政調会長代理として私が調整した内容に★を付けています。
産業振興
中小企業の賃上げやスタートアップの成長、観光振興と地域環境の調和、気候変動や都市インフラへの対応など、東京の成長と持続可能性の両立は重要です。
女性活躍
女性活躍について伺います。昨年の第四回定例会において、雇用・就業分野における女性活躍推進条例が成立しました。これまでも都政において、女性の活躍は重要な政策課題として位置付けられてきましたが、本条例の成立により、その取組が一層進むことが期待されます。
一方、企業経営者からは、女性活躍に取り組みたいと思うが、どのように進めていけばよいかなどの声も聞いており、条例が掲げた社会を実現するためには、企業に対するより一層の支援が必要と考えます。こうした中、本定例会では、事業者が主体的に女性活躍に取り組むための基本的な考え方や取組事例に関する指針の骨子が示されました。
都として今後どのように女性活躍に取り組んでいくのか、改めて知事の見解を伺います。
A(知事)
○東京の最大の未活用エネルギーは女性。働く場において女性がより輝けるよう、先般、全国初の女性活躍推進条例を制定。
○この条例の趣旨を踏まえ、事業者が具体的な取組を行えるよう、採用選考担当者や主要ポストの男女比、男女別の離職理由など、課題把握のポイントや対応例を掲載した指針を作成しており、今回、その骨子を提示。
○また、予算案には、子供の看護等休暇の充実など男女ともに安心して育業し、復職しやすい職場づくりや、男女間賃金差異の公表や女性管理職の増加等に取り組む事業者への後押しなど、様々な事業を盛り込んだ。
○働く女性が、それぞれの職場で活躍できていると「実感」できてこそ、条例が意義あるものとなる。これを出発点に、事業者、従業員双方の状況を確認しながら、施策をブラッシュアップし、誰もが生き生きと活躍できる社会を築き上げていく。
経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業
中小企業は都内企業の99%以上を占め、東京経済の屋台骨を支える存在であります。しかし、人手不足の深刻化、原材料費や光熱費の高騰、賃上げ圧力の高まりなど、中小企業を取り巻く経営環境は厳しさを増しております。特に、賃上げを実現したくても、生産性向上が追いつかず、経営体力が十分でない企業にとっては、賃金引上げと経営の持続性の両立が大きな課題となっております。こうした状況を踏まえ、設備投資による業務改善や新事業への挑戦を通じて生産性を高め、それを賃上げにつなげていく好循環を生み出すことが不可欠です。また、業績が一時的に悪化した企業であっても、適切な支援により経営力を強化し、再び成長軌道に乗せていくことが重要です。
私たちの求めに応じ、予算案では、さらに踏み込んだ支援として「経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業」が計上されました。
中小企業の多様なニーズに対応し、業績が悪化した企業も含めて持続的に賃上げができるようにしっかりと支援すべきと考えますが、見解を伺います。
A(産業労働局長)
○中小企業が持続的な賃上げを実現するためには生産性の向上や商品の高付加価値化などにより、経営力を強化していくことが重要
○都は、中小企業が既存事業を発展させ、生産性の向上などを図る取組への助成において
今月から開始している賃上げを促進するコースの支援規模を来年度は五倍に拡大。
○また、新市場への参入を目指す企業に対して、経営の専門家が伴走支援を行うとともに取組への助成を新たに実施。
○物価高騰などにより業績が悪化した企業の前向きな挑戦をサポートし、持続的な賃上げにつなげていく。
賃上げへの支援
また、施策の実行にあたっては、速やかな執行体制も重要です。
昨年の第4回定例会において、中小企業に寄り添った支援を行い、賃上げも速やかに進めていくべきとの質問に対し、都は賃上げの実効性の確保と奨励金の速やかな支給の両立を図る方策について検討を進めるとの答弁がありました。
今後、中小企業の実情に沿った取組を進め、賃上げの支援を速やかに行うべきと考えますが、都の見解を伺います。
A(産業労働局長)
○働く方が安心して生活できるよう物価上昇を上回る賃上げの流れを確かなものとしていくため中小企業が労働生産性の向上や労働者の処遇改善等に迅速に取り組むことは重要。
○都は来年度、企業の課題を速やかに把握し早期の取組の着手を促す。また、企業の取組に併せて専門家による助言を行い、持続的な賃上げが円滑に実施できるようきめ細かく
サポートし、これらの工夫により賃上げの実効性の確保と奨励金の速やかな支給の両立を図っていく。
スタートアップの海外でのスケールアップ
私たちは、新たな産業創出に向け、スタートアップ支援を強力に推進してきました。AIの急速な進展により、世界のイノベーション競争は激しさを増しています。視野をグローバル市場に大きく広げ、成長させていくことが重要であり、諸外国では政府や様々な民間機関が連携し、強力なエコシステムを築いています。
都が昨年打ち出したスタートアップ戦略2.0において、グローバルに加えスケールアップを明確に打ち出したことは評価できます。海外では大規模な投資が展開されていることから、グローバル×(かける)スケールアップの実現には、官民連携ファンドを含めた投資規模についても、これまで以上のダイナミックさが必要です。
都が旗振り役となって、民間の投資家や支援機関等の様々な主体と共に、その成長を支える環境を整え、厳選された有望企業に対する、これまでにない大胆なサポートを推進し、「スケールアップ」を生み出す大きな流れを創り出していくべきと考えますが、見解を伺います。
A(スタートアップ戦略推進本部長)
○AIの急速な進展による世界のイノベーション競争が加速する中、グロー バル市場を見据えた世界観と戦略を持てば、新たな産業を育て、世界をリードするチャンス。
○この流れを創り出すため、都は複数の官民連携ファンドを組成するとともに、民間にも呼び掛け、千億円規模のファンド群、スシテックグローバ ルファンズを形成。
○有望企業を厳選し、大胆な資金サポートを行う他、海外の有力機関と連携した市場展開プログラムや投資家へのトップセールスなどを強力に推進。国内外の様々な関係者と力強いエコシステムを築き、世界に飛躍するスケールアップ企業を生み出す。
働く人たちの暑さ対策
屋外で働くことが避けられない建設事業者や農業者などの皆様の暑さ対策も重要です。
昨年第4回定例会の代表質問で、テレワーク助成事業の一部に位置付けられていた屋外労働者への支援がわかりづらいことから、これを改めるよう求め、都からは、企業等の実態を踏まえた利用しやすい支援策を検討する、との答弁を得ています。
加えて、農業や林業は、真夏でも炎天下での作業が必要な産業であり、こういった産業に従事する方への支援も必要と考えます。
災害ともいえる暑さに配慮した職場環境づくりへの企業支援について、テレワークの導入を要件としなくとも利用できる内容とすべきです。また、農林業従事者の暑熱対策も進めていくべきと考えます。これらについて、見解を伺います。
A(産業労働局長))
○屋外で働く方々の熱中症予防に事業者等が取り組むことは重要。
○都は、都内小規模企業者が暑さ指数を活用した従業員の作業管理等を行い、熱中症予防
対策に資すると認められる物品を導入した場合に、テレワーク導入にかかわらず、新たに20万円の奨励金を支給。
○また、酷暑における屋外作業が長時間に及ぶ農林業従事者に対しては、新たに、空冷服等を購入する場合に、一着2万5千円を上限に4分の3を助成。
○この夏の猛暑に備え、これらの取組を速やかに進めることにより、現場の熱中症対策を支援。
観光地等での地域美化対策★
都内の観光地ではコロナ禍を乗り越え、観光需要は順調に回復が進み、訪都観光客は大幅に増加。外国人旅行者も多く、繁華街や自然公園等は大きな賑わいを見せています。
一方で観光客の急増に伴い、一部の地域では、ごみのポイ捨てといったマナー違反や、交通機関の混雑などが発生しており、社会問題になっています。とりわけ、観光地における環境美化の面では、路上や店舗・住宅の前にごみが散乱し、地域住民の方々が自分たちで拾って掃除に追われるといった状況も少なくありません。
都は、観光を取り巻く環境変化を踏まえ、区市町村や観光関連の事業者等と連携し、ごみのポイ捨て問題の解決に先導的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
A(環境局長)
○外国人旅行者等の増加によりごみのポイ捨てが課題となる中、関係団体と連携した対応が重要。
○このため都は、区市町村のほか宿泊や交通など関連団体等と連携し、オール東京で街を綺麗にする東京クリーンアップ・ムーブメントを展開。
○具体的には、東京を訪れる旅行者には、ごみの持ち帰りマナーの理解と実践を促すため様々なチャネルを戦略的に活用し、行動変容に繋げていく。
○併せて、観光地や主要な交通ターミナルではリサイクルステーション等を整備することで利便性を高め、実効性を確保し、これらにより、クリーンで快適な都市環境を実現。
東京国際クルーズふ頭の受入機能強化★
都市の魅力を高めていくためには、国内外から多くの観光客が訪れたくなる街づくりが欠かせません。中でも、クルーズ観光は、外国人旅行客の経済効果が高く、1度の寄港で億円単位の効果があるとも試算されています。世界の主要港は、クルーズ客船がもたらす経済効果に着目し、客船受入能力の強化など、客船の誘致競争を繰り広げています。一方、東京港では施設能力の不足により、客船を受け入れることができないケースが生じています。こうした中、都が東京国際クルーズふ頭における第2バースの整備に踏み出したことは、非常に意義のあることですが、東京港に入港する客船の受入機会損失を可及的速やかに防ぐことも重要です。
東京国際クルーズふ頭の第2バースが完成するまでの間、晴海ふ頭などの既存の客船ふ頭を、最大限活用するための役割分担の最適化や、入港予約手続のデジタル化など、ソフト面の工夫も並行して行うことで、客船受入機能を強化すべきですが、都の見解を伺います。
A(港湾局長)
○客船の受入れは、広範な経済効果が期待されるため、入港需要の増加への的確な対応が重要。
○そのため都は、昨年晴海ふ頭の受入再開を前倒すとともに、東京国際クルーズふ頭第2バース整備に着手。また、地域の賑わい創出が期待できる客船等を優先して受け入れるとともに、客船の規模や種類、ふ頭の立地等を勘案し最適な受入先を調整する等、既存ふ頭の効果的な運用を行う。さらにふ頭の、空き状況をリアルタイムで確認可能なシステムを来年度早期に導入。
○新たなバースの整備とともに、東京港の施設能力を最大限発揮できるよう対応。
環境
カーボンハーフ達成に向けた都の取組★
災害級と言えるほどの暑さや、経験のないほどの豪雨や豪雪など、深刻な気候危機に直面している我々にとって、気候変動対策の強化は喫緊の課題です。これまで都民ファーストの会は、知事とともに気候変動対策の強化に取り組んできました。制度開始から間もなく1年となる太陽光パネルの設置義務化や支援の強化などにより、都民のゼロエミに向けた機運も高まり、取組も進展しています。また、第四回定例会では都民の省エネ・再エネ導入の強化につながる大胆な補正予算を計上するとともに、予算案においても、太陽光発電の導入支援について、今年度の2倍近い5万件以上に相当する予算を計上するなど、強力な支援策が提案されており、都の気候変動対策の更なる強化に向けた強い意欲が伺えます。
そこで、これまでの気候変動対策を総括するとともに、2030年カーボンハーフ達成に向けた取組について、知事に伺います。
A(知事)
○2030年カーボンハーフやその先のゼロエミッションの実現に向け、都は都民や事業者に行動変容を呼びかけ、今、大きく花開きつつある。
○全国に先駆けて成し遂げた太陽光発電設備の設置義務化は、新築を検討する都民の認知度が九割に迫るなど都民や事業者に広く浸透するとともに他 の自治体を動かす原動力ともなっている。また、家庭での再生可能エネルギ一等の導入がかつてないスピードで進展している。
○こうしたうねりを捉え、来年度予算案では、太陽光パネルや蓄電池等の支援強化に加え、施工事業者へのきめ細かなサポートなど東京の脱炭素化を強力に推進するゼロエミ関連予算の大幅な拡充を図った。
○これらにより、2030年200万kW以上としていた太陽光発電設備の 導入目標について2年前倒しし2028年の達成を図るとともにこれまでの目標を大幅に引き上げ、250万kWへの到達を目指していく。
○こうした政策のアップデートを重ねることで脱炭素化に向けた機運を更に高め2030年カーボンハーツ達成を確かなものとしていく。
データセンターの電力需要への対応と地域との共生★
生成AI等の発展により、データセンターの需要が高まる一方で、電力消費の増加や周辺地域に与える影響などの課題も明らかになりました。データセンターは今や社会にとって必要不可欠なインフラであり、国際競争力を維持する観点からも東京になくてはならないものですが、地域との共生や環境負荷の低減に向けた取組も並行して実施する必要があります。こうした中、予算案には、環境に配慮したデータセンター整備を促す対策が盛り込まれ、事業者の取組を後押ししながら地域との共生を図る施策が示されたことは評価します。
そこで、東京の国際競争力にも直結するデータセンターに対し、省エネ・再エネなどの環境面だけでなく、まちづくりの視点も含めた総合的な対策を実施していくべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
A(知事)
○AIや自動運転などが世界で最も実装されたデジタル先進都市・東京の実現には、その基盤であるデータセンターは必要不可欠なインフラであり、環境やまちづくりとの両立を図るとともに、早期に地域とコミュニケーションを深めることが重要。
○今後、データセンターの情報を早い段階で把握する都独自の仕組みを構築。その上で、エネルギー効率や地域への貢献等を評価する認定制度を新たに創設するとともに省エネ効果の高い設備の導入を支援。
○加えて、データセンターから排出される熱の活用を促進するため、新技術の実装化
に向けた取組を後押し。
○また、データセンターの一般的な概要や地域における円滑な対話のポイントに加え
事業者への調整の目安となるような地域共生や環境配慮に関する好事例を整理したガイドラインを年度内に策定し、事業者等に対して周知。
○これらの対策を総合的に推進し、地元自治体とも連携しながら環境とまちに調和した データセンター整備を後押しし、東京の国際競争力を向上。
グリーンインフラ推進★
予算案では、雨水流出抑制に資するグリーンインフラの先行実施として、民間施設への導入促進や認知度向上が掲げられています。しかし、予算規模は先行実施事業で7千万円、流域対策強化・推進補助事業でも2億円にとどまり、都内全域で雨水流出量を着実に減らし、都市のレジリエンスを高めるには十分とは言えません。都の定量評価を踏まえ、国は今年1月にKPIによる進捗管理を掲げた「グリーンインフラ推進戦略」を公表しました。都内の公共・民間の開発において、グリーンインフラの導入が進むためには、KPIを設定し、分野横断の推進体制を整える必要があります。なかでも、民間導入を加速させるには、雨水流出量の削減に応じたインセンティブが効果的です。
都市特性に応じたKPIを設定し、雨水流出量の削減が公共・民間開発のインセンティブとして機能する制度を構築するとともに、下水道・建設・都市整備・環境など複数局を束ねた分野横断の推進体制のもと、グリーンインフラ導入を一段と加速すべきと考えますが、見解を伺います。
A(東京都技監)
○グリーンインフラは、自然環境が有する機能を社会の様々な課題解決に活用するものであり、官民が一体となり導入していくことが重要。
○都はこれまで、公共施設への先行実施や、展示会での広報活動に加え、学識経験者や国等との検討委員会のなかで、雨水貯留浸透能力や暑熱緩和効果の定量評価を進めてきた。
○これにより、浸水対策等にグリーンインフラを効果的に活用できることから、新たに導入に向けた目標を設定するとともに、民間開発における誘導策の検 討を進め、関係局や区市町村、企業と連携を強化しまちづくりへの導入を加速していく。



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