「令和6年第2回都議会定例会」一般質問③~AIドリル教材と教育ダッシュボード

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「AI教材」の利用拡大

 GIGAスクール構想により、小中そして高等学校には一人一台端末が整備されましたが、これにより可能になったのが、AIによる教育の個別最適化です。従来の授業では、児童生徒の理解度にかかわらず、同一の教材を提供するしかありませんでしたが、AI教材では、AIが間違いの原因を分析し、問き直すべき問題に誘導してくれます。

 私は、令和2年第3回定例会の一般質問、小学校低学年で生じた学力差が中学校でも維持され、高校入試で固定化されるという分析結果を紹介するとともに、AI教材の積極的な導入を求め、一部都立高校での導入が実現しました。

Q 子供たちの学び直しをはじめとする個別最適な教育のためにAI教材を一層活用すべきと考えますが、これまでの成果と今後の取組について教育委員会の見解を伺います。

A
○ 都教育委員会は令和4年度から2年間、 都立高校7校で効果的な活用法を検証した。 この中で、 教員がAI 教材の特性を理解した上で個々の指導に活用することが効果的であると確認できた。
○ 今年度、都立高校における校内寺子屋実施校のうち9校、不登校生徒を対象とする校内別室の設置校 17校において、 AI 教材を活用し、 個々の生徒に応じた学びの実現に向け、 支援を行っている。
○ 今後、小中学校におけるAI 教材の効果的な活用につながる取組事例を収集するとともに、 情報教育の担当者連絡会において好事例を紹介する。

教師の事務負担軽減とエビデンスベースの指導推進に向けた「教育ダッシュボード」の開発

 また私は、教員の事務負担軽減と、エビデンスベースの指導の推進のため、学習や保健などの、学校で紙で扱ってきたデータを一元化する「教育ダッシュボード」の開発と、教育におけるビッグデータの活用を求めてきました。

 一部の先進的なエドテック企業では、新学習指導要領で求められつつも評価が難しいとされている、主体性や課題設定能力などの非認知能力について、デジタル教材の利用状況と、先生と生徒の評価指標に関する丁寧なコミュニケーションを組み合わせることで、定量的かつ納得感のいく評価とフィードバックを成し遂げています。

Q 教育ダッシュボードの開発に取り組むにあたり、データ活用に取り組んできた研究校の研究成果を公表するとともに、教育データの利活用に関する最新事例を収集して、生徒一人ひとりの力を最大限伸ばすことができる教育ダッシュボードにしていくべきと考えますが、見解を伺います。

A
○ 都教育委員会は、令和4年度から2年間、教育DX推進校として都立高校19校を指定し、 成績や出席等各システムのデータに基づく効果的な指導法の研究成果を公表する予定である。
○ 今年度は推進校のうち研究が進んでいる4校を教育データ利活用実証研究校として指定し、本年1月から稼働しているダッシュボードの活用事例の研究を進め、年度内に新たにその成果を公開する。
○ 今後、データの利活用について国内外の最新事例の情報収集に努めていく。また、研究校の実践を通じ、 教育的効果の観点から、取り扱うデータの種類と表示方法を検討していく。

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