共交通」をテーマに設定しました。ここでの最大の学びは以下の通りです。

欧米の主要都市の公共交通の事業収入は、その多くが50%前後で、他は税金で賄われていること。
公共交通の役割は、移動手段の確保にとどまらず、環境問題や渋滞の解消など広範囲にわたり、このため、行政は組織横断チームを設けて交通計画を策定し、組織横断チームを運営するためのマニュアルまで整備されていること。
・その結果、道路建設より公共交通に投資されていること。

Q1 公共交通は移動手段としての役割だけでなく、あらゆる都市活動の基盤となり、都市の活力の源泉ともなるものであり、渋滞解消、CO2削減、都民の健康増進など他の分野にも波及効果をもたらすものであることも踏まえ、東京の地域公共交通の充実に取組むべきと考えるが、都はこれまでに、どのように取り組んでいるのか伺う。

A1(地域公共交通担当部長)
「東京における地域公共交通の基本方針」に基づき、交通政策のみならず、まちづくりや環境政策も含む多様な政策分野の取組との連携を図りながら、区市町村への技術的、財政的支援により、地域公共交通の充実に取組

答弁にあった 「東京における地域公共交通の基本方針」ですが、役割分担や方向性は書かれているものの、数値目標はほぼありません。

なぜなら、都は、拠点同士を結ぶ広域的に重要な路線である、幹線系統の確保・維持に関しては責任を持つとしていますが、生活交通やラストワンマイル移動の確保・維持・改善・充実については、基礎自治体の役割としており、結果、例えば都内のバス路線の路線や本数も把握していなません。これでは数値管理は難しいと考えます。

先に示した役割分担に従い、都は基礎自治体に対して間接的な支援を行っています。

Q2 交通不便地域などにおいて、区市町村が実施する地域の特性に応じた移動手段の確保策について、都の支援策と令和4年度の活用状況について伺う。

A2(地域公共交通担当部長)
・都は、これまでのコミュニティバスへの支援に加え、令和4年度から、地域公共交通計画の策定、デマンド交通の導入、路線の見直しに関する費用を新たに補助対象とするなど、区市町村の地域公共交通の取組に対する支援を拡充
令和4年度は、19自治体に約1億1600万円を補助

わが会派は、都内のバスの運行状況の把握のため、かねてよりバス情報の収集を求めてきました。「持続可能な地域公共交通実現に向けた支援」を受ける場合には、標準的なバス情報フォーマットである「GTFS-JP」によるデータ提供を義務付けたとのことで、都内のバスの路線も本数も把握していない都の現状を踏まえると、数値管理に向けては一歩前進です。

なかでも「①地域公共交通計画の策定」については、都民の移動手段の確保のみならず、渋滞解消、CO2削減など様々な地域の交通の課題解決に向けて関係者が議論し、数値目標を設けて、その達成に向けた取組を記載する、とのことで、重要な取り組みです。

Q3 令和4年度の「地域公共交通計画策定費」の補助の実績と、令和4年度末時点で「地域公共交通計画」を策定した区市町村はいくつあるか伺う。

A3(地域公共交通担当部長)
・令和4年度から新たに始めた「地域公共交通計画策定費」の補助については、8自治体に対し、計約1800万円を交付
・地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく「地域公共交通計画」については、令和4年度末時点で、のべ11自治体で策定

先の都政報告会の話に戻りますが、ヨーロッパの都市では、車の削減の数値目標を立てて、公共交通や徒歩自転車の交通分担率の目標を定め、運行本数、運賃などのサービスレベルを規定し、公共交通や、徒歩や自転車の道路環境整備の財源を手当てする、という順番で議論を進めているとのことです。

地域公共交通計画を策定した杉並区では、CO2排出量に関する目標値を定めるなどしていますが、交通はネットワークとして機能すること、さらには欧米の事例も踏まえると、数値目標については、隣接県とも連携したうえでの都からのトップダウンが不可欠であり、今後の取り組みを要望しました。

福島りえこ,世田谷区,都民ファーストの会,都議会議員

東京都運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業について

ウクライナ危機に起因する燃料価格高騰を受けて、都は補正予算で表題の事業を実現しました。ところが、

Q1 令和4年度の運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業について、執行率が49.6%にとどまっているが、どのように捉えているのか、見解を伺う。

A1(都市基盤部長)
・バス事業者からの申請率は高かった一方、営業用軽貨物を担う個人事業者からの申請が伸びなかった。

Q2 個人事業者からの申請が十分に伸びなかったとのことだが、どういう要因があったのか、伺う。

A2(都市基盤部長)
・支給要件確認のため、車検証のほか、貨物運送事業の認可もしくは届出書、中小企業の証明書など公的書類の提出を依頼
手元に書類がない場合等、提出に手間。個人事業主の場合、業務に従事する時間との兼ね合いで、申請に結びつかなかった

個人事業主の場合、支給額は8,000円だったそうです。

公的書類がない場合は、これに代わる証明書を東京運輸支局に発行する必要がありますが、申請書面はダウンロードできるものの、提出と受け取りには品川にある運輸支局まで行かなければならず、結果、申請を諦めていると考えられる、とのことでした。

燃料価格高騰の影響を同じように受けるなかで、中小零細がこれを諦めざるを得ない状況は望ましくなく、デジタル化は、このような弱い立場におかれた皆様を助けるための取り組みであることを改めて認識させられる事象であると思います。本執行状況を添えて、国に対して行政手続きの早期のデジタル化を求めることを要望しました。

BRT整備事業について

人口増加が続く勝どき、晴海エリアにとって、バス高速輸送システム(BRT)は重要な交通手段です。

Q BRT整備事業の執行率が、57.9%と低い原因と対策について伺う。


・ BRT整備事業の執行率は、新橋駅前交差点改良工事において施工規模を縮小できたことや、日常的な維持管理費用が想定よりも少なかったことによる

事業の進捗に影響はないことを確認しました。

昨年11月に都は、東京駅から有明をつなぐ「臨海地下鉄(仮称)」の事業計画案を発表したものの、開業を目指す2040年までは、BRTが担う役割は大きいと考えます。24年春からは、東京五輪の選手村として建設されたマンション群「晴海フラッグ」に約1万2000人が順次移り住む予定であり、利用実態に合わせた増強を求めました。

ホームドア整備について

視覚障碍者の皆様を筆頭に、誰にとっても安全安心な街づくりに向けて、ホームドアの整備を求める声は大変大きいものがあり、私も質疑を通じてう導入を推進してきました。

都は私たちの提案を受け、平成30年に利用者10万人未満の駅にも補助を拡大、先の第3回定例会のわが会派の代表質問に対し、「鉄道事業者に対し、整備計画の前倒しに加え、新たに駅ごとの進捗状況の明示を求めるなど、ホームドアの早期整備を働きかける」との答弁を得たところです。しかしながら、

Q1 ホームドア整備を含む鉄道駅総合バリアフリー推進事業について、執行率が77.5%であるが、執行率が下がった主な原因について伺う。

A1(地域公共交通担当部長)
・ 鉄道事業者によるホームドア整備において、半導体不足により製品調達に遅れが生じ、施工時期が変更となった

世界的な半導体不足が原因であることを確認しました。

Q2 ホームドアを整備する上で、半導体不足による製品の調達の遅れなどの問題があることは聞いているが、こうした工事の遅れにどのように対応したのか伺う。

A2(地域公共交通担当部長)
・ 駅のバリアフリー化の推進には、鉄道事業者の積極的な取組が不可欠
・ 令和4年度は、半導体不足により4駅で工事着手を見合わせた
・ 工事着手の見通しがつき、令和5年度予算に必要な補助金額を計上

4年度の夏の時点で、着手を見合わせた件については鉄道事業者と協議調整を行い5年度に工事着工することを鉄道事業者と確認したうえで、5年度の予算要求を行ったとのことで、遅れを取り戻すための取り組みが行われたことを確認しました。

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