各会計決算特別委員会第2分科会の質疑(教育庁_3/8)基礎学力定着とAI教材

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小中高等学校の基礎学力定着の取組みについて質疑に取り上げるとともに、先の一般質問の答弁で、都が初めて取り組むことを表明した、「AI教材」の活用、ICT利活用を要望しました。特に、中学校における「スタディ・アシスト事業」は伊藤都議が、高等学校における「進学アシスト事業」は私が質疑を通じて実現した事業です。

教育庁④「東京ベーシック・ドリル」(小学校)

Q 小学四年生までに必ず修得すべき基礎的、基本的事項の定着を目的に、平成26年に第1版を作成、平成31年には、新学習指導要領に合わせて改定した「東京べーシック・ドリル」について、前の版の評価と、改定版を作成するに至った経緯を伺う。

A 都教育委員会は、平成26年度に「東京ベーシック・ドリル」を作成し、学力の定着と伸長を図ってきた。また、平成29年度には、パソコン等を使って学習できる電子版を開発し、都教育委員会ホームページに掲載した。こうした取組等を通して、国の学力調査では、小・中学校共に、概ね全国平均正答率を上回る状況となっている。さらに、昨年度、新学習指導要領の趣旨を踏まえ、改訂するとともに解答や採点の方法を簡易にするなど、電子版の機能の改善を図った。今般の学校の臨時休業期間中には、昨年度同時期の40倍を超える約35万9千件のアクセスがあり、他県等からの利用希望も寄せられた。

基礎学力定着のために、従来、先生方がそれぞれ取り組まれていた補修目的の問題作成を、都教育委員会で集約、電子化したもので、基礎自治体の学校HPでも、関連する記述が多数見つかるなど、先生方にも活用して頂けていることを確認しました。長時間労働解消にも資する良い取り組みだと思います。

この答弁に紐づけて、ここでは改めて、先の一般質問の答弁で、都が初めて取り組むことを表明した、「AI教材」の価値について述べました。

「AI教材」は、一人ひとりの理解度に応じて出題することで、基礎学力の定着を目指すものですが、いわば、今回の、ベーシック・ドリルを、より大量のデータに基づいて実装・自動化したようなものです。このように、教育現場へのICT導入の価値とは、

・指導と成果について経験豊かな先生が横でアドバイスをしてくれる
・(丸つけなどの単純作業を自動化することから)スクール・サポート・スタッフが一人ひとりの先生についてくれる
・(教育委員会や職員会議などで、一部の声の大きい参加者の主観や、負荷が高いわりには断片的な項目しかないアンケートではなく、教育政策を客観的なデータで決められることから)現場を預かる多くの先生方が実感している課題を反映した教育政策が立案できる

というものです。

以前より私は、ベーシック・ドリルの価値を国の学力調査で図るには、通塾の効果を取り除けないと訴えてきましたが、このような指摘も児童生徒の通塾に関する情報と一元化されれば、解消できます。

学校現場へのICT導入は、本来教師が児童生徒と向き合う時間を創出し、児童生徒が互いに協力したり、切磋琢磨する時間を生み出し、まともな教育を取り返すための有効な手段です。引き続き前向きに取り組んでいっていただくことを要望しました。

教育庁⑤スタディ・アシスト事業(中学校)

Q 公立中学校の3年生の70%が塾に通うなど、希望する進路に進むための家庭の教育費負担は増大している。家庭の経済力が教育格差につながらないように、学校でも学習塾などの外部人材から指導を受けらる機会を設けることを求めた我が会派の質疑をうけ、都教育委員会は、平成30年度から「スタディ・アシスト事業」をモデル実施しているが、その成果について伺う。

A 「スタディ・アシスト事業」は、公立中学校3年生を対象に進路実現に向けた授業外における学習支援として、立川市及び青梅市の2地区で実施した。本事業では、民間教育事者を活用し、希望のあった全中学校において、放課後等に英語と数学の少人数クラスの学習支援の取組を行うことで、受講生全体の8割以上が志望校に合格するなどの実績をあげている。このことから、今年度は、さらに4地区に規模を拡大して事業を実施している。

偏差値は一つの物差しであり、これが高い学校に進むのが全てだとは思いませんが、進学意欲があり、塾に通いたくても通えない児童生徒に、その指導を受けられる機会を選択する機会を設け、実績を上げていることを評価します。

家庭の経済環境で、児童生徒の資質が発揮できないようなことがあってはなりません。意欲ある子どものための取組みの質の向上と拡大、そして、繰り返しになりますが、基礎学力定着で一定の効果をあげているAI教材の活用も視野に入れて検討することを要望しました。

教育庁⑥進学アシスト事業(高等学校)

Q 高校受験で実績をあげている「スタディ・アシスト」事業を踏まえ、これも我々の質疑を通じて、H31年からは、進路多様校と言われる都立高校において、大学進学のための学習をサポートする事業が始まることになった。都立高校において、令和元年度から実施している「進学アシスト事業」の成果について伺う。

A 都教育委員会は、いわゆる進路多様校のうち2校を、昨年度から「進学アシスト校」として指定し、大学進学を目指す生徒に対して、放課後や土曜日等に予備校の講師を活用した学習支援を行っている。指定校では、対象生徒の日頃の取組に加え、面談や小テストにより把握した学習の定着状況を踏まえ、きめ細かな指導を行っている。これらの取組により、外部模試において成績が向上し、目指す大学に合格するなどの実績が報告されている。当該校の学校説明会において、中学生やその保護者の本事業の関心が高まっていると聞いている。

外部模試は受験にむけて実力を把握するための手段として確立しており、これで成績が向上したことは実績と言ってよいと考えます。継続と改善、加えて偏差値60までの基礎学力定着に効果があるといわれている、AI教材の活用も検討していただくことを要望しました。

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