非正規雇用のテレワーク利用推進
都は、東京2020大会開催期間中の渋滞解消を機会ととらえ、中小企業へのテレワークシステムの導入に着手しました。コロナ禍において、ある意味強制的にテレワークを体験した結果、ライフワークバランスの改善に資することはじめ、より多くの人が働くためのインフラとしての有用性が広く認識されるに至りました。定着すれば、過密が問題になっている公共交通網への負担も減らすことができます。
私は都政、そして都議会議員の役割は、今起きている課題に対処して元に戻すだけでなく、これからの東京のあるべき姿を描き、そこに向けた取組を着実に進めることだと考えています。その意味では、テレワーク導入は先見性のある取り組みであり、高く評価しています。
しかしながら、定着には引き続き丁寧に対応し取り組む必要があります。既に都は、「テレワーク東京ルール」の普及推進などにも着手しました。
Q そこで、都が実施した、「テレワーク導入実態調査」において、テレワークを導入しない理由はどのような回答が多いのか、また、都が実施する導入支援は。
A テレワーク導入実態調査によれば、テレワークを導入しない主な理由は
「テレワークに適した仕事がない」 86.9%
「顧客等外部対応に支障があるから」 20.5%
「情報漏洩が心配だから」 17.6%
となっている。また、テレワークの導入に取り組む中小企業に対して、
テレワークで実施する業務の洗い出しなどの業務改善
ICTに精通した専門家を派遣するコンサルティング
テレワーク推進センターにおいて、情報セキュリティ等の問題などに対し、広く企業の相談に対応
テレワーク導入にあたっての課題を把握し、丁寧に対応していることを確認しました。
現状、働くにあたって、地理的、時間的制約を受けることが多いのは圧倒的に女性です。その女性が7割を占める非正規雇用者がテレワークできていないという課題について一般質問でとりあげ、非正規雇用の方々のテレワーク利用の促進に向け、施策の充実を図ることを確認させていただいています。
Q 先ほどの「テレワーク導入実態調査」等において、本当に多様な人の活躍につながっているか、非正規雇用の利用状況やテレワーク勤務ができない理由などを調査した上で、こうした課題の解消につながるよう、好事例を発信すべき。
A 都は、テレワークに関する実態調査の中で、導入率や導入効果などを調査しているが、今後は、非正規雇用の方のテレワーク実施状況等についても把握し、効果的な事例の発信ができるよう検討。
非正規雇用の実態調査に「今後(新たに)」取り組むとの前向き答弁です!非正規雇用の方がテレワークできない理由を踏まえた、具体的な対応策の発信を要望しました。
Q テレワーク等働き方の変化に伴う費用(例えば家庭の通信・執務環境の整備やテレワークの継続に伴う通信費など)が、特にシングルマザーなど貧困家庭の新たな負担とならないよう取り組むべき。
A テレワークなど在宅勤務に係る通信費や情報通信機器などの費用については、あらかじめ労使で十分に話し合い、就業規則などに定めておくことが原則的な取り扱いであり、都は、こうした対応について、テレワークセミナー等で周知・啓発していく
組合がない中小企業もあることから、特に経営者に丁寧に伝えることを要望しました。
テレワーク関連事業の見直し
Q 「TOKYOテレワークアプリ」は、テレワーク導入促進に向けて開発、そのダウンロード数は10,000件と聞いていますが、なぜ都庁HPやSNS、APIによる提供ではなく、アプリにしたのか。また、ダウンロード後の活用状況は。
A 都は、都民による事業提案制度や実態調査での行政への要望を踏まえ、スマートフォンからでも、導入事例や助成金等の支援など、テレワークに関する様々な情報を一元的かつ、容易に入手できるよう、「TOKYOテレワークアプリ」を開発。また、アプリの多様な機能のうち、現在地から近くのサテライトオフィスを検索できる機能やテレワーク勤務の際に活用できる勤怠管理ソフトのほか、セミナー等の支援情報の通知機能などが、多くの方々が利用。
約70%近くのユーザーがインストール後数日には使わなくなる、という報告もあります。情報の更新などアプリの維持にも費用がかかります。民間地図アプリで「サテライトオフィス」で検索もできるなど、新しい日常におけるテレワークの普及状況を踏まえ、アプリの継続率なども確認しながら、継続の要否を判断いただくことを要望しました。
また、区部と比べて民間のサテライトオフィスが少ない多摩地域において、サテライトオフィスを体験する機会を働く方々に提供し、そのメリットを実感していただくための「TOKYOテレワーク・モデルオフィス事業」も、制度設計していた時点に比べてテレワークが普及し、民間のサテライトオフィス設置の動きもでてきています。普及拡大ではなく、テレワークの定着に向けた、効果的な事業へのブラッシュアップを要望しました。
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