令和6年第2回都議会定例会~代表質問①

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 令和6年第二回定例会に当たり、都民ファーストの会東京都議団を代表し、小池知事及び教育長、関係局長に質問いたします。

 小池知事の 2期目はコロナ禍で始まりました。
 未知なる感染症に対して、国が緊急事態宣言の発出を躊躇する中、いち早く病床確保や協力金制度を打ち出すなど、医療と経済双方から都民の命を守るべく対策を打ち出しました。再選後もコロナとの戦いは続き、国に先んじた施策を、全庁を挙げて取り組んでこられました。昨年5月の新型コロナ5類への移行に伴い、今年3月の訪日外国人数が過去最高を記録するなど、社会経済は本格的に再開していますが、日本の出生数は過去最低を記録、歴史的な円安の進行や止まらない物価の上昇は、都民の生活を圧迫し、先行きへの不透明感や閉塞感を払拭するには至っていません。このような中で東京都に求められるのは、ワイズスペンディングの徹底を継続し、都政をさらに加速させることであり、都民の生活を守り、果断な将来への投資を止めるわけにはいきません
 小池知事はそのリーダーシップにより、仕事と子育ての両立や、子育て支援、デジタル化など、古い政治で永らく置き去りにされてきた領域に光をあて、待機児童対策をはじめ切れ目のない子育て支援、行政のデジタル化、男性の育児参画を含めた女性活躍など、国に先んじた施策を次々に実現してきました。引き続き、都民・国民の暮らしや生き方の多様性、そして望みが反映された、都民ファーストの政治に知事が取り組める状況を作り上げることこそ重要です。

防災対策

中小河川における洪水対策

 まず、都民の命を守る防災対策について伺います。今年も梅雨入りし、集中豪雨や台風に備える時期となります。近年、全国で甚大な豪雨災害が起き、都内でも、いつ大規模な水害が発生してもおかしくない状況です。今後、気候変動の影響による降雨量の増加や海面上昇、台風の強大化など、風水害リスクの増大も懸念されています。都はこれまでにも護岸工事や、豪雨時に大きな効果を発揮する調節池等の整備などを進めてきていますが、中小河川の洪水対策を一層推進していくことが重要です。

Q 気候変動により激甚化・頻発化する豪雨に対して、大きな効果を発揮する調節池等の整備を推進すると共に、私たちの重点政策であるグリーンインフラの導入も拡大するべきと考えますが、知事の見解を伺います。

A(小池知事)
○都民の命と生活を守ることは都政を預かる者の最大の使命 。
○激甚化・頻発化する豪雨に対して平常時から「備えよ、常に」の精神で準備を万全にしておくことが重要 。
○都は、これまで27か所の調節池を整備しており、記録的な大雨となった令和元年東日本台風では、21箇所で取水し下流での溢水を防止。現在は、城北中央公園調節池など八か所で工事を進めております。
○さらに、気候変動への備えとして、環七地下広域調節池等を連結し東京湾まで繋げる、いわば新しい川を地下に一本作る取組を推進。
○加えて、河川でのグリーンインフラについては、 旧河川敷等で雨水の浸透効果を確認
し整備場所の特性に応じた浸透施設の導入を図る。

○こうした取組により、強靭な都市、東京の実現に向けて河川施設の整備を推進。

マンション防災のさらなる強化

 約7割の都民がマンション等に居住し、地域との繋がりが希薄になりつつある首都東京ならではの実情に応じて、知事は東京都地域防災計画震災編に新たにマンション防災を盛り込み、マンション等における備蓄や訓練、地域との連携強化により地域全体の防災力を高める重要な取組を進めてきました。私たちの下にも歓迎の声が届いています。

 都は私たちの求めに応じ、地域の防災対策を進めるにあたり、これまでの町会・自治会を中心とした防災施策に加え、マンション住民に向けた取組みを大幅に強化、一定の防災の基準を満たしたマンションの名称を「東京とどまるマンション」とわかりやすく変更するとともに、防災備蓄資器材の購入補助など支援も拡充してきました。

 今年度、さらに私たちの提案を踏まえ、町会等と連携して訓練を行った場合の助成率を高めるなど、事業を強化したことを高く評価します。

 本事業について、より多くのマンション居住者に知っていただく必要があります。例えば都内のマンションでは多くの防災訓練が実施されていますが、マンション側の求めに応じて東京消防庁が訓練の指導にあたっています。さらに地域防災力を高めるためには、東京とどまるマンションの更なる拡大と町会等との連携の促進が必要です。

Q そこで、昨年度の東京とどまるマンションの実績と、補助事業について、例えば東京消防庁と連携することなどにより周知を強化するべきと考えますが、見解を伺います。

A(住宅政策本部長)
○地域の防災力向上には、東京とどまるマンションの登録の拡大と、防災活動の地域への波及が重要。
○都は昨年度より防災備蓄資器材の補助を開始し、5万戸超の登録 。
○登録拡大には、消防法等に基づく訓練の活用も効果的。
今後、東京消防庁と連携し、実際の訓練等の機会に、PRキャ ラクターが登場する動画等による登録促進のほか、町会等と合同 防災訓練を実施した場合に資器材を全額補助する制度を紹介。

ボランティアテント活動への支援

 都は、対口支援として輪島市を中心に支援活動を展開してきました。インフラの復旧をはじめ、多岐にわたる取組を行っている全ての方々に敬意を表します。
 一方で、多くの被災者が未だ避難生活を送っています。
 都は、東京ボランティア・市民活動センターとの連携によって、被災者の交流などの活動を開始しました。輪島市や穴水町に、サロンを設け、都民によるボランティア支援を行っており、報道もされています。人と人をつなぐ取組は、今後もぜひ継続することを要望します。
 これから住宅の公費解体が本格化し、多くのボランティアの力が必要となります。

Q 被災地の復旧復興に向けて、都として、ボランティア活動の支援をしっかりと進めていくべきと考えますが、見解を伺います。

A(生活文化スポーツ局長)
○被災地の復旧、復興にあたり、ボランティアが果たす役割は大きく、活動を後押ししていく必要がある。
○都は、東京都社会福祉協議会などと連携して、能登半島地震の被災地に独自に宿泊拠点を設置。これまで延べ95 名の都民をボランティアとして派遣し、住民同士の交流のためのサロン活動等を支援している。
○被災者の方からは、久しぶりに住民同士で話ができて嬉しい、地元の自治体からは状況が把握できて助かるといった声をいただいている。
引き続き現地の状況やニーズを踏まえながらボランティア活動の支援を進めていく。

ペット同行避難

 避難所におけるペット同行避難について伺います。
 能登半島地震では、ペットと共に避難したものの、ペットの飼育スペースを充分に分けることができず、ペットの飼育者が常に気を遣いながら過ごすことで、多くのストレスを抱えながらの避難生活を余儀なくされました。避難所には、動物が苦手な方や、動物アレルギーがある方もおり、全ての避難者の安定した避難生活維持のためのペット同行避難が必要です。

Q 今年度、都が新たに実施する避難所開設訓練においては、ペットの専門家である獣医師会の方々や実際に避難をするペット飼育者を含む住民の方々が参加する、より実践に即した訓練を行うべきと考えますが、都の見解を伺います。

A(総務局長)
○避難所において、ペット同行避難の受入れ体制を整えておくことは重要。
○このため都は、新たに今年度の総合防災訓練で、板橋区と連携し避難所開設訓練の中で地元獣医師会の監修のもと作成したマニュアルに基づき、ペット同行避難も実施。
○こうした取組により、誰もが安心して避難所を利用できる体制を整備。

防火防災訓練等の推進による地域防災力の向上

 町会や事業所等での防火防災訓練はコロナ禍を経て大きく減少しています。

Q また、 町会等への加入率が低いなか、町会等が主体となった防火防災訓練だけでなく、町会等未加入者や訓練実施を知らない方々に向けた防火防災訓練を実施するなど、防火防災訓練の新たなアプローチで防火防災訓練を推進することが必要と考えますが、東京消防庁の見解を伺います。

A(消防総監)
○新たなアプローチによる訓練の推進についてですが地震等に被害軽減には、より多くの都民が防火防災訓練に参加し、防災行動力を高めておくことが重要です。
○このことから、多くの人が集まる場所に消防が出向くプッシュ型の訓練、マンション居住者向けの防災対策動画を活用した訓練、国際交流協会等と連携した外国人向けの訓練など、様々なアプローチで、より多くの人に訓練 参加を促していきます。加えて、消防署がつなぎ役となり、町会や事業所等が一体となった訓練を実施し、地域の共助体制の構築を図ってまいります。
○今後、関係部局や区市町村と連携を図りながら、これらの取組を推進し更なる地域防災力の向上に努めてまいります。

経済政策

 これまでにも、東京一極集中という安易な言葉で東京の競争力をそぎ、地方創生にも日本全体の国際競争力にも繋がらない施策が繰り返されてきました。言うまでもなく、東京は日本経済のエンジンであり、日本の成長のためには首都東京の成長が欠かせません。

中小企業の価格転嫁に向けた支援

 東京の経済成長のためには、都内企業の約99%を占める中小企業の経営への支援が欠かせません。
 しかしながら、エネルギーや原材料の価格高騰の長期化などにより、都内中小企業からは「価格転嫁が難しく、経営状況はさらに厳しくなっている」との声が届いています。特に労務費については、公正取引委員会の調査においても、転嫁が進んでいないとの結果が出ており、その対応が求められています。この状況を踏まえ、国では昨年11月に「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を公表し、発注者・受注者のそれぞれの立場からとるべき行動を示し、取引適正化を後押ししています。

Q こうした国の動きも踏まえ、中小企業の価格転嫁に向けた取組を積極的に後押ししていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

A(産業労働局長)
○原材料等の価格高騰が続く中、中小企業がコストの上昇を反映した適正な価格で取引を行い、経営状況を改善できるよう支援を行うことは重要。
○都では、専門家が企業を個別巡回し取引適正化に関する国の指針の丁寧な周知や相談等
を行うとともに、 昨年度は要望のあった35 社に具体的な価格交渉の手法等を助言。
○さらにこの指針を踏まえ、交渉が効果的に進むよう、交渉先の企業との取引額等を元に労務費の増加分を容易に計算できるツールの提供を開始
○こうした支援策をセミナーやSNS等で積極的に周知し、中小企業の価格転嫁に向けた
取組を着実に進める。

新札切り替えに対応する中小企業への支援について

 中小事業者にとって、新たな対応を迫られているのが新紙幣発行の手続きです。ちょうど1か月後から始まる新紙幣発行を前に、両替機やレジスター、券売機などの更新が進んでいます。一方、機械の更新には数百万円単位の経費がかかることから、小規模な飲食店等では更新費用が大きな負担となっています。一部の自治体では補助の動きも出始めており、都としても経営に苦しむ中小事業者に寄り添い、支援を行うべきです。また、インバウンド需要の伸びは中小事業者にとって大きなビジネスチャンスとなります。新札切り替えと同時に、多言語対応やキャッシュレス決済など、変化するニーズに即した機器の導入を後押しする必要があります。

Q このような状況を踏まえ、チケット販売機設置の支援を行うなど、都は適切に支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。

A(産業労働局長)
○中小企業が需要回復や消費者ニーズの変化といった、新たな経営環境に柔軟かつ迅速に対応し、事業の発展を図ることができるよう支援を行うことは重要。
○そこで都は、今年度から、事業者が創意工夫を生かして既存事業を改善・強化するための支援を開始。
○例えば、決済を効率化することに加え多言語対応や決済手段の多様化などインバウンドに対応し売上向上に役立つ性能を備えるチケット販売機を設置する場合などに、その経費に関して助成、こうした取組により、中小企業の経営力強化につなげていく

ナイトタイムの価値向上、ナイトタイムエコノミーの推進

 だれ一人取り残さない東京の実現のためには、稼げる東京を実現し、財源を確保していく必要があります。コロナ前のデータではありますが、ナイトタイムエコノミーの推進に取り組むロンドンでは約3.7兆円、ニューヨークでは約2.1兆円の市場規模があり、雇用創出にも大きく寄与しているとされ、東京のさらなる経済成長という観点から、私たちは、ナイトタイムの価値向上・ナイトタイムエコノミーの推進を求めてきました。
 都は、都民がナイトタイムを楽しみ、さらに、外国人旅行者の誘致や観光消費の増加を図るための具体的施策を進めており、ナイトタイム観光の充実を図るため、有識者による実務的な検討の場を設けたことも歓迎します。

Q そこで、都庁舎のプロジェクションマッピングの成果や今後の展開を伺うとともに、東京のナイトタイムの更なる価値向上に向けて、有識者による検討の場で提案されたアイデアを踏まえて具体的に取組を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。

A(産業労働局長)
○東京が、国際的な都市間競争の中で観光地として選ばれるためには、夜間観光の活性化が不可欠である。
○都庁舎で実施しているプロジェクションマッピングは観覧者数が開始から3か月で20万人を超え、東京の新たな観光スポットとなっている。
○また、観光事業者がプロジェクションマッピングを鑑賞する旅行商品を販売する取組も出てきており、経済面での効果も見られる。
今後は、クリエイターを目指す学生が制作した作品を投影するなど、 若手人材の育成の場としても活用する。
○加えて東京の強みを活かした誘客の強化等に係る有識者の議論を踏まえ、ナイトタイム観光の施策の充実につなげる。

 世界の激しい都市間競争の中、東京は世界の都市ランキングで8年連続で3位となり、世界をリードしてきましたが、日本はGDPでドイツに抜かれ、インドにも抜かれる見込みと指摘されています。東京も全力で、都市の魅力向上を追い求め続けなければなりません。
 世界ではスペインのサクラダファミリアや、オーストラリアのオペラハウスなどでもプロジェクションマッピングが行われており、多くの人を魅了していると聞いています。休日や夜間に人が訪れなかった西新宿に、世界から人を呼び込むためのチャレンジが、世界トップレベルの都庁へのプロジェクションマッピングであり、今後民間とも連携しながらさらなる経済波及効果を生み出すよう求めます。

カスタマーハラスメント防止対策の正しい運用

 都は先月、カスタマーハラスメント防止のための条例検討に向け、公労使の関係団体で認識の一致を確認したところですが、条例制定へ着実に前進していることに期待の声が寄せられています。カスタマーハラスメントに悩む現場は、店舗や企業だけではありません。行政や地域活動の現場からも対応に苦慮する悩みが聞かれ、悪質な行為に毅然とした対応を行い人材の流出を避けるためにも都の条例に対して多くの期待の声が寄せられています。

 カスタマーハラスメント防止に向けた行政の支援による広がりが期待されますが、過剰な防止対策により消費者が委縮したり、行政に対して意見を伝える機会を奪うことは、当然に避けなければなりません。

Q 都は、条例化の検討に当たり、行政に関する説明会やボランティア活動の場なども対象となる幅広い適用範囲とするとともに、正しい理解のもとで条例が運用されるよう指針を示すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

A(小池知事)
○働く方をカスタマーハラスメントから守ることは、社会経済活動を維持していくことにほかならない。公務を含め、幅広い現場での対応は待ったなしだ。
○この間、検討会議では、官民を問わず、また就業形態によることなく、東京で働くあらゆる方をハラスメントから守る条例の必要性が明らかになった。消費者等からの意見の申出を不当に妨げないことや働く方と顧客等が相互に尊重しあうことも重要だ。
○そのため、今後、条例と併せ、その考え方や運用のあり方を示すガイドライン等の検討に着手する。
○その中で、あらゆる現場を念頭に置き、効果的な対応策を示すとともに、条例の正しい理解を促し、相手の立場を互いに尊重できる社会を作り上げていく。

 今後は条例やガイドラインを示すことに加えて、カスタマーハラスメントから従業員を守るための録音機器購入などの財政支援を求めます。都民へ直接サービスを提供している都の交通局等では、ハラスメントに悩む場面も多いと聞いています。現場で働く都職員をしっかり守っていただくよう要望します。

SusHi Tech Tokyo

 小池知事はこの間、きめ細やかな目線に加えて、世界を見渡す大局的な視点から、東京を再びアジア、そして世界を牽引する都市へと飛躍させるための取組を重ねてこられました。私たちが会派として視察をしたSusHi Tech Tokyo 2024は、スタートからわずか2年で、アジア最大規模の催しとなったとのことで、東京の底力と将来への大きな期待を感じました。来年もまたその次も、継続して開催することで、「東京に来ればイノベーションに出会える」という認識を世界中に広げていくことが重要です。

Q 未来の都市像を示したショーケースプログラムでは、多くの来場者から未来に期待するアイデアも寄せられていましたので、政策の種に活かすべきです。また、このイベントの中で披露された新技術の社会実装を推し進めることで、持続可能な都市の実現に近づくと考えますが、知事の見解を伺います。

A(小池知事)
○「持続可能な都市を高い技術力で実現する」この理念を掲げ、開催2年目にしてアジアを代表するイベントに発展し、430を超えるスタートアップ、45の都市の代表、更には60万人を超える方が集う場となり、将来に向けた大きな手ごたえを得た。
○斬新な技術に触れるショーケースプログラムでは、植物由来のサステナブルな料理を味わい、会場を巡りNFTの画像を集める機会などを提供。未来の社会に不可欠な再エネや水素の利用や高度な技術の粋を集めた次世代のモビリティに触れ、子供達が未来のテクノロジーを実感する工夫を行った。
今後は、会場となった海の森エリアなどで、太陽光や水素のエネルギー利用に向けた実装を進め、東京での普及の後押しに繋げて参ります。将来の交通を担う空飛ぶ車や自動運転の実用に向けロードマップに則り、民間と協力し取組の加速を図る。
○このイベントを契機とする動きを東京発の持続可能な社会の実現に確実に繋げていく。

グランドオープンしたTIBの展開

 小池都政の2期目において私たちと二人三脚で進めてきた重要な施策の1つが、スタートアップ振興です。SusHi Tech Tokyoではアジア最大規模のイベントを開催、私たちの提案で実現したTIB等、爆速で都のスタートアップの取り組みが進んでいます。

Q 世界最高にスタートアップフレンドリーな東京の実現に向けて、この流れから大きなイノベーションを巻き起こしていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。

A(小池知事)
○先日のスシテック東京には、スタートアップや投資家、若者など、四万人を超える方々が参加し、熱気ある議論が交わされ、様々な出会いがあった。ここで生まれたイノベーションの種を大きく育てていく実践の場が、TIBだ。
○グランドオープンに合わせて、スタートアップと支援者が交流する場を大幅に拡充するとともに、ものづくりスタートアップの製品試作を専門的にサポートする 「FAB」 や、 食や小物などの新製品をテストマーケティングする 「SHOP」など、 幅広いニーズに応える機能を整えた。
○加えて、宇宙やディープテック等、特定領域でのユニコーン育成に向け、企業のクラスター形成を支援する大規模なプロジェクトを開始する。TIBを結節点に、多くの関係者の協力を得て、様々な実践を積み重ね、大きなイノベーションのうねりを創り出していく。

まちづくり

築地地区まちづくり①経済成長

 都は先日、築地地区まちづくり事業の事業予定者を公表しました。都心のまたとない最高のロケーションに加え、浜離宮恩賜庭園や隅田川といった魅力的な資源など、築地は様々なポテンシャルを有しています。
 こうした築地で、約19ヘクタールもの広大な都有地を活用する今回のまちづくりは、世間の注目を集める重要な事業です。

Q 築地の街づくりに当たっては、水や緑、歴史といった築地の資源を生かすとともに、東京が日本の経済成長を牽引していく大きな武器となるような事業としていくべきですが、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。

A(小池知事)
○恵まれたロケーションや、歴史、文化資源などのポテンシャルを生かし、魅力的なまちづくりにより、東京の持続的な成長につなげることが重要。
○今回の提案では、水辺を生かした景観緑あふれる広場空間に加え、国際的なスポーツ大会やエンターテインメント、大規模展示会等が開催できる施設多様なグレードのホテルなど、国際的な交流拠点に相応しい多様な機能を導入 。
今後、外部有識者も交えて事業予定者と協議するマネジメント体制を構築し、計画の更なるブラシュアップを図っていく。先進性と国際性を兼ね備えた、東京の新たな顔となるプロジェクトへと進化。

築地地区まちづくり②食文化

 築地は食のまちとして世界中から認知されているブランドであり、築地が培ってきた大切な食文化を守り、生かしていくという理念は、今回の事業において重要なテーマになっています。
 築地が食のまちとして、今後も世界に認められ続けるためには、国内外から築地を訪れる人々に、食を堪能していただくことはもちろんですが、加えて、場外市場などのそれぞれの店が持つ「築技(つきわざ)」といわれる目利きの知恵やノウハウなどを守り、育てるとともに、様々な人に知っていただくことも欠かせません。

Q 築地地区のまちづくりに当たっては、築地から日本の食の魅力を世界に発信していくことが重要と考えますが、見解を伺います。

A(東京都技監)
○これまで培われてきた食文化などを十分に生かし、築地ならではのまちづくりを進めることは重要。
○今回選定した事業予定者の提案では、世界に誇る日本の食を堪能できるフードボールや一流料理人の経験・技を学ぶ機会等を提供する築地クリナリーセンターなど、築地ブランドを守り、発展させ、世界に発信する多様な機能を導入。
○今後、事業予定者などと計画の具体化を図り、場外市場とも連携した施設の運営やイベントの実施などにより、世界に対し、日本の食文化の魅力が十分に発信されるよう取り組んでいく。

築地地区まちづくりにおける情報発信と都民参加

 都が公表した事業予定者の提案は、多くのメディアに取り上げられました。開発によって築地のまちがどのように変わっていくのか、都民の関心は非常に高くなっています。

Q こうした声に応えるためにも、丁寧に情報を発信するとともに、都民がまちづくりに参加できる機会を設けるなど、事業に対する幅広い都民の理解と共感を得ていくための取組が重要と考えますが、見解を伺います。

A(東京都技監)
○都心のまたとない大規模で貴重な土地であり、注目度の高い築地まちづくりに当たっては、わかりやすく情報を発信するとともに、都民の意見も踏まえながら丁寧に進めていくことが重要。
○今後、事業予定者とも連携し、まちの将来像や事業の内容、進め方等について、ウェブサイトやSNS等の様々な媒体を活用して積極的に情報を発信。
○また、事業の具体化に当たっては、事業予定者によるワークショップの実施など、都民の意見を幅広く聞く工夫をしながら進める。
○こうした取組を通じ、都民の理解と共感を深めながら、まちづくりに取り組んでいく。

クーリングシェルターはじめ、暑さ対策の推進

 暑さ対策について伺います。私たちはかねてより、暑さから命を守る取組みの重要性、特に部活動やスポーツ大会に参加する児童生徒、さらには高齢者を対象とした暑さ対策の実施を訴えてきました。

 この度、都は、今年度から施行された改正気候変動適応法に基づき、熱中症特別警戒情報が公表された際に開放されるクーリングシェルターを設ける自治体を間接的に支援することを表明しましたが、誰もが行ける距離に、そして、想定した人数を収容できる施設にするとともに、それらを地図上で示すなど、実効性のある取組みにするべきです。

Q クーリングシェルターの設置を進めるにあたり、高齢者等を含む誰もが利用できるよう取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

A(環境局長)
○熱中症特別警戒情報等の発表時には、都民が涼しい環境で過ごせるよう、区市町村長が指定するクーリングシェルターを活用することが重要。
○そこで都は、現在、都内五百以上の施設の情報を公表しており、位置を分かりやすく案内するため東京都防災マップ等にも掲載。また、自宅から近く、誰もが利用しやすい公民館等の公共施設を地域の実情に応じ原則指定を区市町村に促す。
○さらに今後、施設の利用状況、設置・運営に係る課題や好事例等を調査した上で、高齢者等が利用しやすい効果的な施設の設置に向け、区市町村と連携して取組。

都立運動場施設での暑さ対策

 また、日中のスポーツを行う際の熱中症を予防するにあたり、都はこれまで、スポーツ団体に対する補助金の中で暑さ対策を行えるようにしてきましたが、熱中症予防の指標として、暑さ指数(WBGT)が有効であることが知られています。

 また、熱中症になってしまった場合には、速やかに深部体温を下げる必要がありますが、最も効果的なのが、傷病者を、身体全体が浸せる量の水に大量の氷を投入したアイスバスに漬ける方法であり、米国等では既にスポーツ施設や学校で設備が導入されています。

Q 私たちは、スポーツ関連の都有施設における熱中症対策の整備状況を調査し、整備されていない場合には、アイスバス等の設置を求めてきましたが、取組状況について伺います。

A(生活文化スポーツ局長)
○都民に安心して施設を利用していただくために は予防と発症時の対応が重要。
今年度、都立スポーツ施設に暑さ指数計を配備。測定した数値に基づき大型パネルを用いて注意喚起することにより、利用者は水分補給をするなど、熱中症を予防することができる。
アイスバスについても各施設に新たに配備施設管理者向けに専門家による使い方に関する研修会を開催し、これらを通じて、安全なスポーツ環境の整備に取り組んでいく。

太陽光パネル設置義務化について

 知事は先日の所信表明で、「今の都民のために、そしてまだ見ぬ100年先の都民のために働かなくてはならない」と述べられました。時には痛みを伴いうるため、先送りにされがちである環境問題に正面から取り組むことが、100年先の都民へ想いを馳せた責任ある政治でます。都の気候変動対策は、知事就任以降の8年間で国に先駆けて2050年ゼロエミッション東京、2030年カーボンハーフを掲げ、大手ハウスメーカー等への太陽光パネル設置義務化の制度を創設するなど、日本を牽引する施策を展開してきました。新制度の開始まで1年を切る中、都はこれまで、太陽光パネルのリサイクルや、サプライチェーンにおける人権配慮への取組なども含む、都民からの疑問等に対して、Q&Aによる周知や、様々な媒体による広報を実施してきました。一方、未だに、太陽光パネルに対するネガティブな情報発信が存在することや、環境性能の高い住宅のメリットを知らない方がいらっしゃるのも事実です。

Q 本制度は、建物の断熱・省エネ性能を高め、再エネ設備等の設置を促進する実効性の高い施策であり、こうした住宅の標準化に向けた取組を推進しつつ、都民の制度等への更なる理解の促進を図ることが重要です。新制度施行に向けて1年を切った今、これまでの成果と今後の取組を伺います。

A(環境局長)
○都は、脱炭素化に加え、経済性、快適性や防災性の観点から有効な環境性能の高い建物の普及を推進。
○具体的には、ハウスメーカー等による新たな住宅モデルの開発を支援するとともに都民等に対して相談窓口やQ&Aの随時更新等による丁寧な広報を実施
○その結果太陽光パネルの標準設置高断熱で快適な住宅等のラインナップが着実に増加。また、三年以内の新築住宅購入検討層の認知度は七割超
○今後はより多くの事業者の制度への参加を促すとともに、業界団体や各局とも連携し、年間を通じた広報展開などにより、来年度の円滑な制度開始につなげていく。

子ども・教育政策について

 続いて、チルドレンファーストの東京に向けた子供、教育政策について伺います。コロナ禍で加速した少子化により、日本の人口は、2100年には現在の半分の約6千万人になるという予測も示されています。人口減少は我が国の構造的課題の最たるものですが、その要員は複合的で、ありとあらゆる対策を速やかに講じていかなければなりません。子育てを社会全体で支え、子育てに係る負担感を軽減するために、都は国に先駆け、子育て世帯の負担を軽減する様々な施策を打ち出してきました。

子供に優しい都営地下鉄について

 その中で、小さなお子様連れの方に安心して気兼ねなく公共交通をご利用いただけるよう、都は、私たちの提案を受け、都営地下鉄において子育て応援スペースの導入を進め、全路線で展開するなどの取組を進めてきています。また、先月には、今年の夏に向け、子どもワンデーパスを100円で販売することが発表されました。
 さらに、上野御徒町駅においては、「こどもスマイルスポット」として、授乳室の設置、液体ミルクの販売、ベビーカーシェアリングの導入など、子供やママ、パパに優しい環境づくりを進めていることに多くの子育て世代から歓迎の声が届いています。

Q 今後こうした取組をさらに拡大し、都営地下鉄の駅に限らず、主要な駅や施設などに行けば、授乳室がある、液体ミルクが買える、ベビーカーが借りられる、と認識してもらえるようなインフラとして整備していくことが重要です。そのためにも、都営地下鉄の駅における取組をさらに拡大すべきと考えますが、見解を伺います。

A(交通局長)
○都営地下鉄では、赤ちゃんや小さなお子様とのお出かけをサポートする「こどもスマイルスポット」 を昨年7月に上野御徒町駅に開設し、育児用品自動販 売機の設置やベビーカーレンタルサービスの提供等を実施。
今年度は、駅構内のスペースや駅の周辺施設、機器設置事業者の意向等を勘案して検討を進め、新たに新宿西口駅と門前仲町駅の二駅に展開することとし、このうち新宿西口駅には授乳室も設置
○こうした取組を通じて、小さなお子様連れの方が、公共交通機関を利用してお出かけしやすい環境づくりを推進。

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子どもDX

  デジタルの力をフルに発揮し、便利で快適な子育て支援サービスを展開していくことで、格段に便利になった等の都民実感につなげていくことも重要です。
 昨年度から取組がスタートした「こどもDX 」は、忙しい子育て世代にとって、もれなく簡単にサービスが受けられることを目指すものであり、高い期待が寄せられております。

Q 便利さが実感できるサービスを続々と打ち出し、目に見える形で都民の期待に応えていくべきと考えますが、見解を伺います。

A(デジタルサービス局長)
○国や区市町村とともにサービス変革を進め、取組は着実に進展。
○ 3月には、子育て支援情報のプッシュ配信を先行自治体で開始し、民間アプリから3万を超える情報を届けた。今年度中に支援制度のデータベースを都内 全自治体で整備し、 サービス展開につなげる。
保活の手続がオンラインで完結するシステム開発に着手し、秋には3自治体で年度途中の入園手続で利用
○医療費助成等母子保健サービスのDX では、国の情報連携基盤への病院等の接続に向け補助を実施。
GovTech 東京とともに、子育て世代が便利さを実感できるサービスに磨き上げて参ります。

認証学童クラブについて

 小池知事は第1回定例会の所信表明で、待機児童解消の次は、「小1の壁」の解消に取り組むと力強く表明されました。都内の学童クラブの待機児童数は、3千名以上で推移しており、学童クラブを必要とする全ての子供が利用できるよう量的な拡充を図ると同時に、子供たちが生き生きと過ごせる環境づくりや、保護者から見たサービスの利便性向上、担い手となる職員の処遇改善など、都として学童クラブの充実に向け取り組むべきです。私たちは、昨年度の最重点の政策要望に「認証学童保育所制度の創設」を掲げ、それを受け都は今年度、認証学童クラブ制度の構築に向けて、検討を行うための予算を措置しました。

Q 認証学童クラブ制度の具体化に向けて、都内で先駆的に取り組む民間事業者の意見や、利用する子どもと保護者の声を聴くなど学童クラブの実態とニーズを丁寧に把握し、早急に仕組みを検討していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。

A(小池知事)
○私はチルドレンファーストを柱に据えて、大胆かつ全力で取り組んできた。共働きが当たり前の現代において必須のインフラとも言える学童クラブの充実に向け、今年度、都独自の運営基準による新たな認証制度の創設に取り組んでいく。
○新たな制度では、子供の自主性、社会性及び創造性を育むとともに、保護者のニーズにも応え、多様な サービスを提供できる仕組みを目指していく。
今月から、子供や保護者、民間事業者等への調査を実施し、運営実態やニーズを把握する。また、今後立ち上げる専門委員会の意見や、独自に職員配置や活動プログラムなどの充実に取り組む先行事例を参考にしながら、制度の具体的な内容を検討していく。
○こうした取組により、「小一の壁」の打破に向け、全力で取り組んでいく。

フリースクール等への支援① 支援制度の詳細

 東京都の不登校のこども達は、2万7千人となり、10年連続で増えています。不登校の出現率は、小学校で1.78%。中学校で6.85%であり、中学校ではひとつのクラスに2名程度の不登校生徒がいる計算になります。
 不登校のこども達に多様な学びの場を提供する取組は重要であり、私たちは、「フリースクール・プロジェクトチーム」を立ち上げ、数年にわたり議論を進めてきました。

 私たちの提案を踏まえ、都は今年度、利用者や運営事業者への支援に踏み出しますが、これは画期的な一歩で、全国的にも注目をされています。

Q そこでまず、利用者や事業者のニーズに寄り添った支援とすべきと考えますが、フリースクール等の利用者、運営事業者に対する支援制度の詳細について伺います。

A(子供連携室長)
○都は今年度、フリースクール等の利用者と団体に対する支援を開始。
○利用者支援については、都内在住の不登校状態にある義務教育段階の児童・生徒が、 不登校支援を主たる目的とする都内外の通所型施設を利用する場合、月二万円を上限に 四月分からの利用料を助成
団体支援については、サポートプランの作成等に係る人件費に加え、防犯カメラや転落防止柵等の安全対策経費、体験活動の実施・充実に係る経費、スタッフの資格取得等の資質向上経費を補助対象とすることで、 子供目線に立った取組を行うフリースクール等を後押し。

フリースクール等への支援② 支援制度の周知

Q 併せて、いずれの方々に対しても、必要な支援が届くよう、各支援制度を発信するとともに、政策効果を発揮させるため工夫を凝らしていくべきと考えますが、見解を伺います。

A(子供政策連携室)
○フリースクール等の利用者支援と団体支援が必要とする方々に着実に届くよう、様々な工夫を凝らしながら、支援制度の周知広報に取り組んでいく。
今月、各支援制度の専用ホームページを開設し、制度の詳細を公表。
○利用者支援の実施に当たっては、幅広く周知を図り、七月から申請受付を開始。
○団体支援については、事業趣旨の理解促進を図るため、今月事業者向けの説明会を開催するとともに、来月講習会を実施するなど、十月からの制度開始に向け着実に取組を進めていく。

こどもの貧困対策

 4月に発表された民間調査によると、お米を買えないことがよくあった家庭が65%。親が食事を抜いてこどものお弁当を用意しているなど、切実な状況が分かりました。コロナ禍を経て、ひとり親家庭の生活状態が、より悪化しています。経済的理由により、こどもについて何らかの「あきらめた経験」がある者は9割に達するという報告もあり、体験格差も拡がっています。
 貧困に苦しむこども達に光をあて、全てのこども達の可能性を拡げる社会を構築することは、少子化が進む日本社会全体の課題です。
 都は、「こども未来アクション2024」の重点アクションとして「貧困対策」を明記しました。具体的な体制の構築が必要です。

Q 体験格差の存在をひとつの軸として視野に入れ、こどもの貧困対策について検討すべきと考えます。さらに、現場を知るNPO団体などとの意見交換を行い、施策展開を進めるべきと考えますが、見解を求めます。

A(福祉局長)
○都は、全ての子供が健やかに成長できるよう、福祉、教育、就労など様々な分野の関係機関が連携し、子供の貧困対策を総合的に進めており、生活に困窮する子育て家庭の支援や、子供の居場所の創設に取り組む区市町村を支援してきた。
○子供の貧困解消を進める上では、子供が安心して多様な体験や遊びができるようにすることも必要である。
○このため都は、今年度、次期子供・子育て支援総合計画の策定の中で、有識者や関係団体の意見を聴きながら、家庭環境に左右されない子供の体験機会の確保策を含め子供の貧困対策について検討していく。

トー横に集まる子ども達への支援について

 私たちは、歌舞伎町に集まる「トー横キッズ」と、彼らに群がる悪意のある大人について、会派内に「トー横キッズ・プロジェクトチーム」を設置し、取組んできました。
 4月には、都議会にトー横キッズ11名を迎え、直接意見を聴きました。トー横の課題解決は、こども達を守ることに留まらず、日本を代表する繁華街である歌舞伎町の健全な発展につながります。 
 都は、先日、若者の犯罪被害を防ぐ支援の充実のために常設の総合相談窓口「きみまも@歌舞伎町」を設置し、開設に合わせて、私たちも現地を視察してきました。

Q 開設した相談窓口では、困難を抱える若者に寄り添った対応をし、歌舞伎町界隈の課題解決に繋げていくべきと考えますが、見解を伺います。

A(生活安全担当局長)
○困難を抱える若者がトラブル等に巻き込まれないよう、寄り添い対応することが重要。
常設の相談窓口 「きみまも@歌舞伎町」を先月末に開設、被害防止に向けた啓発と共に、 専門相談員が話を聞き取り、悩みや困りごとを受け止め、臨時窓口の成果も活かし、関係機関等と緊密に連携し、支援。
得られた声や実態は、若者への声掛けやSNS等での情報発信に活かし若者を犯罪やトラブルの危険から守る取組を推進

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