第12回都政報告会「地域公共交通の課題と今後」③数字で考えるコロナ後のバス・電車のあり方

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最後に専門家としてお招きした、(株)トラフィックブレイン 太田恒平代表取締役に、「数字で考えるコロナ後のバス・電車のあり方」と題してご講演いただきました。

・私鉄は88.4%、バスは85.5%利用者が回復している。
・バスは出社/帰宅時間と日中で利用者数が大きくことなるから黒字化が難しい。成城→二子玉川であれば、走らせるのに3,900円かかるため、18人乗らないと回収できない。
・4週6休(普通は8休)やバスを車庫に戻す時間など含めた13時間拘束、5年目で年収500万円など運転手の待遇に課題。
・海外では公共交通の事業収入は3-7割で、他は税金で賄っている。
・公共交通の役割は、移動手段確保以外にも環境問題や渋滞解消など広範囲にわたり、組織横断チームで計画を策定し、推進のためのマニュアルもある。結果、道路建設より公共交通に投資されている。

・都であれば、区跨ぎ、隣接県との連携などもある。

貴重な発表資料を共有いただきました!

人口密度が高いという条件に恵まれていた都内では、公共交通のなかでもバスは、(シルバーパス事業等で年間200億円弱の行政的資金の注入はしてきているものの、基本的は)民間企業として黒字経営を目指してきたものの、海外では、公共交通の収支については単独での黒字化を求めず、都市づくりの一要素として公共交通をとらえている、と学べたことは大変良かったです。

質疑応答では、私からは、公共交通を検討するための組織横断チームについて質問したところ、マニュアルもあるとのことでした。会場からは「バスより自転車利用を促すべきではないか」という質問があり、「自転車についても例えば駐車場料金など、独立採算にしなくてもよい」との見解を示していただきました。

最後は、堂薗課長と同じく「地域が公共交通の在り方について問題意識を持つのが大切」と締めくくられました。

アンケート結果より

参加者の皆様にはアンケートをお願いしています。今回のテーマについて以下のようなご意見をいただきました。

・補助26号線が昨年10月に開通したが、今後、新宿まででバスを運行する計画があるのか教えてほしい。
・地方での公共交通空白地域の問題が取り上げられる中、都市部でも注視していくべきテーマであり、非常に興味深かった。
東京都が幹線路線のデータを取得していないことには驚きました。取り組みにはまずデータの収集・分析が必要なので、しっかりやってほしい。
環境問題もあるので、行政が積極的にかかわる事業だと感じました。税金もたくさん費やしていると感じました。
・世田谷区だけでなく都も国も巻き込んでいくのがベターである。
一日一本でもバスが通れば「交通不便地域」ではないという事には考えさせられました。
・総合的な取り組みが期待されます。ビックデータの利用、行政の努力を、住民の生活保障プランを。
・興味深く伺いました。区/都/民間を交えてのセッションの形式が斬新で、これからもこのような形式での開催をお願いします。
・暮らしをよくするためには行政任せではなく、住民からのアプローチが重要であることを理解しました。行政/住民がうまくかみあい機能できるようになる体制が必要ということですね。
・どうして拘束時間が長くて(運転手の)なり手があるのか。13時間は酷い。
道路を広げるのではなく公共交通を充実した方が良い。
ドライバー不足への対応をどうするか。労働人口減少はすべてのテーマに関係する。
・学校に行くときにバスに乗るのですが、本数が少なくて本当に困っていたため、詳しい人の話が聞けて良かった。
・公共交通を基礎自治体が考える上で必要な視点、考え方が学べるよい機会になった。国、都道府県、そして基礎自治体とがそれぞれの役割を連携しながら果たしていくことの重要性が理解できた。特に基礎自治体の役目は重要。
・鉄道の駅と路線バスとの連動性及びバスの路線(ルート)の利便性と合理性を小学生や老人でも理解可能なより噛み砕いたアプローチが、より良い提案になったのでは…という印象を持ちました。

最後に

都議会議員になって6年間、毎週の朝街頭や毎月の都政相談会、定例会ごとのレポートの発行・送付、半年に一度の都政報告会を続けてきました。特に都政報告会は後援会メンバーのご支援なくては開催できない活動です。無償でお手伝いしてくださる皆さまには感謝しかありません!

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