事務事業質疑~デジタルサービス局③ ICTの利活用に係る支援

福島りえこ,都議選,世田谷区,都民ファーストの会,都議会議員ブログ

職掌に、「ICTの利活用に係る支援」が記載されているものの、他局が主体的に進める案件について、答弁できることが限定的にならざるを得ないとはいえ、各局に任せておくと問題だと考える事項をとりあげました。

総務局の「点検・認証済店舗へのデジタルフォーメーションによる支援強化事業」、そして、教育庁の「エビデンスベースの学習」について、デジタルサービス局が積極的に関わるよう要望、必要な、そしてきめ細やかなサポートをすることを確認しました。

総務局~「点検・認証済店舗へのデジタルフォーメーションによる支援強化事業」がある。

 先の第三回定例会で可決された補正予算の中に、総務局の、「点検・認証済店舗へのデジタルフォーメーションによる支援強化事業」がある。このなかで、感染症対策ができた店舗に認証を与え、酒類提供の許可をするにあたり、感染症対策が維持されているかどうか、これまで人が確認していたのを、今後は店舗が写真を撮影し、これを送ってもらって確認するシステムをつくる、と聞いている。

私は、以下の点で、上記のシステムには問題があると考える。

(1)写真を撮影した状態が維持されるとは限らない
(2)写真で第三者が、感染対策(※)の状況を判別するのが難しい 
  ※ 手指消毒の徹底
    マスク着用の徹底
    間隔の確保・アクリル板等の設置
    換気の徹底
    コロナ対策リーダーを中心とした取り組み
(3)都内店舗数は12万店あり、写真で確認するにせよ、人手を要する

Q1 この、「点検・認証済店舗へのデジタルフォーメーションによる支援強化事業」を検討する過程で、デジタルサービス局はどう関わっていたのか伺う。

A1 デジタルサービス局は、都政のDX化の推進役として、各局が進める様々なデジタル化の取組の実現に向け、技術面からのサポートを行う役割を担っている。お話しの「点検・認証済店舗へのデジタルフォーメーションによる支援強化事業」については、検討段階の事業案について説明を受けた。その際、より効果的な手法などについて技術的な側面などから幅広く意見交換を行った。現在具体的な事業構築に向け検討を進めていると聞いており、引き続き、事業の開始に向け、技術的なアドバイスをはじめ、必要なサポートを行っていく。

より効果的な手法について意見交換をした、とのことだが、写真で人が感染対策状況を確認する、という事業案についても、実現可能性含め、専門家としてアドバイスが必要なのではないだろうか。

私は1年前から、都が人を派遣して、店舗の感染防止策の点検を行うにあたり、都民からの三密の状況に関する情報を個別の店舗を特定しない方法で集約し、その情報に基づき優先度をつけることを提案してきたが、まったく進まない。

建設局が道路補修に試行導入しているマイシティレポートと基本的に仕組みは同じであり、するかしないかの判断のみ、という理解。

Q2 一般的な技術に関して確認したい。都民からスマートフォンで入力された情報を集約し、そこで得た地域ごとの情報の量をマップ上に色分けして表示する仕組みというのは、技術的に実現が可能か、デジタルサービス局としての見解を伺う。

A2 民間が提供するサービスでは、災害状況を知らせる一定数のユーザ投稿が所定の条件のもとに異常が発生していると判定された場合にマップ上に表示し、プッシュ通知で知らせるといった例があり、一般論で言えば技術的には可能であると考えている。

技術的に可能である、つまり、するかしないかの判断のみである、という見解を確認した。「点検・認証済店舗へのデジタルフォーメーションによる支援強化事業」の中身については、総務局の事務事業質疑でとりあげる。

教育庁~エビデンスベースの教育について

都立高校における生徒1人1台パソコンの導入に関し、教育庁が用意するECサイトを通じて生徒が購入できる端末に求められる仕様が、国が示した仕様に、都独自の項目を追加したなどにより、特定の、かつ最新のOSではない機種に誘導する内容になっている、という問題が発生した。生徒に不利益をもたらしかねない状況であり、問題であると考えている。

Q2 この仕様の決定に対して、デジタルサービス局はアドバイスを行わなかったのか。

A2 端末の仕様については、教育庁において、教育やデジタル分野などの有識者や学校長を含む委員会で仕様の内容検討をしたと聞いている。

デジタルサービス局は関わらなかったということ。相談がなければ、関われないということだが、先の第三回定例会の一般質問で、我が会派の藤井都議が一般質問で取り上げたように、小学校でパスワードの管理が不十分であるという問題も発生している。都民の代弁者である議員として、デジタルサービス局から、教育庁のICT利活用をサポートしていただきたいことをお伝えしたい。

先ほどから述べているように、私は、EBPMを推進しているが、特に教育は、成績をはじめ、データ収集がしやすい領域であることもあり、EBPMの適用に適した分野であることを伝えてきた。先行する英国では、National Pupil Database(NPD)が学校教育に関するデータベースを管理している。

「未来の東京戦略」(P127)によれば、今後、都立高校において、エビデンスベースの学習を実現するとしている。

教育データは、クラウドで提供される学習サービスや、学校外の塾での学習データなど、TG-VANの外に集まるデータも少なくない。加えて、GIGAスクール構想で先行した小中学校の学習データが、区市町村ごとに集まっており、代表的なOSが3つあり、それぞれ個別のIDが付与された状態になっている。エビデンスベースの教育を実現するには、小中のIDと高校のIDを紐づけるとともに、どのようなデータを集めるのか、どう分析し、どうフィードバックするのか、プラットフォームの設計が必要になる。しかしながら、先に述べた、パソコン購入用ECサイトの仕様で特定の機種に誘導したり、また、都立高校で取得しているアカウントが現状1OSに限られることなど、特に拡張性、汎用性の面で、傍から見ていて、不安を感じるのも事実。

Q4 今後、都立高においてエビデンスベースの教育を進めるにあたり、教育庁が構築する教育データの収集・活用のためのプラットフォームの仕様について、区市町村連携で経験のあるデジ局が関わることで、手戻りのない、実用的なプラットフォームを構築するべき。見解を伺う。

A4 デジタルサービス局は、各局の目指す取組が実現できるよう、技術的なサポートを行う役割を担っている。支援に当たっては、事業の効果が最大限発揮されるよう、デジタルサービス局が有するデータ利活用のノウハウ等も活用しながら、きめ細やかにサポートしていく。

他局が主体的に進める案件について、答弁できることが限定的にならざるを得ないことは認識している。が、都民の代弁者として懸念事項を伝えることも役目だと考え、質疑させていただいた。よろしくお願いします。

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