私は、都議会議員になる前は、東芝の研究開発センターで務めていました。そこでの最後の仕事は、研究開発に着手する段階で、環境影響に加え社会貢献の側面で評価をする仕組みの提案でした。そして、2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)を研究し、研究開発センターのメンバーに向けた、社内で最初のSDGsに関するe-learningを実施しました。
都も、SDGsを取りあげるようになってはいますが、その扱いに問題があると考えています。
SDGsとの関係について
SDGsは、MDGsの反省からできたコンセプト。問題解決だけを目指しても持続性がないため、経済との両立策をイノベーションしてはじめて、課題解決が持続的になされる、というもの。つまり行政の手助けなく持続的に進むような取り組みができて、はじめて、このマークを掲げることができる。
Q9SDGsのカラフルなアイコンを、関係がありそうな取組に紐付けることは、SDGsの本質と狙いを理解せず、本気で取り組むつもりはない、表面的な取り組みとされていて、欧米では「SDGsウオッシュ」と呼ばれる行為に相当する。このような扱いは改めるべき。
A9 SDGsについては、平成31年度に策定した実行プランの「政策の強化」の中で、政策の柱とゴールとの関係性を提示。また、今回策定した「未来の東京」戦略は、東京の発展の原動力である「人」を中心に据えており、これは「誰一人取り残さない」というSDGsの考え方と軌を一にするもの。2030年を年限とするSDGsを達成することが「未来の東京」戦略の実現につながることを明確にし、都が率先して行う事、区市町村と共に取り組むこと、多様な主体と連携していくことなどの取組方針を示すとともに、122の推進プロジェクトについて、SDGsの17のゴールがどのように結びつくのかを整理。全庁的にすべてのプロジェクトについて、SDGsのゴールとの関係を意識しながら政策を推進することで、SDGsの取組としての実効性を高めていく。
現状の取り扱いを変えるつもりはないという答弁。
ソーシャル・インパクト・ボンドの事例のように、従来は行政がコストをかけてやっていたことが、民間の知恵と民間の投資によって、コスト削減や、投資家への還元になれば、持続性が高まったといえる。そのレベルの事例にこそ、マークを付けるべきだし、対外的にも公表できるだろう。
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