「令和2年第3回都議会定例会」一般質問⑥AI教材など新しい日常の教育を後押し!

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ICT利活用に向けた教員の意識改革

多くの保護者の皆様、団体、専門家の皆様よりご意見を頂いていた「教育ICT利活用の学校や地域格差」をとりあげました。先生の働き方改革、教育格差解消にもつながる大切な学校現場へのICT導入。環境を整備して終わりにしないよう継続して働きかけていきます。

議会用語的には、これも「今後は(新たに)」取り組むという前向き答弁で、管理職向け動画配信と、定期的な調査が約束されました。

Q 文具として、そしてプログラミング教育先生方の働き方改革、そして教育のEBPMのために、私はかねてより教育へのICT導入の重要性を訴えてまいりました。

 GIGAスクール構想の前倒しにより、今年度中に都内公立小中学校で一人一台環境が整いますが、地域や学校によって取り組みに差があり、その原因として、教育委員会や校長の姿勢があることがわかってきました。

 都教育委員会は、ICT利活用に向け、全ての教員や教育委員会の意識改革を図るとともに、地区や学校による取り組みの差をなくすよう対策していくべきだと考えますが、教育長の見解を伺います。

A 初めに、ICTを活用した教育活動の充実についてでございますが、一人一台端末を活用し、個別最適化された学びや主体的、対話的な学び等を実現するためには、ICTの特性や強みを生かした授業スタイルの導入が求められます。

 このため、都教育委員会は、教員を対象に、オンライン学習の推進を図る研修の実施に加え、好事例を周知する指導資料、学びのアップデートを定期的に配信しております。今後、さらにICTリテラシーの向上を図るリーフレットを全校に配るほか、管理職向けに新たに研修動画を配信し、校長のリーダーシップの発揮を促してまいります。

 これらの取り組みを通じ、全公立学校でのICT活用の定着を図るとともに、取り組み状況の定期的な調査分析により、教員研修の充実など、必要な支援を行ってまいります。(教育長)

チャレンジする先生を応援する研修の実現!

これからの変化の激しい時代、例えばICT利活用に後ろ向きな先生の後ろ姿を子ども達は見ています。先生方が変化に貪欲でなければ、子ども達も勇気をもってチャレンジするのは難しいのではないでしょうか。この質問は、教育庁の担当職員と何度も議論を重ねるなかで、課題に共感していただき、これまでの枠組みの中で、どうやったらそのような研修ができるかを一緒に考えて実現した質疑です。

私の前職は総合電機メーカーの研究開発職でしたが、今まで無かったものを世の中に送り出すためには、様々な困難を乗り越える必要があります。こんな時、言われて仕方なくやっている仕事やチームではすぐに瓦解します。信頼できる仲間とだからこそ乗り越えられたことが何度もありました。中でも、尊敬する人から、「その取り組みは間違ってない」と認められることは本当に力になりました。

教師の長時間労働は本当に課題です。これまでも教員免許が無くてもできる仕事の外だしなど予算化してましたが、先生方の負荷を下げることはなかなか容易ではありません。改革を目指すすべての教師を勇気づけたいと思い、質疑しました。

教育界の皆様からは、とても良い質疑だった、とコメントいただいています!

Q ICT導入に積極的な地域や学校には、それを牽引する人が必ずいます。変化が早い時代において、みずから道を切り開く力を児童生徒が身につけるためには、そもそも教員が変化を肯定的に捉え、学び続ける姿勢を持つことが不可欠です。

 都内には、プログラミング教育インクルーシブ教育コミュニティスクール(、バリアフリーいじめ対策)など、さまざまな分野で変革をなし遂げた先生方がいらっしゃいます。変化に臆さずチャレンジできる教員を育てるためには、このような先生方から直接指導を受け、志を同じくする仲間ができることが何よりも力になります

 都教育委員会は、多様化する社会に対応するため、変わることを肯定的に捉えることのできる教員を育成するべきと考えますが、見解を伺います。

A 教員は、教職生活全体を通じて、実践的指導力等を高めるとともに、社会の急速な進展の中で、探求力を持ち、学び続けることが必要でございます。
 そのため、これまで都教育委員会は、子供の多様なニーズに対応した学習指導や学校教育におけるICTの活用などの教育課題に応じた研修を実施し、教員の計画的な育成に取り組んでまいりました。

 今後、意欲ある教員が、さらに自らの資質を高められるよう、最新の教育動向に精通し、教育現場での実践経験と情熱のある人材を講師に招いた研修を実施するなど、変化する社会に対応した教育改革の推進に貢献できる教員の育成に向けた取り組みを一層進めてまいります。(教育長)

AI教材導入に着手!

私は、議員になる前の2016年の日経新聞の正月号で、「AI×教育」という記事を見た直後に、当時中2だった我が子を連れて、三軒茶屋にあった、AIドリル教材を開発する当時の「Qubena」を訪問しました。第7回都政報告会でもその有用性を取り上げ、参加者の多くに興味を持っていただきました。

今回の答弁の、「今後(新たに)、・・・検討を進める」というのは、議会用語的には、全く新しいことに着手するという、ものすごく前向きな答弁です!実際、教育庁の職員の皆様からは、ずっと私からの働きかけがあるなかで、我々もやるべきだという結論に到達した、という言葉をいただきました。都内の子供達の教育格差の解消と先生方の働き方改革につながるこの取り組み、進められて本当に嬉しいです!

Q 一人一台環境で可能になるのが個別最適化学習です。児童生徒の理解度にかかわらず、同一の内容を提供するしかない従来型の授業とは異なり、AI教材では、間違いの原因をAIが分析し、その解決につながる問題に誘導します。その結果、知識習得の時間を半減したり、通信高校における義務教育のやり直しの確実な実施などで、成果を上げています。

 昨年出版された書籍「教育格差」では、親の学歴に依存して、未就学の段階の読み聞かせやゲーム時間に差があり、小学校低学年で生じた学力差は中学校でも維持され、高校入試で固定化されるという分析がなされています。

 都立大学の子ども・若者貧困研究センターの調査でも、貧困家庭の児童生徒で、小学校低学年から授業がわからなくなる割合が高いとされています。

 知識習得の時間の大幅圧縮と個別最適化された学びを進めるため、まずは都立高校にAI教材を早急に導入するべきと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。

 最後に、AI教材についてでございますが、いわゆるAI教材は、AI技術を活用して、生徒一人一人の学習状況を分析し、生徒の理解と習熟の度合いに応じた課題を提供するものでございます。

 さきの総合教育会議では、AI教材の活用は、学習効果や生徒の学ぶ意欲の向上などに有効であると専門家から報告されたところでございます。

 こうした教材を都立高校で効果的に導入するに当たりましては、学校の実態に合わせたAI教材の選択やその使い方、指導方法などを工夫することが必要になります。

 今後、都教育委員会は、個別最適化された学びの実現に向けた取り組みといたしまして、都立高校それぞれの特色に応じたAI教材の活用について検討を進めてまいります。(教育長)

都立大学での対面授業を応援!

我が子は、現在、大学一年生。まあまあ、オンライン授業も楽しくやっています。ただ、今の大学の在り方は、大学自らが、学生が集い、切磋琢磨する場を提供するという役割を否定しているように思えてなりません。取り立てて先駆的な取り組みではありませんが、都立大も新入生の対面の場を作ることを明言したのは今回が初めてです。

Q 大学における対面授業の再開の遅れに対し、文部科学省は、対面授業の有無だけではなく、その割合と対面授業ができない理由の調査に乗り出しました大学は、教育機関であると同時に研究機関であり、対面授業とオンライン授業のハイブリッドのあるべき姿の探求が望まれます。

 都立大学は、コロナ禍においても、学生がキャンパスに来て、学び、交流できる環境の確保にも取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

A 最後に、コロナ禍における都立大学の取り組みについてでございますが、コロナウイルスとの闘いを見据え、大学教育においても、感染防止策を講じながら、学生の学修、交流環境を提供する新しい日常の実践が重要でございます。

 都立大学では、オンラインによる授業を基本としつつ、実験、実習など一部の科目を対面で実施しておりまして、感染状況や教育効果を踏まえながら、さらなる拡充を図るなど、いわゆるハイブリッド型の教育を進めてまいります。

 こうした学修機会の確保に加えまして、十月から入構制限を解除いたしますとともに、主に入学以降登校できていない学部一年生に対しまして、学生同士の交流のきっかけとして、学部や学科単位で仲間とじかに触れ合う場も提供してまいります。

 都は、こうしたウイズコロナ時代の新しい日常における都立大学の取り組みを積極的に支援をしてまいります。(総務局長)

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