第9回都政報告会「新しい日常におけるコミュニティ活性化」④パネルディスカッション

福島りえこ,都議選,世田谷区,都民ファーストの会,都議会議員ブログ

に続き、限られた時間ではありましたが、保坂世田谷区長からは世田谷区の、荒木ちはる都議会議員からは東京都の具体的な取り組みの紹介が、特定非営利活動法人ワーカーズコープ東京中央事業本部本部長の尾添様からは「協働労働」の可能性を中心にお話いただけました。

「自分たちのことは、自分たちで決める」~協同労働という働き方~

冒頭は、協働労働の法制化において中心的役割を担った、「特定非営利活動法人ワーカーズコープ」の東京中央事業本部本部長で理事の尾添良師様より、法律制定に至る経緯に加え、働き方の特徴として、①出資、②意見反映、③事業従事(労働)を基本原理とし、企業ともNPO法人とも異なること、既に世田谷区でも、生活介護事業(すまいる梅丘ほほえみ経堂にこにこ宮坂)や「若者サポートステーション」の運営委託を受けるとともに、、生活介護事業の利用者の父母とともに、グループホーム立ち上げに向けて取り組んでいることなどをご紹介されました。

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Q.コミュニティの活性化を行政が支援できるのか

本都政報告会に先立ち、地域イベントを計画・実行している皆様と意見交換を重ねてきましたが、「支援を受けようとすると活動に制約がある」、「アドバイザーを名乗る人はほぼ、補助金申請のやり方を知っている人」、「仕組みを作っても使う人はいつも同じ」、「結局は、想いのある人がいるかどうか」などのご意見を頂いてきました。そこで最初のテーマは、「コミュニティの活性化を行政が支援できるのか」です。

【保坂区長】(講演で紹介したように)街づくりセンターの福祉相談窓口では、高齢者のワクチン接種申し込みを手伝った。孤立するご家庭には、行政の支援が必要になる。

【尾添様】「協働労働」を選択することで、株式会社やNPO法人とは違って、活動の持続性が高まる。

Q.新しい人に活動を広げるために必要なこと

活動を広げるにあたり、活動の内容の説明や日程調整など事務作業が負担になることから、どうしても役割が固定化すること、そして、短時間で誰でもできる仕事など、敷居の低い仕事があると参加しやすい、という意見を頂いてきました。参加者の皆様にも、「新しい人に活動を広げるために必要なこと」を伺いました。

【保坂区長】週末に「ようがみらいかいぎ」に参加、防災について商店街が中心で議論。40歳以下の参加が多い。秘訣は、年配者・経験者が若者に対して胸襟を開くこと。なぜなら、実際に発災したら動けるのは若い人。行政サービスでは担いきれない。

買い物同行支援は介護保険の財政圧迫で見直し対象になっているが、継続してほしいの声あり。そのような時こそ「協働労働」。元気な住民が主体となり有償ボランティアとして、28拠点を軸に活動する。まさに住民自治。下北沢では京王線の高架下の再開発でも、住民主体で鉄道会社も参加して、商業施設の在り方について100回以上WSを行った。

【荒木都議】行政の資源にも限りがある。「自助・共助・公助」の「共助」の支援のために、「地域の底力発展事業助成」があり、お餅つきや防災に使われてきた。ただし、申請が難しいなどのハードルがあるといわれており、これを下げるのも都民ファーストの会東京都議団の仕事キャラバン隊が説明に行くとともに、申請書の書き方など教える寄り添い方支援も実施している。

ワーカーズコープも、自分たちが社会の一員であり、よりよくするために一緒にやっていくという、受け身じゃないところが大切。この都政報告会にも、皆様は自発的に来てくれている。強制参加か興味あるかで全然違う。

【尾添様】世田谷区の障害者グループホームは、保護者と一緒に立ち上げようとしている。都民が主体的にやるのが大事。

Q.「協働労働」もいいことばかりではない?

尾添様からは、事前打ち合わせで、協働労働もいいことばかりではない、ということも話したい、とおっしゃっていただいていました。

【尾添様】なんでも話し合って決めることに取り組んでいる。民主主義や議会は多数決かもしれないが、私たちは話し合いで決める。対立したときにもとことんまで話すことで、AかBじゃなくて、CやXが生まれたり、今はやめて次回に回そう、となる。とにかく愚直に。決めるのではなく折り合いが大事。妥協でもなく、それがいい。そこにいていい。実際は簡単ではないし、「協働労働」の仕組みが合う・合わないはあるが、悩んだ時に上司が決めるんじゃなくてみんなで決めることが大切。そして、Bが選ばれなかったとしても、話し合いを通じて生まれたCやXには、もっと寄与しよう、頑張れるにつながる。協働労働はウェットな仕組み。東京都でも広げられることを嬉しく思う。

Q.新しい人に活動を広げるには?

町会・自治会も加入率低迷が課題。主体的に動く・火がついている人はいいが、呼びかけをしても来ない・火がついていない人を、どう地域活動に巻き込んでいけばいいのか、についてもご意見いただきました。

現状の地域活動は、一部の人が取り組んでいることもあり、一人あたりの負荷が高い状況になっています。いきなり同じレベルの活動量を求められると敷居が高いため、例えば、一日で終わる花壇の植え込み作業などあれば参加しやすい、という例も紹介されています。

【保坂区長】小池都知事も縦割りの解消に取り組んでいると聞いている。ワーカーズコープは引きこもり支援も行っているが、引きこもりの当事者や家族の相談を受ける窓口は、法律に従うと、若者の相談窓口「メルクマールせたがや」は39歳までだったが、生活困窮者自立相談支援センター「ぷらっとホーム世田谷」と三軒茶屋で一体的に運営することとした。法律では分かれていても対象となる人は一緒。

また、国の枠組みでは「若者サポートステーション」の役割は就労支援だが、発達障害の場合、すぐにフルタイム就労は難しいので、短時間就労など中間的就労を提供している。例えば、人手を要する収穫時の短期雇用など。敷居の低い活動を用意することが大切。

【荒木都議】東京都も縦割り解消に取り組んでいる。ワンストップ化。

【尾添様】豊島区の事例「こみっとプレイス」は、世田谷在住の、働きたくても働けずにいた若者が中心になって立ち上げた。相談件数を増やすといった数字を追うのではく、その人の潜在能力を信じて、「できるよね」と声掛けして実現につなげた。

に続く。

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