同僚の白戸議員に、私が負い続けている以下の問題に関する質疑を行ってもらいました。
高校段階一人1台端末の仕様について
今年から、高等学校で文系理系問わず「情報I」が必修となりましたが、これを受けて昨年教育庁は、都立入学が決まったご家庭が一人一台の端末を購入するためのサイトや相談窓口の設置、そして端末の供給までを含めた、「令和4年度東京都立高等学校、東京都立特別支援学校高等部等の入学生に向けた端末購入支援業務委託」事業を行いました。
しかしながら、ここで示された端末への要求仕様は、事前に行われた仕様検討委員会が求めたそれを上回る内容であり、結果的に単一機種を指定していることが報道等でも問題になりました。
再発防止に向けて我が会派は、令和5年度の事業設計においては、デジタルサービス局の支援も受けつつ、機種数を限定することのない適切な要求仕様に改めるよう、求めてきました。
Q 今年度の「端末購入支援業務委託」事業において、どのように見直したかを確認するとともに、事業の進捗状況を伺う。
A
○都教委は、令和5年度都立学校入学生等に対する端末の仕様について、外部有識者を含む技術審査委員会において検討を行ってきた。
○検討に当たっては、令和4年度入学生の端末の活用状況等も把握するとともに、デジタルサービス局の支援も受け、仕様が複数の端末を提案できる内容であることを確認している。
○今後は、総合評価方式による入札手続きを行い、端末の調達等を行える事業者を決定し、新入生等の端末購入をサポートできるよう準備をしていく。
複数の端末を提案できる内容に改めたことは評価します。しかしながら、3つのカテゴリのそれぞれについて、提案できる機種数を2機種以下にするという縛りが設けられています。
サイトから購入できる機種の数が増えると1機種あたりの供給量が減少し、発注増に伴う価格抑制効果が効きにくい、というのがその理由である、と聞いていますが、端末の販売価格を抑えるのは入札者側の努力であり、教育庁が縛る必要はありません。公平公正な競争が行われるよう、条件は最低限にとどめることを改めて要望しました。
高校の情報科目の充実に向けた取組について
教科「情報」に関して、質問を続けます。
東京、そして日本の浮上にDXは不可欠であり、連日、高度IT人材の不足が新聞等を賑わせています。都内公立学校における情報教育の充実は、都の責務です。
今年、「情報Ⅰ」を設置した都立高校は、来年以降に「情報Ⅱ」を設置することができます。「情報II」は情報を使って価値を生み出す側の人材育成を目指すものであり、我が会派は、「情報I」の学びを充実させることで生徒の興味・関心を高め「情報Ⅱ」の履修希望者を増やすことや、「情報II」を履修するなどした意欲ある生徒を都立大学の入試で評価することなどを求め、いずれも前向きな答弁をいただいてきています。
Q 都立高校の「情報Ⅰ」の充実に向けて、都教育委員会の今年度の取組について伺う。
A
○都教育委員会は、「情報Ⅰ」の充実に向けて、教員向け指導力向上研修とともに、デジタル補助教材の導入や「情報Ⅰ」への専門家派遣等の取組を行っている。
○デジタル補助教材は、プログラミング等を繰り返し学習できる教材で、生徒がその楽しさを実感できるよう授業で活用している。
○「情報Ⅰ」への専門家派遣の授業では、情報技術を理解できるよう、IT企業の専門家による講義と実習を実施している。
○生徒からは「デジタルが社会課題の解決に大いにつながっていくと感じた。実際に人の流れの予測モデルを活用してみたいと思った。」との声が挙がっている。今後は、授業を全都立高校に動画配信する予定である。
生徒自らが楽しさを実感したり、意欲が持てる取り組みができていることを確認しました。
今後、「情報II」を教えるにあたっては、担当する教師により一層高い専門性が求められます。研修を充実させるとともに、専門家の活用を求めます。
また、興味関心を持った生徒がより学べる場として、これまでも求めてきた、プログラミング関連の部活動の充実も、改めて要望しました。
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