「令和4年第1回都議会定例会」総務委員会~都民安全推進本部①子供の安全確保

福島りえこ,都議選,世田谷区,都民ファーストの会,都議会議員ブログ

令和4年第1回都議会定例会の総務委員会の2日目は、都民安全推進本部とデジタルサービス局に対して質疑を行いました。都民安全推進本部に対しては、事業の効果検証を行うべきとの質疑を行いました。

「子供の安全確保に向けた防犯設備区市町村補助」について

我が会派からの働きかけもあり、都民安全推進本部は地域の防犯力向上のため、これまで区市町村、町会・自治会や商店街等を支援し、地域や、登下校区域、公園など都内2万8000台以上のカメラ設置を補助するとともに、令和元年以降は、町会・自治会等が設置した防犯カメラ等の維持管理等についても補助してきた。

Q1 来年度より、新たに「帰宅後の放課後活動」を対象にした理由は

A1 警察庁の統計等によると、子供が犯罪の被害者となる事案は 14 時か ら 19 時頃の間に増える傾向にあり、これは、下校時から、塾や公園と いった放課後の活動場所への行き帰りの時間帯に該当。これを踏まえ、「子供の安全確保のための防犯設備区市町村補助事業」 では、子供が放課後の活動場所に向かう経路等を見守ることを目的に、 区市町村が設置する防犯カメラへの補助を実施。

Q2 対象とする時間帯は統計資料に基づいているという説明だが、場所 についてはどのように決めたのか

A2 子供への声かけ事案等の多くは、道路上で発生。このことから、本事業では、道路に設置する防犯カメラの整備を補助 の対象。

根拠とする平成29年9月に取りまとめられた、「警視庁子供・女性の安全対策に関する有識者研究会の提言書」によれば、平成24年から28年の間に警視庁が認知した子供に対する犯罪、計1,298件の発生場所のうち、最も多い37%を占める「住宅」については防犯カメラの設置は難しいとして、次の「道路等」が27%、「公園」が12%、続いて「商業施設」が8%となっている。保護者からは、商業施設では特にトイレが心配だという声を聴く。設置場所についても、発生状況に基づいた取り組みを要望する。

(放課後活動となると暗い時間帯が想定されますが、これまで実施してきた、町会・自治会等が設置する防犯カメラの整備補助事業で導入実績のある「暗視補正機能」付き防犯カメラの、1台あたり19万円が予算化されていることを確認しています。)

「子供を守る事業者連携事業」について

Q3 子供を守る事業者連携事業の目的と内容は(要望を述べるためのフックとしての質疑です)

A3 子供の安全対策には、地域における見守りの目を増やすとともに、(中略)親子が日常生活において、防犯について話し合う環境づくりが必要。そこで、都は、都内の多くの地域で店舗等を展開する、親子で利用する機会が多い商業施設等と連携し、子供の安全に関する短い啓発動画の放映ぬり絵の配布、イベントの共催等を通じ、家庭内で防犯について話すきっかけや題材を提供

取り組み自体には賛成。ただし、本事業についても、効果検証の視点が大切。動画は、協力を表明してくれた事業者に無償で流してもらうと聞く。2021年のノーベル経済学賞の受賞対象が、政策の効果を「自然実験」により測定した研究であったことは、これまでも総務委員会で紹介してきた。「自然実験」とは自然的・経済的・社会的に生じた状況変化を利用して多数の要因が影響する事象から、特定の要因による処置効果を識別するための分析手法の一つであり、今回、協力する事業者がいて動画が流せたエリアとそうでないエリアがあることから、子供を社会で見守るという気運が情勢されたか、さらには犯罪が減ったか、を検証するべき。

個人的には、事業費の5%もしくは5,000万円の少ない方を、事業の評価にかけるべきと考える。せっかく事業設計して実施までして、なぜその効果を測らないのか。効果がなかったとしても、今後無駄な事業を継続しなくてもよいという意味では前進。データに基づいて事業設計する。データがないなら、仮設をたてて事業を実施し、検証する。このような取り組みを経て、今後の政策の精度があがり、より都民の暮らしや将来に資する事業が設計できると考える。

ちなみに、都議会議員になって継続してとりあげてきた政策評価と事業評価を連携させる取り組み「令和4年度東京都予算案の概要」のP129~)が、令和4年度から開始、9事業ユニット97事業がその評価対象になる。ポイントは、一つの政策目標に紐づく複数の事業で比較ができること。

子供に対する犯罪が増えつつあるエリアで新たに組むべきは、商業施設での動画の放映なのか防犯カメラの設置なのか。両方だとしても、どちらにどの程度予算をかけるのか。評価があってはじめて、異なる事業どうしも比較できる。動画作成を請け負う民間事業者は営業時にその映像の効果を説明しているはず。動画の入札において、効果の検証まで含めて提案させるというのも一案。検討を求める。

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