「令和5年 事務事業質疑」総務局④統計リテラシー、都立大学法人

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継続して都職員の統計リテラシーの向上、そして都立大における情報教育の強化、学生の多様化推進を取り上げています。

統計リテラシーについて

都民ファーストの会の進める「東京大改革」の大原則は、「都民ファースト」「情報公開」「賢い支出(ワイズスペンディング)」 です。このワイズスペンディングの要になるのがEBPM(証拠に基づく政策立案)です。

私は、総合電機メーカーの研究者の時に、会社の方針で、全研究者が製品の品質管理手法であるシックス・シグマを学びました。シグマとは、統計学における標準偏差、分布の広がりの具合を表す指標です。製品や部品の品質特性は一定であることが望ましいものの、実際は分布が生じます。この分布を考慮しつつも、製品不良の発生を「100万回作業して3.4回に抑える」ことへのスローガンがシックス・シグマで、製品の歩留まりをあげる、つまり大量生産において利益率をあげるための大変重要な取組みです。これを研究者も学んだことで、それまで、研究者が少数試作して「できる」というのと、製造部門の量産で「できる」の認識のずれが埋まり、意思疎通が大きく改善しました。そして、研究者もマージンを意識しながら研究開発に取り組むようになりました。

このような背景があり、私は、2019年の都議会議員1年目より、政策の効果検証にも、統計的取り扱いが必要であるということを伝えるのが、多様性の増した新しい議会の一翼を担う自分の使命であると認識し、EBPMについて継続して取りあげてきました。製品開発と比べたら、実社会のほうが要因は多く、環境も制御できません。先に述べたマンション防災セミナーを受けたとしても、町会・自治会との合同訓練に取り組むマンションもそうでないマンションも発生します。背景は様々だからです。

だからこそ、数(サンプルサイズ)が大事なのです。セミナーを受けたマンション住民のグループと、受けていないグループで、有意な差が生じたか、という統計的扱いをしなければ、セミナー受講が町会・自治会活動につながったかどうかは検証できません。ただし、統計的な評価を行うには、必要なデータの量が増えるなどコストもかかるので、重要で効果検証が難しい施策について行うのが良いと考えます。

私は、EBPMと、そのための統計評価の重要性を議会で訴えるとともに、ケースによっては担当職員と具体的な評価方法までやり取りを重ねてきました。今現在、議会での答弁でもEBPMの言葉が当たり前のように出るようになりましたし、毎年発行される「東京都予算案の概要」の政策評価・事業評価も、かつては数字さえあれば「エビデンスベース」としていたのが、令和5年度からは、一部の評価において、統計的な検証、すなわち、EBPMが導入されています。一歩ずつですが確実に前進していることを評価します。そこで、

Q 職員の統計リテラシー向上に向けた取組について伺う。また、庁内においても統計データを利活用した政策評価・事業評価が始まっており、こうした取組の中で生まれた好事例を広く共有するなど、庁内の取組を横展開することも有用であると考えるが、あわせて伺う

A(濵田統計部長)
○都では毎年度、各局の統計担当者の実務能力を向上させるため、統計に関する基礎知識や専門知識を習得させるオンライン研修を実施
○また、各局職員等の統計利活用に関する知識、ノウハウを高めるため、統計利活用セミナーを集合形式で開催今年度は、民間の専門講師による、アンケート調査におけるサンプルサイズ設計、総務省統計利活用センター職員による、EBPMの概要や、地方公共団体における統計データ利活用事例の紹介等の講義を実施
○さらに、今年度、「東京都産業連関表及び経済波及効果分析ツールに関する利用説明会」を開催したほか、全職員を対象に統計メールマガジンを配信するなど、職員のスキル向上や統計に関心を持ってもらう取組を推進
今後、都の事業執行の中で生まれた好事例や知見を庁内で共有するなど、職員の統計データに関する利活用能力を一層向上

都民から集めた税金でもって行う行政サービスの質を高めるために、すなわち、ワイズスペンディングの徹底のための重要な取り組みです。

都庁内の事例であれば、より我が事こととして聞いていただけると思うので、せっかく始めた「東京都予算案の概要」の政策評価・事業評価の事例についても、統計部主催のセミナーにおいて紹介いただくよう要望しました。

公立大学法人

令和7年の情報の入試の検討状況

不足するデジタル人材の育成とSociety5.0に向け、情報教育の充実を継続して訴えてきました。

令和7年1月実施分から大学入学共通テストの試験科目に「情報Ⅰ」が加わります。加えて、より発展的な学習である「情報Ⅱ」を学んだ生徒についても、都立大が率先して確保するよう求め、令和4年第1回都議会定例会において知事からは「試験科目など選抜方法の見直しを行う」との答弁を得ています。

 高校における新たな情報教育を受けた生徒が令和7年度に大学に進学する。これを踏まえた入試制度の検討状況について伺う。

(都立大学調整担当部長)
○都立大学では、高校における学習指導要領の改訂に対応し、IT技術者としての活躍が期待される学生の受入れを促進するための入学者選抜を実施
○具体的には、令和7年度から、システムデザイン学部の情報科学科において、必履修科目の「情報Ⅰ」、選択科目でより高度なスキルや技術を学ぶ「情報Ⅱ」の2科目の成績がいずれも一定レベル以上の学生を対象に、志望理由や口頭試問などによる総合型選抜を導入
○今後、令和6年7月頃、入学者選抜要項を公表する予定

情報というのは、他の教科と比べても、総合的かつ統合的な科目だと考えます。対象とする現象を観察し、システムで解決可能な範囲も鑑みつつ、課題設定し、モデル化し、その解決方法を論理的に組み立て、実装可能な範囲で実装する。そして、プログラミング言語のベースは英語です。

プログラミングが得意になる子を見ていると、動機や意欲を当然に備えている子が少なくないと感じています。総合型選抜は適していると考えることを申し添え、進めていただくよう求めました。

入試改革

私が情報IIを大学入試で評価することを求めてきたのは、入試が高校生の学習範囲に与える影響が大きいからです。

私の母校でもある東北大学が、9月に世界トップレベルの研究力を目指す「国際卓越研究大学」に初めて認定されましたが、その理由の一つに、将来的に一般入試を廃止して全て総合型選抜(現行AO入試)へ移行することを表明したことがあるともいわれています。

現行の学習指導要領では、主体性や協調性といった非認知能力の伸長が述べられていますが、知識偏重の原因である大学入試を同時に改めていくことは、大変重要です。

 AO入試の拡大に関する、都立大の見解を伺う。

(都立大学調整担当部長)
○都立大学では、第三期中期目標期間において、推薦入試とゼミナール入試などの総合型選抜等による募集人員を、全体の30%以上に拡大
今年度からの第四期中期目標期間においても、志の高い、多様な学生を選考するための入学者選抜方法への見直しを実施

東北大や早稲田大学の追跡調査でも、一般入試に比べてAO入試で入学した学生が、その後の成績が良いなどの調査結果が出るなど、大学にとっても好ましい結果が出ているようですが、中高生の学びに与える影響は大きいものがあります。引き続き前向きな取り組みをお願いしました。

秋入学の推進

令和2年12月に、都知事が秋入学の検討を表明、翌年12月には、理学部生命科学科で令和6年度から、秋入学を設けることを発表しました。学生の多様性を高める重要な取り組みです。

 令和6年度に開始する秋入学の募集人数はどの程度か。また、導入に向けた取組の状況と、今後の展望について、あわせて伺う。

A(都立大学調整担当部長)
都立大学では、令和6年度から導入する秋入学について、来月、募集要項を公表し、来年10月の入学に向け、若干名を募集する予定
○現在、学生の受入れに向けて、英語による授業の拡大や、留学生の履修相談等のサポート体制の充実など、教育体制の整備を推進
○学生の募集のため、英語による動画配信や、海外の進学情報誌等を活用したPRを行うとともに、インターナショナルスクールを個別訪問するなど、広報活動を展開
○こうした取組により留学生の受入れを拡大し、大学の更なる国際化を推進

コロナ禍は、世界の経済社会や人の働き方、移動にも多大な影響を与えました。このような中、着実に取組みを進めてきたことを評価します。大学の国際化・多様性の向上につながる、小池都知事らしい取り組みです。国内外の多くの学生に興味を持っていただけるように取り組むことを求めました。

数理リテラシーの向上

EBPMしかり、AIの実装しかり、文理を問わず、データサイエンスリテラシーを身に付けた人材の教育が重要、数理問わず専攻可能な「数理・データサイエンス副専攻」を創設していただき、好評であると聞いています。

Q 職種を問わずニーズが高まっているデータサイエンスリテラシーを身に付けた人材の育成に向けた取組について伺う

A (都立大学調整担当部長)
○都立大学では、令和4年度から、各学部における専攻科目に加え、希望者がAIやデータ分析の知識、技術を学修できる数理・データサイエンス副専攻を開講
今年度は新たに、社会人向けの公開講座として、データリテラシーやデータベースをテーマとしたデータサイエンスの入門プログラムを開講し、定員を上回る申込状況
来年度からは、さらに機械学習とテキスト分析の講座を開講する予定であり、より幅広い学修機会を提供

新たに設けた社会人向けコースもニーズが高く、来年度からは機械学習とテキスト分析の講座も設けると聞いています。都民と都内産業が求める知識提供に引き続き取んでいただくことを要望しました。

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