「令和5年度都議会第3定例会」代表質問

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9/25は、各会派の代表質問がありました。前進答弁があった質問を中心に紹介します!

東京グリーンビズ

令和元年に開催した都政報告会から、継続して会派内、そして東京都に対して「グリーンインフラ」を推進する意義を伝えてきました。今は会派メンバーが一丸となって「グリーンインフラ」の推進に向けて取り組んでいます。

 グリーンインフラの導入に向けては、以下の施策が有効です。

都有施設における率先的な導入
・(一言に東京都と言っても地域性があること、さらには、複数の局が連携して取り組むための)高台や低地、区部、多摩、島しょなど、エリアごとのモデル事業
都民への啓発や、造園や土木建築などの分野における人材育成
・民間の大規模開発での導入に向けたガイドライン策定や認証制度などの枠組みの設置

Q.「東京グリーンビズ」のもと、グリーンインフラについて議論を進め、今後、都市づくりにおいて積極的に導入していくべきですが、知事の見解を伺います。

A. 区市町村や民間事業者による導入も促進するなど、取組の輪を拡大し、緑あふれる持続可能な東京を創り上げていく。

第2定例会では、グリーンインフラについて、民間の導入も促していくという答弁がありました。今回は区市町村による導入も促進することが新たに答弁されました。

母校の都立高等での講演によるスタートアップのすそ野拡大

8月に行ったスタートアップ等からのヒアリングで、多く企業から、起業家を増やすためには高校生への起業家教育が重要である、との提案を受けました。

Q.スタートアップや起業をキャリアの選択肢として身近に感じてもらうため、卒業生のスタートアップ起業家が母校の高校等で講演し交流するなど、学生が起業を身近に感じる機会を設けていくべきですが、見解を伺います。

A. 将来の進路や就職を意識する前の高校生等へのアプローチとして、起業家が母校に出向いて自らの体験を語り、チャレンジすることの大切さや面白さを伝えるなどスタートアップと生徒との交流の枠組みづくりを進め、失敗を恐れず挑戦する若者を応援していく。

教職員の負担が出来る限り増えないようにするためには放課後での実施にすることも必要です。今後、都立高校の生徒たち向けに、先輩起業家が母校で講演を行うことを進めていきます。

都営住宅における就労支援

平成31年6月のシングルマザー支援協会の視察から、継続して、都営住宅にお住まいのシングルマザーに向けた就労支援の実施を提案してきました

Q.都営住宅における就労支援の実施にあたっては、就労支援を本来、必要とするより多くの方に参加いただけるよう工夫を重ねながら、多くの都営住宅において取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

A. 新たに、関係局と連携し、まずは大規模な団地の集会所において、就労に関するミニセミナーや、個別相談を実施。子育て中の女性にも人気のあるヨガ教室と組み合わせ、託児コーナーを併設するなど工夫し、本年 11 月頃の開催を目途に準備。参加者アンケート等により、実施時期や方法等について検証しその結果を踏まえ、他の都営住宅においても実施。

都は当初は、都営住宅はセーフティネットであり、就労支援はなじまないというスタンスでしたが、シングルマザー支援協会での取り組み事例(適切な情報提供によって経済的自立が目指せること)と、私自身が企業でマネージャー職まで22年間務めた経験に基づく信念「経験こそが人を育て、次に向かう自信になる」を粘り強くお伝えし、具体的実施までつながりました!

シルバー人材センター

2025年には国民の5人に1人が後期高齢者となると言われており、シニアの生きがいや、活動の機会の確保の観点から、シルバー人材センターには一層の機能拡大が期待されます。
一方、シルバー世代のスキルや認識も時代とともに変わり、現役時代のスキルを活かしたい、若い世代や子供と関わって役に立ちたい、空いた時間を有効に活用したい、などの意欲的なニーズに応えていくことが必要です。

Q. シルバー人材センターが、事務系や IT 関係の仕事などを希望する高齢者や、そうした働き手を確保したい発注者にとって選択肢となるよう、デジタルの活用も取り入れながら、センターのイメージチェンジを図っていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。

A.今後は、シルバー人材センターとそのサポートを進める東京しごと財団が協力し、地域に出向き子育てや見守りなどの新たな仕事を掘り起こすほか、DX の技術を利用して働き手と仕事の速やかなマッチングを進めていく。

これまでシルバー人材センターでは、いわゆる「ホワイトカラー」で定年退職した方々や子育て分野での仕事のマッチングに課題がありました。今後はシルバー人材センターで新たな仕事の機会の提供やDXを活用したマッチングの改善などを進めます。

下請次数に関する実態調査

建設業においては、品質の確保や安全管理に加え、資材価格の高騰や働き方改革の推進と将来の担い手育成・確保がまさに喫緊の課題です。
建設業においては、元請建設企業のもと、1次下請、2次下請、さらにそれ以下の次数の下請企業から形成される重層下請構造が存在していますが、これによって、施工に関する役割や責任の所在の不明確化、品質や安全性の低下等に関して、影響や弊害が生じうることが指摘されてきました。
国の「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」におけるとりまとめにおいて、実態を正確に把握する重要性が指摘されていることなども踏まえ、都においても、少なくとも、重層化した下請構造の実態を把握することが必要であると伝えてきました。

Q.都として速やかに、都発注工事における、重層下請構造の現状を把握するべきですが、見解を伺います。

A.担い手確保等の観点から元請事業者団体に対し、書面による契約締結など下請契約の適正化等について要請を行ってきたが、建設業における持続可能性確保に向けては、施工体制の実態を把握することも重要。新たに、今年度、都が発注する工事を対象に下請次数等に関する状況調査を実施。

地元の土建事業者の皆様からは、雇用環境が改善しないと若手が土建業への就労を希望せず、業界全体として持続性に課題があること、待遇改善に向けては世田谷区で実現した「公契約条例」が有効であることなどを紹介いただいてきました。
都側としては都発注の事業については労務費含め適切に見積もっているという立場でしたが、国土交通省の議論や他県の次数制限の取り組みなども踏まえ、まずは実態把握が必要であるという点で合意ができました。都が発注する工事について、建設業における下請次数等に関する調査をするのは、初めての取り組みとなります。

建設業の2024年問題について

建設業・運送業の公共調達において、継続して特段の配慮が必要であることは言うまでもなく、私たちも要望し、これまで都も取り組みを進めてきています。

Q.今後、都が発注する工事について、週休 2 日の実施、必要な労務費の設定、発注時期の平準化、適切な工期設定、工事書類の削減・簡素化など建設業の働き方改革を更に進めるべきですが、見解を伺います。

A. 都は工事に直接必要な日数のほか、施工条件や休日等を考慮した日数を加え、適切な工期を設定するとともに、工事の分散化を図るため、施工時期を平準化。週休二日については、平成二十七年度からモデル工事を実施してきたが、来年度からは原則として全ての工事で週休二日が実施できるよう準備を進めている。また、紙ではなくインターネット上で工事関係書類の提出等を行う情報共有システムの活用をすすめており、今後は、更なる利用拡大に向け受注者に働きかける。今後、こうした取組を一層推進し、建設業の働き方改革を後押し。

これまでモデル事業でしか行われてこなかった週休2日制について、来年度すべての工事で実施されるようにすること、DXによる工事書類の削減・簡素化につい進めていくこと、が新しい内容です。

ヒアリングフレイル

Q.都は区市町村に対し包括補助により支援を行っていますが、補聴器支給の支援を強化すべきと考えます。見解を伺います。

A. 都は、区市町村が高齢者への補聴器支給等事業を地域の実情に応じて柔軟に実施できるよう、包括補助により支援しており、補助実績は平成 30 年度の 2 自治体から、昨年度は15 自治体へと増加しているが、その事業内容は自治体によって様々である。今後、補聴器を希望する方が、お住まいの地域にかかわらず必要な支援を受けられるよう、都は、本事業を実施していない区市町村に対し、補助制度の活用を働きかけていく。また、引き続き区市町村や専門家など関係者の意見も聴きながら、効果的な施策を検討していく

補聴器を希望する方が、住んでいる地域にかかわらず必要な支援を受けられるよう、補聴器補助について、既存の包括補助制度を利用していない区市町村への働きかけと、効果的な施策を検討することが答弁されております。

私からは、補助拡充にあたり、まだ研究段階にある認知症との相関の研究を都としても行うことを求めています。

HPVワクチンの男性への接種について

毎年約3,000名もの女性が命を落としている子宮頸がんの原因であるHPVは、性感染症です。当初、ワクチン副反応がメディア等に大きくとりあげられたこともあり、女性への接種も2022年にようやく推奨が再開された状況ですが、男性についても同じく接種を進める必要があります。しかしながらが、助成があるのは中野区はじめ一部の自治体に留まります。

Q.都でも HPV ワクチンの積極的な啓発に加えて、自費接種となっている男性への接種助成についても進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。

A.今後、女性への接種が進むよう区市町村と連携して啓発をより積極的に行う共に諸外国や国内の動向、国の検討状況を総合的に勘案し、HPV ワクチンの男性接種にかかる区市町村への支援について、検討していく。

HPVワクチンの男性接種について区市町村への支援について検討していく、という今後の取り組みについても明示している具体的で積極的な答弁です。

新型コロナウィルスのためのワクチンも副反応が大きくとりあげられてきました。人という複雑でかつそれぞれ異なる生命体を対象にする生化学・医学の分野でゼロリスクはありえず、有益な方を統計的に選択するとともに、リスクをできる限り下げていく、これがあるべき姿だと考えています。

教育ダッシュボード

私は、以下を目的に、教育に関する情報をデータとして収集・蓄積する環境と分析を継続して求めてきました。今年7月に「教育ダッシュボード」が公表されました。大きな一歩です。

①子供たち一人ひとりの資質・能力を最大限伸ばす
②先生方の働き方改革(業務効率化)
③教育政策の効果検証

まずは一人の生徒に関する情報を一覧化し、先生が見て指導に活かす、とのことですが、①のためには、多くの生徒の蓄積した教育に関するビックデータと、生徒個人の状況を照合し、どのような指導をするべきかをサポートする機能の開発が求められます。また③の政策効果検証のためには統計処理が不可欠でそのためにもデータ収集が必要です。

Q.今後、エビデンスベースの指導を一層推進することを目的に、「教育ダッシュボード」に取り込む教育データの項目の拡充や、教育におけるビッグデータの活用についての研究にも着手すべきですが、見解を伺います。

A.都教育委員会は、生徒の成績・出欠などの各種データを分析・可視化する「教育ダッシュボード」について、令和6年から段階的に利用を開始していく。今後は、有識者の意見を踏まえて、取り扱うデータの種類の拡大を検討するなど、教育ダッシュボードの一層の充実を図っていく。また、蓄積したデータと生徒の学習に対する取り組みの傾向を分析するなど、教育データを一層活用した指導についても検討を進め、子供一人ひとりの力を最大限伸ばす教育を実現していく

教育データが保管できるのは5年間ということですが、例えば一学年300人の学校では、1,500人分のビックデータ(答弁における「蓄積したデータ」)と一人のデータ(答弁における「生徒の学習に対する取り組み」)の傾向を分析する、という一歩進んだ取り組みが表明されました。

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