12/11は、産業労働局案件でも質疑に立ちました。
営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金
コロナ禍において、我が会派は一貫して、「休業や時短等の要請と補償はセットである」という方針に基づいた緊急要望を行ってきました。
第3波と称される再度の感染拡大局面において、都は、特別区及び多摩地域の各市町村の酒類の提供を行う飲食店及びカラオケ店の事業者等に対して、11月28日から12月17日まで営業時間の短縮を要請するとともに、これに全面的にご協力いただく中小事業者等を対象に「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金」として、一律40万円を支給することを決定、その予算について11月26日に、地方自治法第179条第1項の規定に基づく専決処分を行いました。感染症対策は、まずは時期を逸さないことが重要です。
Q感染拡大防止協力金のこれまでの申請件数と支給件数、今回の想定事業者数及び予算額について伺う。
A 休業要請等に伴う協力金の11月末時点の実績として、
第1回は約12万8千件の申請に対して約11万9千件
第2回は約11万4千件の申請に対して約11万件
の支給を行っている。また、営業時間の短縮要請に伴う協力金の11月末時点の実績として、
8月の要請実施分は約4万6千件の申請に対して約4万5千件
特別区を対象とした9月の要請実施分は約3万6千件の申請に対して約3万5千件
の支給を行っている。今回の協力金については、4万5千件の申請を想定しており、予算額は事務費を含めて200億円を計上
これまでの給付実績を踏まえて補正予算額が計上されたことを確認しました。
都は、これまでも、感染拡大防止を目的に、8月には都内全域の、9月には23区の、「酒類提供を行う飲食店等」に対して、営業時間の短縮を求めました。しかしながら、これらの効果についてはまだ意見が分かれています。加えて、「第2波」では、接待を伴う飲食店等で感染が拡大し、無症状あるいは軽症の、若者の感染者の割合が高かったのに対し、今回の「第3波」では高齢者にも感染が広がっており、特に医療施設や介護施設内でのクラスター発生が認められることから、飲食店の時短の効果はさらに限定されるのではないか、という意見もあります。
今回の時短要請は、国の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の提言も踏まえての判断ではあり、冒頭に述べたようにタイミングを逸するわけにはいかない事情もありますが、並行して、3度にわたって実施することになる営業時間の短縮要請の感染拡大防止に与える効果について、(担当局は異なりますが)「東京 i CDC専門家ボード」による検証を同時に進めるよう求めました。
給付に関して都民の皆様よりいただいた声の多くは、特に事業開始当初において、申請手続きが煩雑で、かつ時間がかかるというものでした。
Q回数を重ねたことで、協力金の手続きについて、どのような改善を行ってきたか
A 都は、申請手続きの簡素化やオンライン申請サイトの改善などを実施、第2回以降の申請では、申請書の記入や必要書類の提出を最小化、オンライン申請に関しては、申請サイトで改善提案を受け付けるなど、改善につなげてきた。
加えて、都は、頂いたご意見をもとにサイトの構築や改善に反映した事柄について、HPで公開しています。オンライン申請システム等のユーザビリティ向上には、ユーザー参加が不可欠であることから、このようなフィードバックの取り組みを評価することを伝えました。
新型コロナ対応融資の実績と補正予算の考え方
感染拡大が繰り返されることにより、経済への影響が深刻化、かつ長期化することが懸念されます。
わが会派としては、医療面でも経済面でも、必要な支援策は躊躇なく期限の延長や追加を行うべきと考えている。その意味では、東京信用保証協会による過年度の経営状況の厳正な審査に基づく都の制度融資において、今回、年末に向けて融資目標額を引き上げ、そのための預託金及び信用保証料補助を予算計上することは、事業継続に値する企業に対する、適切かつ必要な対応であると捉えている。
Q 今回の補正の対象である新型コロナ対応融資のこれまでの実績と、今回の補正予算の考え方は
A 新型コロナ対応融資のうち、
預託金を投入している都独自の3メニューの今年4月から10月末までの実績は、約7万8千件で約2兆7千億円。
国が費用を負担する「感染症全国」では、約8万2千件で1兆6千億円。
今回の補正予算では、これまでの融資実績や最近の申し込み状況、及び年末等における資金ニーズの増加などを考慮して、これまでの融資目標に2千億円を追加。
今後、年末年始に向けて発生するであろうニーズに応えるための融資目標額の引き上げと、それに伴う予算措置であることを確認しました。
12月7日に、東京商工リサーチによる調査結果として、11月の都内企業の、負債額1千万円以上の倒産件数は109件と、前年同月から19%減少しており、前年同月を下回るのは3カ月連続である、との報道がありました。その理由として、国や自治体等の緊急融資メニューを約半数の企業が利用、経営を下支えしている、とあり、取組みが機能しているものと考えます。
とはいえ、冒頭で述べたように、コロナは収束しておらず、経済への影響は余談を許しません。今回の補正予算による新型コロナ対応融資の充実は、感染症の再拡大による影響に不安を感じている事業者には、心強い支援であり、引き続き、機をとらえた対応を求めました。
一方で、事業者からは、協力金同様、融資を受けるまでの時間が長い、との声を頂いています。ヒヤリングにより、特に、初めて信用保証協会による審査を受ける企業で時間を要したことがわかっていますが、融資の可否がわかるまでに時間を費やしたうえに、融資が受けられないとなると、事業存続にも関わりかねません。
Q 融資枠の拡大とあわせて迅速な対応も重要であるが、この手続きに時間がかかるという問題が改善されているのか
A 都は、新型コロナ対応融資に関して、5月から6月にかけて資金繰り相談の時間延長や休日対応を実施、金融機関に対しては制度を周知徹底してきた。東京信用保証協会でも、職員の応援体制を組み、休日対応も行った。これらに加えて、最近は、申請件数が落ち着き、概ね通常の手続期間での対応が可能。
対応する職員の増員と、対応時間の拡大により、改善に努めてきたことを確認しました。
3度の、そして最大の感染拡大という厳しい局面にあるが、感染防止対策を行うこととあわせて、東京の経済を守る取組を引き続き進めることが重要です。今後も、制度融資を含めて、多様な事業者支援を継続していただくよう求めました。
産業貿易センター台東館の指定管理者の指定
浅草にある、都立産業貿易センター台東館は、展示会や見本市、イベント、セミナー、試験、会議などが行える会場であり、中小企業の事業発信や国内外販路開拓の拠点としての活用が期待されています。ここに平成18年度から「指定管理者制度」を導入、民間事業者等による創意工夫ある企画や効率的な管理運営などにより、利用者の多様なニーズに応え、質の高いサービスの提供を図ろうとしてきました。
しかしながら、事前説明によれば、今回の公募における応募団体は、「中小企業振興公社」1団体でした。そこで、「指定管理者制度」が機能しているのか、という観点で質疑しました。
Q 人札公募要件の変遷について伺う
A 応募資格は、「見本市会場又はこれに類する施設に関わる管理運営業務の実績を有する法人や連合体」としており、原則として公募により選定、透明性や公平性を確保するため、外部有識者を含む選定委員会を設置するとともに、組織の安定性・積極性や、業務執行体制、施設の効用発揮などの視点により評価
各項目の詳細を確認したところ、「公の施設」という記載が複数あり、利用料の上限設定などもあるそうです。民にとっては参入障壁にもなる部分ですが、民間の施設ではないので、必要な条件であると考えます。
一方で、「5.適切かつ質の高いサービスの提供」の項目においては「指定期間の切り替え時に運営主体が変更となった際の業務引継ぎを適切に行うことができること。」という記載もあり、「指定管理者制度」を機能させようとする姿勢も見て取れます。
Q 指定管理者の変遷について伺う
A 平成18年度に指定管理者制度を導入して以降、4回の選定で、いずれも東京都中小企業振興公社を指定
説明会には複数の団体が参加するものの、毎回、申し込みは中小企業振興公のみであり、結果、連続して東京都中小企業振興公社が指定を受けているとのこと。意図しない障壁をなくすために、説明会に参加しながら申し込まなかった団体に、申し込みを辞めた理由をヒヤリングし把握することを求めました。
冒頭で都民サービスの向上や経費の節減等が目的であるとご説明いただいていたので、最後に、
Q 利用者の満足度や、コストの削減の状況は
A 東京都中小企業振興公社が初めて指定管理者に指定された平成18年度には約63%であった稼働率が、平成30年度には約81%まで向上、収支も黒字を継続。「中小企業の利用比率」もコロナ禍前の4年間の平均値は59.8%、利用者アンケートによれば、管理運営に関して90%以上の高評価。自主企画事業として、中小企業の販路開拓を支援する展示会や商談会を開催するとともに、条例で定める附帯設備以外にも貸出し備品等の充実を図るなど、利用者の利便性向上に取り組んでいる。
定量的な評価指標に基づき、当該建物を利用した「商工業及び貿易の振興」が進められていることを確認しました。
以上、公募への応募団体が1団体である、ということに課題を感じて、質疑させていただきましたが、質疑を通じて、指定管理者制度の導入の効果が表れていることを確認しました。
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